[コラム]2016.5.27

Beerに惹かれたものたち 3人目 Smiles 北山瑠美

Beerに惹かれたものたちSmilesSoup Stock Tokyo瓶のビール(酵母のピルスナー)

既報の通り【瓶のビール(酵母のピルスナー)】、6月1日よりSoup Stock Tokyoよりオリジナルビールが全店で発売される。今回は「瓶のビール(酵母のピルスナー)」(以下、瓶のビール)の発案者であるグラフィックデザイナーの北山瑠美氏をフォーカスしていく。商品の誕生までには様々な困難とそれを乗り越えていく情熱があった。

未知の商品開発、うまくいかないプレゼンテーション

「スープもカップもスプーンも空間も、なにもかもこだわって作っているのになぜビールだけは仕入れているハイネケンなんだろう」と入社して間もなく北山氏は思った。これが瓶のビールの始まりである。しかし、それは同時に多くの困難の始まりでもあった。

北山氏の専門はデザイナーだ。デザインの世界で生きてきた北山氏にとって、商品開発は未知の領域、何もかも手探りだった。これまでで1番大変だったことを訊ねると「周囲の人を納得させるプレゼンを準備することですね」とゆっくりと時間をかけながら答えてくれた。商品開発は当然、1人で行えるものではない。様々な部署のスタッフが協力し合う必要がある。発案当初は商品ターゲットも明確でなかったため、プレゼンテーションをしても跳ね返され、何がやりたかったのかがわからなくなってしまったこともあった。

瓶のビール(酵母のピルスナー)のラベルはどこか懐かしく、ほっとするイラストだ

瓶のビール(酵母のピルスナー)のラベルはどこか懐かしく、ほっとするイラストだ

そのまま諦めてしまってもおかしくはなかったが、北山氏は諦めなかった。「成功することを決めるのも成功することを諦めるのも自分。どっちも自分で好きに選べるのなら進む方が良いに決まっている」そう思い、まず行ったのは情報収集だった。市場分析、自社のスープとカレーに合うビアスタイル探し、ラベルの分析、店舗でのビール出数や男女飲酒率など。できることからやろうと思い、社内のビールが好きなスタッフに協力を求めて動き始めた。

「これでいい」ではなくて「これがいい」

「Soup Stock Tokyoを飲み屋にするな」そんな厳しい声もあった。今となっては良い経験になった。そのなかで考え続けたのが「誰にどうこのビールを届けたいのか」だ。Soup Stock Tokyoを利用する客層の多くは女性だ。そこで行き着いたのが、大忙しのスープ女子に新しい「お疲れさま」のご褒美と「ホッ」とできる時間を提案するというところに辿り着いた。

そして、生まれたコンセプトが「それは小説のようなビールです。」だった。プロジェクト開始からは2年以上経過していた。そこまで、時間をかけたのは「これでいい。じゃなくて、これがいい」という信念があったからだ。

発案者の北山氏。彼女の並々ならぬ情熱がなければ、この商品は誕生しなかったはずだ

発案者の北山氏。彼女の並々ならぬ情熱がなければ、この商品は誕生しなかったはずだ

コンセプトができてからは社内の共感も増えた。現在は全国販売間近ということもあり、全国へ出向き、自ら店舗のスタッフにコンセプトを伝える日々だ。店舗スタッフからも「飲みやすい」、「お腹が張らない」と好評である。「店舗のスタッフも瓶のビールを一生懸命アピールしようとしてくれている」と嬉しそうな表情で語ってくれた。

言い続けること。行動に起こしていくこと

取材をしたのは自由が丘にオープンしたalso Soup Stock Tokyoで先行販売されて1週間後。評判を訊いてみると「予想をしていたよりも少し多いくらい」と好スタートとなった。北山氏の話を聴いていると生みの苦しみという言葉がピッタリと当てはまる。社会に出て「自分のやりたいこと」を形にするのには多くの壁にぶつかるし、実現しないことも多い。Soup Stock Tokyoでも新入社員は必ず店舗に配属になる。希望にそぐわず、退職してしまう社員もいる。「自分のやりたいこと」を実現するために必要なことは何なのか。

 

「やりたいことを口に出して言い続けること。そして、行動を起こすこと」

 

想っているだけでは実現しない。行動すること。そして、継続していくことで初めて、形が作られていくということを北山氏はこれまでを振り返るように噛みしめながら語ってくれた。

北山氏(左)は製作秘話を広報の星氏(右)と話してくれた

北山氏(左)は製作秘話を広報の星氏(右)と話してくれた

瓶のビールは忙しい女性に小説の世界に浸るように「ホッと」自分に浸れる時間を提供したいと思っているが、私は北山氏とともにこのビールが辿ってきた道のりに小説のような物語を感じずにはいられない。

「売れなかったらあなたのせいね」と言われ、開発時に血の気が引く思いもしたという。ビールを勉強するためにビアソムリエの資格も取得した。北山氏の熱い想いがこもった瓶のビールは6月1日より全店で販売が開始される。

このビールを飲んで、ホッとリラックスして、ゆっくりと自分に向き合ってみてはいかがだろうか。そして、自分のやりたいことにチャレンジして欲しい。

●瓶のビール(酵母のピルスナー)商品概要

なめらかな喉越しとコクのある、酵母の入った無濾過のビール。

容量:330ml/パッケージ:びん

品目;非加熱処理生ビール/アルコール分:5.5%

発売日:2016年6月1日(水)

取扱店舗:Soup Stock Tokyo全店(家で食べるSoup Stock Tokyoは除く)

商品価格(税込):単品680円/セット580円

●北山瑠美プロフィール

2012年株式会社スマイルズに入社。クリエイティブ本部に所属し、グラフィックデザイナーとしてスープ専門店「Soup Stock Tokyo」やファミリーレストラン「100本のスプーン」のグラフィック、店舗VMDなどを手掛ける。ジャパンビアソムリエ認定講座修了。

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

【メディア出演】
テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

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