[イベント,ブルワー]2017.12.1

縁の結びつきから生まれたビール! 秩父麦酒お披露目会に行ってきた

丹広大氏秩父麦酒

2017年10月25日。初仕込みから1ヶ月が経ち、秩父麦酒がお披露目される日がやってきた。取材した初仕込みがどんな風に完成したのか。再び秩父の地を訪れた。

★初仕込みの様子はこちらから(http://www.jbja.jp/archives/18060

人脈を大切にして誕生したビール

「まだ、実感がないです。でもSNSで私たちのことを取り上げてくださっているのを見て、涙を堪えるのに必死です。本当にありがたいなって思っています」とお披露目を迎えての心境を訊ねると代表である丹祐夏氏はこう話した。

お披露目会は秩父麦酒が常設で置かれる予定の「まほろバル」で行われた

「本当はお披露目会はやらなくてもいいと思っていました」と話す。意外な顔をしていると「初仕込みは秩父夜祭で提供するためでした。でも、知人から『お披露目会をできるのは1回だけ』と言われ、その言葉に心を打ち抜かれて開催することにしました」とエピソードを話してくれた。「意図的にしているわけではないのですが、私たちが大事にしている人脈つくりで色々な地域の方々が結びついたというのは嬉しいです」と地元をはじめ、関東や信州からも飲みに来ていた。

3Fでは、熊好きのご縁で知り合い、ロゴデザインなどを担当した内藤和美氏(http://pirimaru.com)と志岐奈津子氏の作品も展示された。

「私たちは『自分たちが1番知らない』ということを前提にしています。出会う人を師匠と思い、接しています。だから出会った人から何か得るものは100%あると思っています」と語る。そのことを物語るように会場にはビアパブのオーナーやビールメディア、ブルワーと同じジャンル以外にもイチローズモルトのスタッフをはじめ、彼らが築き上げてきたお酒関係者も多く来場していた。

イベントには、ビールを通じて知り合った人たちが多く訪れた。

ビギナーからマニアまでホップ違いで魅せたビール

今回、2つのビールが提供された。いずれもビアスタイルはペールエールで、使うホップを変えたSMaSHスタイル(※1)。1つがカスケード。もう1つはシトラだ。「違うスタイルを揃えた方がわかりやすいとは思います。しかし、お客さんに違いを知ってほしいという気持ちからこの形にしました」。実際に飲んでみると、同じスタイルでもホップが異なるだけで全然違った味わいになる楽しさや面白さを体感することができた。

※1 Single Malt and Single Hopの略。厳選された1種類のモルトとホップを使用したもの。

SMaSHはカスケードver.とシトラver.の2種類が「初熊セット」として販売された。

開場から熱心なビアファンたちやビア仲間たちが早速訪れ、ビールを堪能する光景を見ることができた。丹氏も空いた時間に直接声をかけ、ビールの説明や感想を聞いて回っていた。

開場から多くの人が訪れ、夜まで来場者が途切れることがなかった。観光地ということもあり、普段クラフトビールを飲まない人も来場していた。

来場者からは「飲みやすい」という感想が多く聞かれ、おかわりをする人も多く見られた。どちらも素材のキャラクターのバランスが取れており、飽きることなく飲めるビールだった。

2つのSMaSH。
グレープフルーツを思わせるアロマが特徴の「カスケードver.」(左)とトロピカルフルーツを感じさせるアロマが特徴の「シトラver.」(右)。こうした試みが楽しめるのもクラフトビールの魅力。

「『苦くなく、すごくフルーティーでいいね』と言っていただけたのと、『今流行りのビールからすると、ちょっと物足りない』という声と半々でした。これは私が当初よりビールの多様性を知ってもらいたいと考えていた通りの結果を得ることができました。この形で良かったです」と反応について丹広大醸造長は話す。

見守り、その思いに応えて実現した夢

ここまで順風満帆とは言えない時間を過ごしてきた。状況が進展しない時期もあった。そんなとき2人はどのようにして乗り越えてきたのか。

「一切私から口を出すことはなくて、選択肢を相談されたとき以外は彼に任せました。もちろん、口を出したいときもありました。しかし、彼が1人で乗り切ったときに自信になると信じて見守っていました」と丹代表は語り、丹醸造長は、「いろいろ言いたいこともあったと思います。自分のやりたいことを信じて見守っていてくれていたので、その想いに応えようとくじけずにやってこられました」と互いを信頼し、応えることにより実現した夢だった。

お披露目を終え、改めて今後への抱負を聞いた。

「私はジャケ買い(※2)でもいいから普段、ビールを飲まない人にも手に取ってもらいたいです。ビールが嫌いな人でも飲めるものを提供できるブルワリーでありたいです」と裾野を広げたいとのこと。と同時に「日本酒、ワイン、ウイスキーと秩父はお酒の名産地でもあるので、バレルエイジをはじめ、個性的なビールにも挑戦していきたいです」と、お酒造りが盛んな土地柄を活かし、様々なビールを造っていきたいという。見方によれば、節操がないと映るかもしれないが、縛られずに挑戦していく姿勢からどんなビールが誕生するのか興味の方が尽きない。

※2 ラベルデザインだけでビールを購入すること

醸造長を務める丹広大氏(左)と代表を務める丹祐夏氏(右)。これからも彼らの動向から目を離せない。

「今は緊張が一気に解けた感じです。ようやく一安心というところです。しかし、ここから新しいビールを造っていくので、そこで美味しいものを造っていかないといけないという責任を感じています。あとは仲間を増やしていきたいですね。一緒に学んで、一緒にやりたいことをやる。これは次の課題だと思っています」。今週末は本番の秩父夜祭。たくさんの人々に彼らのビールが飲まれることだろう。そこから得た経験は次のビールに活かされ、より洗練されて私たちの前に登場するはずだ。ボトルでの販売も年内の実現を目指し、また外販も準備が整い次第、行う予定だという。遠方の方はもう少し楽しみに待っていてほしい。

◆秩父麦酒 Data

住所:埼玉県秩父市下吉田3786-1

Facebook:https://www.facebook.com/BEARMEETBEER/

(お問い合わせはFacebookよりお願いします)

 

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をキャッチフレーズに日本のビールを応援する活動を行っている。時間をつくっては実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想い聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは700種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」を連載中。

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