[ビアバー,ブルワー]2020.9.2

【潮風ブルースタンド蘇我】蘇我がアツい!燃える3つの魂に潮風薫るビール

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蘇我に吹き始めた新たなビールの潮風

千葉県、蘇我副都心の中心駅、京葉線、外房線、内房線が乗り入れる蘇我駅。
京葉線で東京駅から一本、約45分間の電車旅を終え、東口に出て梅雨真っ只中の貴重な太陽を浴びながらロータリーを左に進んでいくと、末広街道をはさんでステーキ屋の対面にそれと分かるファサードを発見。

末広街道沿いに溶け込むクリーム色のファサード

2020年6月20日にオープンした『潮風ブルースタンド蘇我(Shiokaze BrewStand Soga)
現在はブリューパブ(醸造設備を併設したビアパブ)ではなくビアパブスタイル。
とは言え、ファントム・ブルワリー(自前の醸造設備を持たず、協力ブルワリーの醸造設備を借用するスタイル、ジプシー・ブルワリーとも)として自社ブランド『潮風ブルーラボ (Shiokaze BrewLab)』のビールも飲むことができます。現時点の協力ブルワリーは、スナーク・リキッド・ワークス(池袋)とビア・ブレイン(柏)。約400Lを月2回のペースで仕込んでいて、自前の醸造設備を持つまでは暫くこのスタイルになるそうです。

カジュアルで居心地の良いタップルーム。クリスさんの妹ローリーさんの作品、クラフト看板もさりげなく飾られてます。

コロナ時代にも安心な気持ち良さそうなテラス席を横目に店内へ。ウッディでカジュアルな空間が広がります。15本のタップが並ぶ正面と手前の窓際にカウンター、右奥にテーブルを配した作り。開放的で吹き抜ける潮風が心地良い。
クリスタカシユカ、三人の笑顔が出迎えてくれます。
新しいお店の希望と幸せに満ちた雰囲気はたまりません。

早速、手書きのタップリストから乾杯の一杯を選びます。
この日の内訳は、潮風ビール 6タップ、ゲストビール 8タップ、サイダー 1タップ
15タップもあるので悩みますが、ここはやはり潮風のビールでしょう。

木製ハンドルがついた15本のタップがズラリ。手書きのタップリストも分かり易い。

因みに、取材日の潮風ブランドラインナップは
🍺ケイヨー・ケルシュ (Kölsch)
🍺ヤザマニ・ペール (Classic Pale Ale)
🍺ランナーズ・ハイピーエー (American IPA)
🍺マンゴー・インパクト (Fruited Pale Ale)
🍺しばくぞ! (American Strong Ale)
🍺5K・ヴィエナ (Vienna Ale)
結構バラエティに富んだラインナップ。結局我慢できず全て頂いちゃいました(笑)

この日飲んだビール。左から順に、ケイヨー,ヤザマニ,ランナーズ,マンゴー,しばくぞ,5K。

潮風ブランドが少ないようにも感じましたが、自家醸造設備を持った暁には
潮風8、ゲスト海外3、ゲスト国内3、サイダー1 くらいの比率にしたいとのこと。

そして勿論、ビールのお供にぴったりなフードも揃っています。
スタンド形式のビアパブですので、手軽に食べられるおつまみ中心のラインナップ。
今回はその中から筆者の好みで3種類を頂きました。

自家製メキシカンジャイアントコーン。スパイシーな味わいがビールに合わない訳がない。

注文を受けてから由佳さんが仕上げてくれる温かいチリコンカン。旨味たっぷり。

ケイジャンスモークナッツ。スパイシーな味わいにビールが止まりません。

いつしか幸せそうな顔がいっぱい。この雰囲気はスタンドならでは。

ブルーマスター『クリス』の世界を紐解こう

潮風を語るには、オーナー Chris Poel氏(以下、クリスさん)を知らねばなりません。
1980年に来日。
当時はまだ日本にクラフトビールは無く、クリスさんもビールを飲むのが好きだった程度。英会話教室や大学で教鞭をとる傍ら、1990年頃にアメリカで飲んだシエラネバダのビールに感銘を受け、それを切っ掛けに醸造に興味を持ち始めます。
そして2001年、沼津で運命的な出会いを得ます。今や有名なクラフトブルワリー、ベアードブルーイング。その創業者、ブライアンベアード氏との出会い。当時はまだ珍しかったタップルームで意気投合し、2002年からは醸造アシスタントをする仲に。当時はまだまだ小さな設備で、30Lのビールを週4~5回仕込んだそう。この時苦労した経験は今でも大いに生かされているようです。

その後、2008年に大きな転機が訪れます。
忘れもしない12月18日 クリスさんのBirthday Eve。ブライアンから正社員採用のアプローチ。勿論、クリスさんは歓喜し即答。翌2009年4月1日、正社員としてベアードブルーイング入社。
2009年~2014年、沼津時代はブルーマスター、2014年から修善寺に移り工場長。着々とブルワーの階段を上っていきます。与えられた役割は現場のブルワーから管理者へ。自分で作りたい欲求が膨らむ日々。

そんなある日、長年共に醸造してきた部下も育ち今なら任せられる、と独立を決心。
2020年、ついに新たな道へ踏み出します。
2020年6月20日、醸造所設立に先駆け、潮風ブルースタンド蘇我を開業。JR蘇我駅から程近い地域密着型のビアパブの誕生です。クリスさんが目指したのは気軽に飲めるスタンド。その後、仲間の意見を尊重して現在は椅子あり(笑)

取材前にビールで乾杯。お茶目なクリスさんですが、ビールを語る姿は真剣で情熱的。

なぜ蘇我の地に店を構えたのか尋ねてみました。
1980年に来日した際、最初に住んだのが千葉市。
つまりクリスさんにとって千葉は日本の故郷、故にいつかは千葉に!との思いがあったそう。
千葉で物件を探している中で素晴らしい不動産屋との出会いがあり、まだ営業中だった花屋の後に入ることを決め、先ずはビアパブをオープンさせました。駅から至近で賑やかな大通りにも面しており客足は上々。新たな一歩は順調な船出と言えるでしょう。

とはいえ、まだまだ道半ば。醸造所設立という大仕事が残っています。現在ブルースタンドで提供している潮風ブルーラボブランドのハウスビールは全て協力ブルワリーの設備で醸造したもの。やはり、自分達の設備で醸造したいのです。

潮風ブルーラボに籠められた思いについても話して頂きました。
Brew(醸造)だけでなく、Lab(研究)、つまり原材料に対する研究を深めたい、その信念が籠められているのです。
そしてもう一つ、ビールに関する研究には教育という思いも重なります。
クリスさんはかねてより日本でのビール醸造に関する教育がまだまだ不十分だと感じており、これまでその役割を担ってきたし、これからもその精神は貫きたいと考えていました。
ビール醸造のコンサルティングやブルワーの育成が自らに与えられた使命と言い切ります。
アツい!なんてアツいんでしょう。

そんな優しい熱血漢クリスさんの好きなビアスタイルは、IPAとAmerican Pale Ale。
前職のベアード時代からのノウハウも多いビアスタイルですね。
自家醸造を始めた暁には、ヴァイツェンやセゾンといったスタイルにも挑戦したいとのこと。
そして将来、千葉市から千葉県までその範囲を拡げ、千葉コミュニティのコラボも積極的に仕掛けていきたい、夢を語るクリスさんの情熱的な語り口に筆者にも熱いものが込み上げてきました。

クリスの相棒、ブルーマスターそしてその先へ ~渡邉貴史氏(以下、渡邉さん)、ブルワー~

醸造だけではなく、タップルームの気さくな兄貴分としても大活躍。注ぐ時は真剣モード。

南房総出身の渡邉さんは、小さい頃?からビールの苦味が大好き。
オーストラリアのワーキングホリデーを経て、いつか故郷にブリューパブを作りたいという夢を持たれたそう。先ずは資金作りの為にトラック運転手をやりながら、最近惜しまれつつ閉店した麻布十番の名店『クラフトハンズ』、千葉の名店『ビア・オクロック』などのビアパブで経験を重ね、更に神奈川県開成町にあるブリューパブ『Garapago Racing』での醸造技術の研鑽、と夢実現に向けて着々と歩んでいた渡邉さん。
そんな彼に大いなる転機が訪れます。
約1年前、手伝っていた平塚の『Yggdrasil Brewing』で運命的な出会いがありました。その日、醸造の指導でYggdrasil Brewingを訪れたクリスさん。渡邉さんは初対面でしたが、直ぐに打ち解けたそうです。その中で千葉にブリューパブを立ち上げる話が飛び出したのです。千葉に戻ろうと考えていた渡邉さんにとって願ってもない話。そして、今に至ります。
クリスという素晴らしい師を得て、先ずはそのスキルを貪欲に学びたい!と目をキラキラと輝かせる渡邉さん。
スキルを吸収し、そのソウルを磨き続けた先には、故郷の夢の城がある。
しかし、先ずはクリスと共に紡ぎ出す潮風ビールを楽しみにしたいと思います。
ちなみに、好きなビールは、クリーンでクリアなビール、苦手なビールはラオホ。
燻製がダメとのことですが、いつか克服してラオホを作って欲しいなぁ。

紅一点、苦難を乗り越えた潮風の女神 ~佐藤由佳氏(以下、佐藤さん)、パブマネージャー~

マスクが邪魔ですが、笑顔が眩しい佐藤さん。料理だけでなくビールのことも詳しいですよ。

沼津っ子の佐藤さんは、飲食の仕事でクラフトビールに出会いました。
そんな折に沼津のタップルームでクリス氏と出会うべくして出会い、彼のヘルプをした縁で2014年のベアード修善寺のオープニングスタッフに名を連ねました。
その後、個人的な事情で香川県高松市の仏生山に移り住み、ボタニカルの会社の開業準備をしていましたが、運命的な出来事があり、事業を断念。
故郷静岡に戻りビアパブで働いていた時、クリスさんからの誘いを受け潮風創業メンバーに加わりました。
現在はフード中心にホールのマネジメントを任されている佐藤さん。
自家醸造設備ができた暁には、研修やコンサルティングなど多方面に活躍の場を広げたいそう。
ちなみに、好きなビールはセゾンやサワー。筆者と同じです(笑)

三者三様、性格も好みも違いますが、ビールに対する真摯な思いは誰にも負けないもの。
順調に漕ぎ出した潮風船。
房総の心地良い潮風を受けて未知なる大海原へ。
自家醸造した潮風ブルーラボのビールを飲める日が待ち遠しいです。
さあ、今日も潮風で乾杯だ!

スペシャル潮風トリオのこの笑顔。アットホームなタップルームの雰囲気の源泉です。

【ビアパブ情報】
店名:潮風ブルースタンド蘇我 (Shiokaze BrewStand Soga)
住所:千葉県千葉市中央区南町2-6-10 初芝ビル1階(駅から徒歩2分)
電話番号: 043-386-4450
営業時間:
月曜日~金曜日 15:00~22:00
土・日、祝祭日 12:00~22:00
※2020年9月2日現在定休日なし、今後10月頃から定休日を設ける予定。
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

タップ数:15本

グラスサイズ:
Half (236ml) 500円~
Large (473ml) 900円~
Cider (1サイズ) 900円~

食事: ナッツやポテト等つまみ類の軽食主体。

テイクアウト: 瓶、缶の持ち帰り可能。ビールの量り売りは検討中。

その他:
店内全面禁煙、店外に喫煙スペース有り。
グラスを買うとLargeが500円で飲める!キャンペーン実施中。
フライト(飲み比べ)メニュー無し。

Web: https://s.tabelog.com/chiba/A1201/A120101/12049758/top_amp/

【ブルワリー情報】
潮風ブルーラボ (Shiokaze BrewLab)
Facebook: https://www.facebook.com/shiokazebrewlab/
※現在は自家醸造設備を持たないファントム・ブルワリー

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Phantom Zebra

この記事を書いたひと

Phantom Zebra

ビアジャーナリスト/ビアジャッジ/出張料理人

福岡県生まれ、饂飩県育ち、東京で麦酒覚醒
30年饂飩を打ち続けてきた元サラリーマン
現在、出張料理人 Phantom Zebra として活動中
ビール × 食 × 馬鹿馬鹿しさ = 楽しさ、を追及
ビアジャッジを取得し、日々ビールを勉強中
イベリア半島、映画、ラーメン、スパイス、行脚
城、滝、高層ビル、ドライブ、動物、虫、等々
大好きなことが一杯で体が三つ欲しいです
特技、麦芽カス饂飩、麻婆豆腐、カレー、神出汁
好きな言葉『なんとかなるしなんとかする』
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