[イベント,ブルワー]2020.4.22

遠野醸造が4/23(木)に初のボトルビール販売! いわて蔵ビールの協力で実現

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来る2020年5月3日(日)に2周年を迎える、岩手県遠野市の「遠野醸造」。通常はブルワリーで樽詰めを行い、併設のタップルームで提供する形をとっていますが、4月23日(木)12時から、ボトルビールのオンライン予約販売を行います。ビアスタイルは「ペールエール」「ファイブウィッツIPA」「TNXコーヒーIPA」の3種類、数量は100セットを予定。

そして5月3日には、ビールファンとオンラインで乾杯する周年祭「遠野醸造TAPROOM2周年記念! オンラインパーティー」を開催します。

<遠野醸造オンライン販売サイト>
https://tonobrewing.stores.jp/

ボトリングできない中、他社での瓶詰めに活路を見出す

「ホップの里からビールの里へ」をコンセプトに、「遠野ホップ収穫祭」の開催や国内産ホップ普及の活動など、さまざまな取り組みを行なう遠野市。遠野醸造は、JR釜石線遠野駅から徒歩3分の立地にあるブルワリーです。

遠野醸造の醸造規模は、年間およそ10kl。基本的にはグラウラーでのテイクアウトも含め、併設のタップルームや遠野ホップ収穫祭への出店で、約96%を消費するといいます。つまり、通常は、地元の人や遠野へ観光に訪れた人たちを中心に飲まれているということです。

新型コロナウイルス「COVID-19」の影響により、人の流れが大きく代わりました。岩手県は4月21日現在、国内で唯一コロナウイルス感染者がいない地域。しかしながら、国による外出や移動自粛要請などにより、特に県外からの観光客が大幅に減りました。遠野醸造も、他の地域やブルワリー同様、かなり厳しい状態が続いています。

「3月前半から団体客のキャンセルが相次ぎ、後半にかけて売上は下降気味になりました。都市部の状況を鑑みて、4月4日からはテイクアウトと物販のみの営業に切り替えましたが、緊急事態宣言を受け、5月6日まで休業を延長している状態です」(遠野醸造 袴田大輔さん)

遠野醸造 代表取締役の袴田大輔さん。経営・営業責任者を務める


すでに樽詰めしたビールはもちろん、現在仕込み中のビールの行き先が決まらず、グラウラーでのテイクアウトだけでは行き詰まりが見えていました。ボトル詰めして販売したくても、遠野醸造の持つ酒造免許では、ブルワリー内でのボトリングが許可されていません。

そこで瓶詰め機を持つ他社に依頼する形で、ボトリングを実現する道を探ることに。複数の県内のブルワリーにお願いした結果、引き受けてくれたのが「いわて蔵ビール」でした。

左から袴田さん、いわて蔵ビールの佐藤航さん、遠野醸造の醸造責任者 太田睦さん(写真提供:遠野醸造)


いわて蔵ビールに依頼したのは、510ℓ(15Lケグ×34本)。管轄税務署の指導のもと、遠野醸造の樽生ビールをいわて蔵ビールに「未納税移出」してボトリングしてもらい、再度遠野醸造へ「未納税移入」する──つまり、課税せずに一時的に外に持ち出して加工してもらい、元に戻す方法がとられました。

ビールを醸造した「製造者」が遠野醸造、ボトリングした「加工者」が世嬉の一酒造(いわて蔵ビール)と記載される(写真・画像提供:遠野醸造)


「長年東北のクラフトビール業界を引っ張ってきて、業界の発展を心から願っている航さんの心意気があるからこそ、成せたわざだと思います。小規模ブルワリーの事情を理解し、相談からビールの搬入まで10日足らずという、かなりのスピード感で対応してくださった。心から感謝しています」(袴田さん)

手詰式瓶詰め機とOEMが培ったノウハウでサポート

いわて蔵ビールが引き受けたのは、15ℓの樽から手詰方式の瓶詰め機を使ったボトリング、ラベル貼り、梱包です。今回は、いわて蔵ビールにストックのあるボトルと王冠を使用する条件で、人件費を含めて1本あたりのコストを算出したといいます。

遠野醸造からいわて蔵ビールまでは、車で約1時間30分程度の距離。ビールを詰めた後のボトルは郵送も可能ですが、今回は遠野醸造が引き取りに来ることになっています。

ボトリングには手動の瓶詰め機を使用(写真提供:いわて蔵ビール)

いわて蔵ビールの佐藤航さんは、「未納税移出によるボトリングが実現できたのは、OEMのノウハウがあったこと、『手詰めでのボトリング作業』が可能だったことが大きい」と考えています。

世嬉の一酒造(いわて蔵ビール) 代表取締役社長 佐藤航さん


「普段は1時間に1000本詰められる機械を使っていますが、15ℓの樽から詰めるのは交換の手数や、ビールのロスが相当多くなってしまう。だからといって樽のビールをいったんタンクに戻してしまうと、ビールはたちまち劣化してしまいます。

正直、当社にとって利益はない状態ですが、困っているブルワリーからの依頼をお断りしたくはありませんでした。あくまでも手が空いている範囲になりますが、私たちでできることならお役に立ちたいと思っています」(航さん)

本来は瓶も王冠も持ち込み可能だが、今回はいわて蔵ビールが用意するものを使用(写真提供:いわて蔵ビール)


新しいブルワリーを、伝統あるブルワリーがノウハウを駆使しながら応援する形で実現した、ボトルビールの販売。5月3日の遠野醸造オンライン周年祭は、先行きが見えず困難ないまを応援し合う気持ちで乾杯しながら、大いに楽しみたいですね。

遠野醸造ボトルビール オンライン販売概要

販売日時:4月23日(木)12時〜
オンライン販売サイト:https://tonobrewing.stores.jp/
ビアスタイル:ペールエール/ファイブウィッツIPA/TNXコーヒーIPA
数量:上記3種類 限定100セットを予定。売り切れ次第終了
価格:4,200円(税込)+送料
ボトルリリースについて:https://note.com/tonobrewing/n/nf88613933d3d

遠野醸造TAPROOM2周年記念! オンラインパーティー概要

日時:5月3日(日)19:00 – 21:00(予定)
場所:遠野醸造TAPROOM@オンライン店/YouTube LIVE配信
内容:遠野醸造の近況、これからのこと/オンライン醸造ツアー/遠野醸造グッズが当たる大抽選会 ほか

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この記事を書いたひと

野田 幾子

ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー

ビールの美味しさや楽しみ方を伝えるビアアンバサダー/日本ビアジャーナリスト協会ファウンダー。2007年のビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』をはじめ、数多くのビールに関する本や雑誌の企画執筆、編集、構成を務める。 現在、ビールのペアリングに特化した著・監修書『ビールのペアリングがよくわかる本』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、監修したビアコミックエッセイ『恋するクラフトビール』(KADOKAWA)が大好評発売中。ビアイベント主宰、ビール/ペアリング講座企画開催、テレビ番組企画協力も多数。

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