[コラム,テイスティング,ビアバー]2022.12.5

サンフランシスコ周辺のブルワリーを巡る旅

少し前の旅の話だが、2022年の夏に西海岸のベイエリアを訪れる機会があり、筆者の米国の同僚とともに巡ったブルワリーを紹介したい。サンフランシスコ周辺を訪れる方へのローカルビール探しの参考になればと思う。

今回のビールをめぐる旅の案内人 Silviu

今回のビールをめぐる旅の案内人 Silviu

今回の旅先案内人であるSillviu(以下、Sil)について簡単に紹介したい。

Silは、シリコンバレーのIT企業に勤める傍ら自ら趣味でビールを醸造するいわゆるホームブルワーであり、筋金入りのビールマニアである。醸造したビールを自らデザインしたラベルで缶詰するほどのこだわりだそうだ。どのように材料を仕入れて、どんな醸造ツールをつかっているのだろうか?Silのホームブルーイングについての取材は次の機会の楽しみに残しておこう。今回はビールマニアの彼ををいま夢中にさせるブルワリーを巡る旅である。どのようなビールに出会えるのか想像するだけでワクワクしてくる。

人気カフェの朝食で腹ごしらえ

カストロストリート

Fableの前のカストロストリート

Silと待ち合わせたのは、カストロストリートにある人気のカフェFableである。
カリフォルニアといえば眩しい太陽とカラッとした空気を想像するが、ここはサンフランシスコである。偏西風によって西海岸を流れるの寒流の影響で1日の中でも寒暖の差が大きく、夏にもかかわらず朝夜は冷え込むためコート、昼は気温が上がりTシャツなんて日もよくある。この日は、あいにく朝から強い雨が降っていた。しかしそんな雨のサンフランシスコも絵になってしまうのは憎いところである。

Cafe fableの中庭

Cafe fableの中庭

メキシコの伝統朝ごはん チラキレス

メキシコの伝統朝ごはん チラキレス

早速、Fable名物の朝食を食べながら、Silに本日のプランを聞くとサンフランシスコからアクセスの良い3つのブルワリーを巡るそうだ。余談だが、筆者がSilと待ち合わせしたFableは、開店と同時に週末のブランチを求める客で座席が埋まるほど盛況であった。

この日、筆者が注文したのはChilaquiles Puebla(チラキレス)というメキシコの伝統的な朝ごはんである。揚げたトルティーヤにサルサ等のソースがかかったものだ。サンフランシスコで美味しい朝ごはんを探す時にはぜひ候補に入れてほしい。前段が長くなってしまったが、さっそく1軒目のブルワリーへと向かおう。

1軒目:Barebottle Brewing

BareBottleの正面

BareBottleの正面

1軒目にSilが選んだBarebottle Brewingはサンフランシスコ ダウンタウンのシビックセンターから南へ約5キロに位置する。ファーマーズマーケットや有名なオシャレな住宅地でも有名なノイバレーに近く、公共交通機関のBART(地下鉄)やカルトレイン(鉄道)の駅からは徒歩圏内ではないため、Uberで行くのがおすすめである。カストロストリートのFableにいた筆者とSilはUberで向かった(所要時間10分程度)。

BareBottleの店内カウンター

BareBottleの店内カウンター

Barebottle Brewingは、NYのビジネススクールのクラスメートであったLester Koga氏、Michael Seitz氏、BenSterling氏によって共同設立された。 創業者である3人は2007年にベイエリアに移り住んだ後、ホームブルーイングを開始した。ビアジャッジの経験を通してアメリカで最高のビールの多くがホームブルワーによって作られ、市場の大部分のビールよりも大胆で独創的なことに気いた。この気づきがきっかけとなり、またビール作りへの強い情熱によりBarebottle Brewingの設立に至ったようだ(公式サイトから)。早速タップのリストを見るとIPAやHazy、そして話題のCold IPAなどIPA周辺を中心にサワー、スタウト・ポーターなどがある感じだ。

BareBottleの看板猫

BareBottleの看板猫

BareBottleのオリジナルウェア

BareBottleのオリジナルウェア

店内は、入り口すぐの場所に、センスのよいアパレルコーナーがあり、その隣にカウンターがある。天井は高く、中央の広い空間にテーブルがゆったりとした間隔で配置されている。お店の奥は、醸造タンクが並んでいて、Barebottleのビールはここで醸造されている。筆者が訪れた日は、Barebottleの看板猫がきてくれてテイスティングのお供をしてくれた。

BareBottleのテイスティングセット

BareBottleのテイスティングセット

筆者は、以下の5種類を選んだ。
Chill-Zealand: Pilsner
モルティなアウグスティナーイーストと、Pacific Jade, Waimea, Nelsonといったニュージーランド産のホップを使ったパイニーでホップの効いたビール。

Shredded Iceberg: Cold IPA
Amarilloホップのテルペンを抽出することによって、グレープフルーツやオレンジといった柑橘系の香りを最大限に引き出したビール。

Cone Artist: West Coast IPA
サンフランシスコのNew Belgium Brewingとのコラボビール。
ノースベイで取れたZeusとTriumphホップを身を丸ごとつかったビール。

Juice Couture: Hazy IPA
Citraホップを特徴とする二つのドライホップによって、新鮮なトロピカルと柑橘の香りが絶妙に絡み合ってジューシーなビール。

Tong My Breath Away: tangerine sour
タンジェリンが強く出た心地よい酸味のきいたサワービール。

1軒目の開放的な空間と看板猫に癒された筆者とSilは、うっかり長居してしまった。足早に2軒目へと向かった。

2軒目:Black Hammer Brewing

2軒目にSilが選んだブルワリーはBlack Hammer Brewingである。
Black Hammerは、サンフランシスコ中心地に近いサウスバンクにあり、近隣にはサンフランシスコ近代美術館(MOMA)や、シリコンバレーとサンフランシスコを結ぶ鉄道カルトレインのサンフランシスコ側の終着駅、MLBのジャイアンツの本拠地であるオラクルパークなどがある。

BlackHammerの店内カウンター

BlackHammerの店内カウンター

BlackHammerの店内のアート

BlackHammerの店内のアート

店内は、決して広くはないが、洗練されたアート作品に囲まれたスタイリッシュな作りになっている。早速筆者は、テイスティングセットを注文した。Silの一番のオススメは、ベルジャンブロンドエール「Sparkle Pony」だそうだ。

BlackHammerのテイスティングセット

BlackHammerのテイスティングセット

Playa
スッキリと飲みやすいラガービールである。ボヘミアンピルスナーモルト、とうもろこし、ミッテルフリューとザーツホップで作られている。

SPARKLE PONY
Black Hammerのシグネチャービールで、Silも一押しのベルジャンブロンドエールである。ここでは外せない銘柄。

MARY J. PRIDE
4C(Copper, Cascade, Centennial, Chinook)のドライホップに地元で栽培されたローズマリーを副原料に使い、華やかな味を演出しているアメリカンIPA。

Mayor Hazer
Black Hammerのビールの中でも、特段に多くのホップを投与して醸造される強烈な香を演出したHazy IPA。

3軒目:Standard Deviant Brewing

3軒目に訪れたブルワリーはStandard Deviant Brewingである。このブルワリーは、ミッションストリート 14thから少し入った路地沿いにある。サンフランシスコは、60s以降のヒッピーカルチャーを筆頭にさまざまな文化発祥の地として有名だが、この地区もその影響が街全体に色濃く現れていて非常に雰囲気のあるエリアである。

Standard devientの店内

Standard devientの店内

では、お待ちかねのビールである。

Standard devientのテイスティングセット

Standard devientのテイスティングセット

Standard Deviantのテイスティングセットは3種類を選択できる。
Silのオススメで以下の3つを筆者は選んだ。

Porter
ミッション地区で午後のカフェ時間には最適なロースト香が効いた飲み応えのあるポーター。

Kolsch
非常にクリーンでスッキリした何杯でもいけそうなケルシュ。

Hazy IPA, Brah?
フルーティさを保ちながら甘さは控えめ。見た目はHazyだがスッキリ整った飲みやすいHazy IPA。


最後に、サンフランシスコには多くのブルワリーがある中、なぜこの3つのブルワリーを選んだのかSilに聞いてみた。「日本からの友人に、サンフランシスコのさまざまな地域で多様化したブルワリーを紹介したかった」とのことである。

今回は、Silによる今熱いサンフランシスコのブルワリー巡りということで、1日かけて3軒をゆっくり回ったが、待ち合わせ場所のカフェFableから3つのブルワリーへの移動は全てUberを使い、所要時間はどれも10〜20分程度と程近い。是非、サンフランシスコ周辺で美味しいローカルビールをお探しの際には参考にしていただきたい。

<ブルワリー & 店舗情報>

Cafe fableの中庭 Fable
住所:558 Castro Street San Francisco, CA 94114. 地図&行き方
電話:☎ +1 (415) 590-2404
 営業時間:ランチ:月〜金11:30am-3pm
  ディナー:火〜土5pm-10pm
  ディナー:日〜月5pm-9pm
  ブランチ:土・日10am-2:30pm
公式ホームページ

 

BareBottleの正面

Barebottle Brewing
住所:1525 Cortland Ave. San Francisco, CA 94122,地図&行き方
電話:☎ +1 (415) 926-8617
 営業時間:火〜木12pm-10pm
  金・土12pm-11pm
  日・月12pm-9pm
公式ホームページ

 

BlackHammer正面

Black Hammer Brewing
住所:544 BRYANT STREET San Francisco, CA 94107,地図&行き方
電話+1 (628) 222-4664
 営業時間:月〜木12pm-10pm
  金・土12pm-12am
 12pm-9pm
公式ホームページ

 

Standard Devient 正面 Standard Deviant Brewing
住所:280 14th Street San Francisco, CA 94103,地図&行き方
電話:☎ +1 (415) 590-2550
 営業時間:火・水 4pm-9pm
 4pm-10pm
 12pm-12am
 10am-9pm
公式ホームページ

Bare Bottle BrewingBlack Hammer BrewingFableStandard Devient Brewingウエストコーストカストロストリートカリフォルニアサンフランシスコノイバレーブルワリー巡りミッション地区米国
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

この記事を書いたひと

モリイクオ (ikuo mori)

ビアジャーナリスト / Beer journalist

大阪市出身。世田谷区在住。ビアジャーナリスト&ビアテイスター。
学生時代に滞在した北米やヨーロッパで初めてピルスナー以外のビールと出会う。まだ見ぬビールの世界があると思うとワクワクする。主に旅先で出会ったビールを紹介している。

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