[コラム,ビアバー]2017.11.19

志賀高原ビールを堪能できる「The Farmhouse」が最高だった!

旅行をするときは、必ずその土地のビールが飲めるところへ行く。久しく温泉にも行っていなかったので、「温泉&ビール」を堪能できるところはないかと考えていたら、「確か志賀高原ビールが直営店を始めたな」と思い出した。志賀高原ビールのお店は、これまで冬季限定営業の「TEPPA ROOM」しかなかったため、ウインタースポーツをしない自分にとっては縁遠いところだった。さっそく調べてみると温泉街の近く。しかも、昼から営業している。これは行くしかない。

歴史ある洋館をリノベーション

「The Farmhouse」は東京から電車だと約2時間半。車だと約3時間半。日帰り旅行も可能だ。しかし、近くに地獄谷野猿公苑をはじめ、多くの温泉があるので、ゆっくりと過ごしたい。今回は電車旅。最寄りの長野電鉄湯田中駅からタクシーで向かうことにした。バスも通っているが本数は多くないし、最寄りのバス停からはかなりの登り坂になっているので、約10分で1500円程度なのでタクシーの方が便利だ。

お店は周囲を木々に囲まれた自然の中にある。趣ある建物は渋沢栄一(※1)の孫が東京に建てたものを移築したもので、2007年まで志賀山文庫という資料館として使われていた。その後は志賀高原ビールの醸造元である「玉村本店」が所有し、2017年6月にオープンした。

※1 生涯に約500の企業の育成に係わり、同時に約600の社会公共事業や民間外交にも尽力。(公益財団法人 渋沢栄一記念財団HPより)

建物は昭和13年に建築された。時期的にも紅葉が始まり、色鮮やかな風景に心が癒された。

室内は天井が高く、窓からも陽の光が射し込み、木のぬくもりと合わせて、とても暖かみが感じられる。

店内の風景。ボトルビールやTシャツも販売している。ボトルビールはここで飲むことも可能(別途、抜栓料が必要)だ。

レアなビールとも出会える13Tapの豊富なラインナップ

ビールは日本酒を含め、13種類から選べる。伺った日は収穫祭直後だったためか超レアビールをはじめ、限定ビールが多くラインナップされていた。現地ならではの品揃えに興奮を抑えることができない。

この日はHarvest Brewや限定ものが大半を占めていた。どれから飲もうか悩む…。
ビールのほかにも日本酒をはじめとするお酒が揃っているし、こだわりのコーヒーも楽しめる。

色んな種類を飲みたい性分なのでテイスティングセットがある場合は、それを注文するが、今回はなかったので、どのようにして飲んでいくかしばらくメニュー表とにらめっこ。まずは限定の「Festival Saison」と「Grand Rouge」をオーダー。

「Festival Saison」(右)は柑橘類を想わせる華やかな香り。苦味はほど良く、ドリンカブルなビール。
「Grand Rouge」(左)は自家栽培のブルーベリーとラズベリーを果実のままたっぷり使用。渋味もあって、赤ワインを飲んでいるよう。「ジュースではなく果実を丸ごと使用する、贅沢なビール」とは店長の金久保氏。

志賀高原ビールはイベントにも積極的に参加されているので、飲める機会も多い。しかし、そこに現地でいただくという「旅ール」の醍醐味が加わると美味しさが何倍にも感じる。

料理も地のものを使った手作りメニューが豊富。フードも色々と食べてみたかったので、ランチメニューではなく、おつまみをチョイス。お隣のご夫婦が頼まれていた「ローストポークランチ」はお値段以上のボリュームで食べ応えがありそうだった。

ランチメニューは定期的に変わる。おつまみメニューも豊富。

こちらも悩んだ末に「農家のトルティージャ」、「色々キノコのバルサミコマリネ」、「いっぽん酢とクルミオイル冷奴」を注文。

ビールも追加。「Miyama Blond」(左)と「NEW Engi-land IPA」(右)。NE-IPAは日本酒ブランド「縁喜」とかけている

複数人で訪れるのであれば、シェアしながら楽しめるし、ペアリングを試すことができるのでおつまみをオーダーする方をおススメしたい。

「地元の方の利用も多いですし、外国からの観光客の方も多いですよ」と客層を訊ねるとスタッフさんが教えてくれた。訪問時も年配の女性がお1人でランチにいらしていたり、海外の方が会話をしたりしながらゆったりとビールを楽しんでいた。

私もお隣になったご夫婦との会話が弾み(世界各地を徒歩で旅行されていらっしゃる)、素敵な時間を過ごさせていただいた。知らない人とでも飲み交せるのが、ビールの良いところ。

「Not So Mild Ale」(左)は、マイルドエールとしてはホッピー。でも、バランスが良いので、グイグイいけてしまう。
超レアな「THE FAR EAST」(右)は、acl.13%とハードパンチャー。お隣の旦那様は普段、クラフトビールは飲まれないそうだが、「これは、美味しい!」とおかわり。

昼から通し営業しているので(水曜日はディナータイムから)、時間を気にせずに立ち寄れるのは嬉しい限り。近くの上林温泉の旅館に宿泊すれば、徒歩圏内なので夕食後に訪れることができる。

気づくと思いのほか時間が経過しているくらい居心地が良いので、帰りの時間やチェックインの時間に遅れないように注意してほしい。

今回は、少し離れた渋温泉に宿を取っていたので、お店から徒歩で移動。途中に醸造元である「玉村本店」のギャラリーにも立ち寄った。近くにある醸造所からは麦汁の甘い香りがしていた。

「玉村本店」は、1805年創業の歴史ある蔵元。ビール同様、「個性ある田舎の、個性ある酒」をコンセプトに造られている。

店内では日本酒の無料試飲(ビールは有料)が楽しめるほか、日本酒やビール、グッズの販売もしている。

これだけの数の日本酒が無料で試飲できる。酔いつぶれないように注意が必要だ。

ウインタースポーツをする方はこれからの時期、たまらない場所だろう。志賀高原ビールといえば、ホップの効いたビールが特徴。ホップはイライラや不安、不眠を解消してくれる鎮痛効果があると言われており、温泉と合わせてストレスを取り除くにはもってこいの場所だろう。

次回はもっと長い日程で訪れ、さらに満喫したいと思う。

◆The Farmhouse Data

住所:〒381- 0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏1403 -2 (旧志賀山文庫)

TEL:0269-38-1630

Facebook:https://www.facebook.com/farmshiga/?fref=ts

営業時間:月曜・木~日曜 12時~23時 / 水曜 17時~23時

定休日:火曜

アクセス:長電バス 上林温泉停留所・スノーモンキーパーク停留所から徒歩3分程

The Farmhouse志賀高原ビール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

●音声配信アプリstand.fmで、ビールに恋するRadioを配信中
PodcastSpotifyでも聞けます。

【メディア出演】
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<Web>
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