[ブルワー,新商品情報]2021.9.13

伝統の商品名を汲んだ「サッポロ The DRAFTY」で新しい領域へ挑戦【ビール誕生秘話15本目】

2021年9月14日(火)、サッポロビール株式会社(以下、サッポロビール)より微アルコール飲料「サッポロ The DRAFTY」が発売になります。同年6月29日には、アサヒビール株式会社からも「アサヒ BEERY」が発売しており、ビール業界が微アルコールジャンルに注目していることが伺えます。

サッポロビールは、なぜ微アルコール飲料を発売するのでしょうか。「The DRAFTY 」への思いを聞きました。

ビール愛飲家のビールライフをもっと豊かにしたかった

現在、ビールカテゴリーと呼ばれるジャンルには、ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)、機能系、ノンアルコールビールと多くのジャンルがあります。特に0.7%の商品であれば、ノンアルコールビールがあるので敢えて商品を発売する必要はないようにも思えます。

「これまでのノンアルコールビールでは、ビールが好きな方の心を満たせていない部分があると考えていました。やはりアルコールが入っているか入っていないか。飲んだ気分になれるかなれないかの差は大きいと思っています。『The DRAFTY』は、『ビール好きのビールライフを豊かにするために』とギャップをしっかり埋める商品をつくろうと開発が始まりました」と語るのは新価値開発部の杦田紀子さん。

「お客様の考えとして、『ノンアルコールビールはアルコール飲料を飲めないときに飲むもの』と何かを我慢するときに飲むものという認識が多くあります。どうしたらもっとビールを愛飲される方のQOLを高くすることができるのか。お客様への調査をしながら考えたときに1%未満の微アルコールのジャンルを開拓した方が良いと判断しました」と開発の経緯を話すのはブランドを担当するビール&RTD事業部の岡崎仁美さん。

ビール愛飲家のビールライフを豊かにするため、新しいジャンルを開拓することを目的に開発がスタート。約2年の時間をかけて様々な製法や味わいの調整に挑戦し、香味のバランスやサッポロビールが掲げる目標を達成したのが0.7%の「The DRAFTY」です。

新しいジャンルを開拓するときに使用してきた名前を継承し、微アルコールジャンルを築いていく

サッポロビール初の微アルコール飲料である「The DRAFTY」。商品名には、どのような思いを込めているのでしょうか。

「ビール愛飲家の方に『美味しい』と納得してもらいたい思いがありました。ビールらしい美味しさを想起させる『DRAFT』の造語『DRAFTY』にすることで、新しいジャンルで美味しいものとイメージしてもらえる名前として採用しました」と杦田さん。

加えて、もう1つ理由があると杦田さんは言います。

「サッポロビールでは、発泡酒を開拓したときに『サッポロ生 Drafty』、新ジャンルを開拓したときに『サッポロ DRAFT ONE』を発売してきました。これまで新しいジャンルを開拓するときに『DRAFT』を使用しています。『The DRAFTY』も微アルコールジャンルを開拓していく決意を込めて名付けました」

商品開発を担当した新価値開発部の杦田紀子さん。【画像提供/サッポロビール株式会社】

ビール愛飲家に受け入れられて、市場を造っていきたい思いと商品名がしっかり伝わるようにという思いから「DRAFTY」を選んだと話します。

専用のビールを醸造してから独自の製法で0.7%に仕上げる

「The DRAFTY」は、缶パッケージの原材料を見るとビールや水溶性食物繊維、果糖ぶどう糖液糖が表記されています。これはどういうことなのか聞いてみました。

「『The DRAFTY』は、一度麦芽100%のドラフトビールを醸造してから造っています。やはりビールの香味は、醸造から醸し出される複雑な香りがあってこそだと思います。これは醸造以外で表現することが難しいです。溶性食物繊維と果糖ぶどう糖液糖は、香味のバランスをとることを目的に使用しています」

ビール愛飲家を満足させる香味を実現するためには、醸造によって醸し出される香味が必要だったと杦田さん。

一度、ビールを醸造するということは、一般的な5%程度のアルコール度数のあるビールを造り、アルコールを抜いて0.7%に仕上げているのでしょうか。

「詳細なことは機密事項になるので、お伝えすることができませんが、『The DRAFTY』専用の麦芽100%ビールを醸造します。これは製品になったときにベストバランスになるビールです。その後、サッポロビール独自の製法で0.7%に仕上げています」と杦田さん。

取材後、提供いただいた試飲缶を飲んでみるとビールの風味とアルコール感が感じられて想像していたより飲んだ満足感がありました。ビールの醸造工程を経て造ると、ここまでノンアルコールビールとは全然違う味わいになるのは驚きました。

0.7%なのでアルコール感はあまりないが、ノンアルコールビールと比較すると「お酒を飲んだ」感覚は得られる。確かに飲んだ感覚が持てるのは大きい。

ノンアルコールビールとのすみ分けを理解してもらうのが難しかった

微アルコールという新しいジャンルの確立を目指す上で、大変なのが周囲の理解を得ることだと思います。新しいことをするということは、醸造、広報、営業など様々な部門に商品のコンセプトを理解してもらう必要があります。「The DRAFTY」では、商品化までどんな苦労があったのでしょうか。

「飲用のタイミングと味わいへの理解ですね。『これは誰がいつ飲むのか?』『これだったらノンアルコールビールやビールでいいのでは?』と、飲用シーンの理解を得るのが難しかったです」と岡崎さん。

どんな時に飲んでもらうが良いのかをアピールするために、杦田さんと岡崎さんが中心となって飲用シーンのイメージ動画を撮影。飲用シーンの提案をしています。

サッポロビール社員が出演する飲用シーンPR動画。月曜日は野瀬裕之社長が出演されている。
★動画はこちらから【画像提供/サッポロビール株式会社】

また、味わいについても岡崎さんは、「『ビール好きの方にもっと自由を』と掲げた以上、ビールが好きなお客様に納得していただける味に仕上げるのは本当に大変でした」と話し、杦田さんも「試作を造っては、『これだと味が満足できない』と色々な方法で試行錯誤をして長い時間がかかってここまでたどり着きました」と振り返ります。

微アルコールジャンルは、生まれたばかりなのでイメージができない方も多くいると思います。「まず、飲んでみてください。そうすると『自分はこうした時に飲みたいな』とイメージが湧いてくると思います」と2人は話します。

それと同時に誤った飲用をされないよう注意喚起もしていくと言います。

「アルコール度数が低いからといって、大量に飲めるというわけではありません。1%未満なのでお酒の表示はされませんが、私たちとしてはお酒と同じく扱っていきます。店頭では注意喚起のポップを置いてもらうなど誤った理解をされないように適正飲酒を啓発していきます」

アルコール度数が低いからたくさん飲んでも体への影響は少ないと誤った理解にならないように販売者としての責任を果たしていきたいと2人は話します。

ブランドを担当するビール&RTD事業部の岡崎仁美さん。【画像提供/サッポロビール株式会社】

微アルコールジャンルを確立してお客様の選択肢を広げたい

最後にビールファンにメッセージをいただきました。

「ビール好きの皆さんに納得いただける味わいに仕上がったと思っています。ぜひ、皆さんのビールライフの中に取り入れていただき、今よりも豊かなビールライフを送ってください」と杦田さん。

「『The DRAFTY』は、ビール好きの皆様にもっと自由にビールテイストを楽しんでほしいと考えて開発した商品です。『ビールは飲めるけど、後を考えると躊躇してしまう』と思ったときに飲んでいただける商品です。個人の体質やその日の体調で飲んでいただければ思います。

それと、数年後にはビールやノンアルコールビール同様に微アルコールがお客様の選択肢のひとつとなっていて、気分や体質・体調によって、多様なビールの楽しみ方ができるようにしていきたいですね。そうなればお客様の飲用シーンをもっと豊かできると思っています」と岡崎さん。

今は、コロナ禍で家飲みを意識した展開ですが、事態が収束した後には飲食店でも展開されるようになると「少しだけ飲んで帰りたい」と外飲みを楽しめる人が増える商品だと思います。

微アルコールジャンルは生まれたばかり。これから飲み手からの様々なフィードバックを受けて変化していくことでしょう。「The DRAFTY」は、9月14日(火)発売です。皆さんのビールライフが豊かになるよう活用してみてください。

微アルコールが飲み手にどのように受け入れられて発展していくのか。楽しみです。【画像提供/サッポロビール株式会社】

◆サッポロ The DRAFTY 商品概要

品名:炭酸飲料

原材料名:ビール(国内製造)(麦芽、ホップ)、水溶性食物繊維、果糖ぶどう糖液糖、炭酸、酸味料

アルコール度数:0.7%

純アルコール量(100mlあたり):0.6g

プリン体(100mlあたり):約2.3mg

発売日・地域:2021年9月14日(火)・全国

容量:350ml缶

ブランドサイト

お問い合わせ先 サッポロビール お客様センター 電話0120-207-800

The DRAFTYサッポロビール株式会社ビール誕生秘話微アルコール
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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ/ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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<TV>
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<ラジオ>
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●JAPAN FM NETWORK系列「OH!HAPPY MORNING」
<雑誌>
●週刊プレイボーイ(2019年2月11日号) ●DIME(2019年4月号)●GetNavi(2020年2月号) ●週刊朝日(2020年6月12日増大号)●食楽(2020 SUMMER No,116)●週刊プレイボーイ(2020年12月28日号)週刊大衆(2021年4月19日号)週刊大衆(2021年7月12日号)BRUTUS(944号 2021年8月15日号)
<Web>
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