[コラム,ビアバー]2021.7.6

蝦夷には、なまら美味いビールがわやほどあるよ

国内現存最古のビアバー であるBeer Inn 麦酒停に令和3年6月26日に伺いました。6月末で開店から41周年迎えたそうです。

オーナーのPhred Kaufman氏とは、イベント等でよくお会いするのですが、お店に伺うのは初めてでした。

お店

Phred Kaufman氏は、ビアバーの経営だけでなく、世界から色々なビールを輸入したり、オリジナルである蝦夷麦酒を作られています。今回は、Beer Inn 麦酒停でベルギービールと蝦夷麦酒を飲むことが目的でした。

店内に入ると壁一面にビールの空き瓶と空き缶が並べられ、インテリアとしても見ごたえあります。

様々のビール瓶やビール缶たち

このお店は、樽もありますが、瓶ビールがメインです。瓶ビールの数の多さにびっくりしました。

瓶ビールケース

300種類以上のビールがあり、自由に選んでお店の人に申告すると栓を抜きグラスにビールを注いでくれます。

最初にベルギービールを飲みました。ベルギービールだけでも20種類以上ありました。

ウルテル サマランスと後方にブリュノォ ポムフレイズ

今回飲んだベルギービールは、 ブリュノォ ポムフレイズ と ウルテル サマランス どちらも初めて飲みました。特に ウルテル サマランスは、 ほのかなやわらかい甘み、ドライフルーツの豊かなアロマ、後味にチョコレートの香りが漂う上品な苦味を備えた11.5%の濃い特製ビールでした。濃厚なチーズによく合うビールとの事でビザと一緒に合わせてみました。ビールのほのかな柔らかい甘みとピザのチーズのコクが良く合いました。実は、ここで大きなミスをしてしまいました。それは、後程。

さて、次に麦酒亭オリジナルビールを蝦夷麦酒 と言えば、私のイメージでは、そばビールとなまら苦いビール。まずは、そばビールをケースから取り出しました。

そばビール

そばビールは、そば粉を利用したヘルシービールです。カリウム、リン、ビタミンBなどの栄養分が豊富に含まれているそうです。そばの風味が広がるこのビールはアルコール度数控えめで4.5%と飲みやすくかったです。

〆はなまら苦いビールをケースから取り出しました。

なまら苦いビール(写真取り忘れた為、お借りしました。)

このビールはイギリス のモルトとオレゴンで栽培されているクリスタルホップだけを使用 しています。このホップはカスケード、ハラタウの交配種で柑橘系 の香りがして、後味に強烈な苦みが残ります。実際にはフルボディ でそこに深くホップを投入しています。

私自身元々、苦みの強いのは苦手な方です。ビールが甘味の後に強烈な苦みを伴い、フラッとくるため、高いアルコール度数だと思ってお店の人に聞いてみました。すると、ウルテル サマランスの約半分しかアルコール度数は無いとの事。ウルテル サマランスが、強いアルコールとは知らないというか老眼鏡をかけていなかったので、アルコール度数を知らずに取り出したのです。つまり、ビールの飲み方を間違えてしまいました。大きなミスです。

アルコールの低い方から高い方に飲んでいくと美味しく沢山量が飲めます。初めに高アルコールを飲むと低いアルコールの味が分からなくなり、飲む量も少なくなる可能性があります。しかし、蝦夷麦酒はそれを打ち消す風味や香りや旨味等を持っています。

タイトルに込めた意味は、蝦夷これは北海道とえぞ麦酒から。なまらは沢山と言う意味の北海道弁。わやは手のつけられないと言う北海道弁。訳すると北海道又は蝦夷麦酒には沢山美味しいビールがどれからてをつけて良いかわからない程あります。と言う意味です。

最後に明治政府が明治2年に開拓使を置き蝦夷が北海道に変わりました。その時開拓使はお雇外国人として主にアメリカ人を起用しました。北海道農学校に携わったクラーク氏、日本で2番目に鉄道建設に携わり北海道で麦作りを推奨したケプロン氏(後に開拓使麦酒醸造所(後のサッポロビール)が設立される遠因になったそうです。)等、北海道発展に関与した歴史があります。北海道開拓から約110年後Phred Kaufman氏によって40年以上欧米のビール文化が北海道をはじめ全国に伝えら続けている事は北海道だけではなく日本の歴史実も残ることだと思います。これからも末永く続けて頂ければと祈願しています。

取材協力

お 店    BEER INN 麦酒停
オーナー   Phred Kaufman
住 所    札幌市中央区南9条西5丁目 ヨシヤビル B1F
電 話    011-512-4774
営業時間   19:00~3:00
定休日    不定休
その他    営業時間変更や休日となる場合もありますので来店の際はご確認願

そばビールなまら苦いビールウルテル サマランスクラフトビールブリュノォ ポムフレイズベルギービール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

もりあき(モリテツアキ)

ビアジャーナリスト/ベルギービール・プロフェッショナル

1968年1月福島県で生まれ現在北海道余市郡に在住。ロシア人と国際結婚(妻は現在帰化)。
佛教大学卒業後社会福祉士の資格を取り地元の特別養護老人ホームの管理者を行いながら実家の事業の1つである農業を手伝っている。
ビールはベルギービールを飲むのが主で、たまに道内のクラフトビールやエビスビールを飲む。特にベルギービールは専用グラスで飲むようにしている。
現在の活動は、Facebookで北海道ベルギービール愛好会の立ち上げ、道内でベルギービールが飲める飲食店や購入できるお店や自分の飲んだビールの紹介をしている。
又、産物のハネ品(サクランボ等)からビールを作るプロジェクトを2020年立ち上げ、ハネ品(規格外、交配用、完熟、微量な傷等)を対象にビールの副原料として使い数年かけて検証していく。
今後の取り組みとして現在の活動の他、ベルギービール(道内のクラフトビールを含む)の紹介や考察を書いていきたい。
また、2022年11月23日にベルギービールのランビックビールに特化したフェイスブックを立ち上げた。これは、自身の勉強と今後1つのビールスタイルに愛着を持つ者同士のグループができるとの予測から取り組んでみたいと感じたからである。

北海道ベルギービール愛好会
https://www.facebook.com/groups/1586818794929083
ランビック愛好会
https://www.facebook.com/groups/672595961169437

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