[イベント,コラム]2018.12.17

【Beer Muse5】ビールが好きな女性にインタビュー【ポートランド編】

空風が吹き始めたかのように急激に冷え込んできましたね。
防寒対策はそう、ビールですね(ニッコリ)

 

こんにちは!
まだまだ男性の飲み物というイメージが強いビール。
そんなビールが好きな女性達に質問形式でその実態に迫るインタビューコラム、Beer Museのお時間です。

 

さて今回スポットを当てたのは最近よく聞く単語「ポートランド」!
クラフトビールで有名なアメリカの都市なのですが…
日本のビール好き女性にとってはどこまで知られた存在なのかを(大いに飲みながら)
調査します。

今回の開催場所は…

飯田橋にあるHop-Scotch Tokyo Craft Beer & Whiskey(以下ホップスコッチ)さん!
ポートランドをテーマにするならここだ!と今回の参加者から強い推薦を頂きました。
後述のカスケードブリューリングのビールだけでなく国内クラフトビールなど計8タップもつながっており、
ポートランド愛を感じられる!とのお墨付きです!

 

当日の店内は週末でもないに関わらずかなりの大入り。
全員ほぼほぼスタンディングな勢いなのですが、誰もかしこもビールの話で熱く盛り上がっていて、
皆様のビール愛を感じるお店でした!

 

カンパーーイ!!

 

それでは

ようこそ、Beer Museへ!

 

天上近くまでボトルがびっしり

ガレージっぽい雰囲気

今回インタビューを行ったのは三度目の登場、サナコ(右)
都内某ビール店で働くホップヘッズ、マリコ(左)

 

 

ビアジャーナリストの先輩にあたる泉さん(右)、
彼女に魅せられポートランドの大ファンになったミホ(左)

泉さんこそがホップスコッチマンさんを提案してくださった張本人。ビール愛は筋金入り

ミホさんはKAMIKATSUさんで働いていたこともある方なので現場の知識も豊富

友情出演(!)でビアジャーナリスト同期の小泉さん(真ん中)

 

乾杯したビールの中から一つピックアップ。

モダンタイムス/オーダーヴィルIPA

「オーダーヴィルIPAってこんなに濁ってたっけ?
まるでNE IPAみたい」という僕の発言に対し小泉さんから
「意識してレシピを変えたりすることはあると思うよ」との返答。

小泉さんの補足コーナーが火を噴いた!その後も各所で専門的な分析を頂き大助かりでした

「ヘイジーIPAは発酵中にホップを入れる製法なんだよ」

「なるほどぉ〜」「いやいやそれほどでも…」の図

 

というわけで、ポートランドのビールについて私が事前に調べて来た情報↓

 

・ポートランドとはアメリカオレゴン州にある街(地域)で、
北西のカリフォルニア上、海の近くに位置している。

・ポートランド市内には70以上のブリュワリーがあり、
通称「ビアバーナ」と呼ばれ親しまれている。
世界のベストビール都市1位に輝いたこともあり、且つ全米住みたい街No.1にも選ばれたことがある程人気の街。

・ブリッジポートブリューイングと
ウィドマーブラザーズブリューイングが起点となり、
ホップワークス、ブレイクサイド、ジャイガンティックなどの大手が参入していきブームが加速していった。
現在他に主要ブリュワリーとして、モダンタイムス、
カスケード、ベースキャンプ、ヘアオブザドッグ、
10バレルブリューイング、ラッキーラブラドール、
ファットヘッズポートランドetc枚挙にいとまがない。

・New Seasonsという、日本で言えば
オーガニックスーパーマーケットのようなお店で6パックの缶を買っていくのが現地のスタイル。
棚にはぎっしりクラフトビールが並んでいることが多いが、普及率が100%というわけでもない。

・酒税物価が安く、まだまだ人気に翳りも見えないので今後も新たなブリュワリー誕生は続くだろうが、
土地の問題で流通よりはブリューパブの建設が増加傾向にある。

・ビールの種類としてはヘイジーIPA、IPA、サワー、
ピルスナーの順に人気。

現在Neko Nihikiやナイトクローラーのような日本でも人気のNEIPA
(※North East及びNew Englandと呼ばれる濁ったIPA。
便宜上この記事内ではヘイジーIPAで統一します)

も、この都市から上陸してきているようなものなので、
濁っているトロピカルなビールのファンの方は、
このビールのメッカの存在を知って損はないです!

 

実際にポートランドへ旅行経験があるミホ、泉さんにお話を聞く前に、
どんなきっかけでビール活動が始まったのかを聞いてみました。

 

泉さん→カンボジアに行った時、日本とは違い水分の確保に苦労。
水、ココナツミルク以外に安全な飲み物としてビールを飲んでいたところ、
「アンコールビール」というブランドビールを飲んで段々好きになっていった

ミホ→ビールで有名な静岡出身だが当時は特別興味はなく、
その頃サードウェーブコーヒーにハマっていたのだが、
両方置いてある店に出入りしていくうちに気がついたら
ビールも飲むようになっていた

とのこと。
どこからビールへの入り口につながるかはわからないものですね!

 

さらにもう二種類、ビールのご紹介。

カスケード/ワンウェイオアアナザー。 ジンジャー入りでスイスのボンシェンっぽい、ワインテイスト

サワーで有名なカスケードブリューイングの大瓶である。この色でもこれもビール

 

日本ではあまり飲むことが出来ないヘアオブザドッグのビールがあるのも、ホップスコッチさんの魅力

 

いつものスマイルいただきましたごちそうさまです。後ろの小泉さんがいい味出してます。

 

この日はモダンタイムス、カスケードのビールがつながっており、サワーをトライ。
サワービールとは空気中に存在する野生酵母を使い発酵させ、お酢のように強い酸味が特徴的なビール。
ソネコは初めて、マリコは実は苦手とのことだったが、これなら飲めた、とのこと。
ポートランドのサワーには飲みやすさがあるようです!

 

またフードでは現在インポート業大手のAQ Bevolutionさんが元々餃子屋さんだった経緯で
出している、通称AQギョーザもありました!

ぶりんぶりんの餃子!食べ応え抜群でビールと相思相愛。

出てきた瞬間。「スゴい!」「デカイ!」の連続。
ニンニクと厚みがあるのがポイント高し。

 

ナチョスもあります。これがまた捗る…

また、火曜日限定でお店名物ベイビーバックリブを出していたり、
タコパも行われているので要チェックや!

 

グラスのドクロがかっこいい。

それではもっとつっこんでポートランドの現地の話を聞いてみましょう!

・どこのブリュワリーが人気か?
→たくさんあるが、Great Notion(グレートノーション)

・現地の店の大きさはどれくらいか?
→日本の2倍〜5倍

・どんな料理が多いか?ペアリングは機能しているか?
→ハンバーガー、ケールサラダなど。特別な料理があるわけではなく、サラダでもみんなよく飲む。量が多い。

・気候、生活スタイルはどう?
→気候変動で雪が降ることもあるけど、暖かく緯度の割りには過ごしやすい。

・何を一番の目的としてポートランドに行ったか?
→治安が良い。街全体に魅力がある。

 

さらに細かく聞いていきます。
ポートランドとは…

日本から直行便があり、空港から電車で一時間。
空港にはローレルウッドブリュワリーがあり飲めるし、安い。

人口63万人。ブリューパブが多い。バドワイザーはあまり見かけない。
ホームブリュワリー、つまり自分でビールを醸造する趣味を持つ人が一定数おり、
ホームブリューショップが市内に数軒ある。
New Seasonsにはウォークイン冷蔵庫があるので中に入って自分で選べるのがみんなのお気に入り。
(グレートメイヤーのオリジナルスープを飲んでから向かうと飲み過ぎなくていいんだとか。笑)

前述のグレートノーションは行列ができる程人気。
味がそれぞれ濃いビールが多いのでガブガブより一杯ずつ飲むのが良い。
お昼時、フードコートのようになっている場所はかなり賑わう。
(青山COMMUNE 2ndのような雰囲気だとか)

人々はそこで飲むだけでなく買って帰ることも多い様子。

ビール文化がみんなに浸透し成熟していることが伺えます。

 

休日にビールイベントの手伝いに出るほどのビール好き。

なるほど、もし行くならグレートノーションはチェックしておきたいですね!

 

また、日本でもサードウェーブという言葉が話題になりましたが、
ビールの他にもコーヒーの町として知られており、ミホはそれもあってポートランドが大好きなようです。
さらに特筆すべきは風土。
人々はやさしく(知らない相手でも服を褒めてくれたりする)
アートへの関心が高く(壁画を描いてる人がいたりする)
反トランプ派の人も共存していて、
世界の流行にはおかまいなしに
「それぞれの人が自分が関心を持っていることをやっている」
という印象なのだそう。

一言で言えば「パンク精神」がある。なるほど面白いビールが生まれそうです。笑

 

先日もポートランドに行ってきたみたい  ですよ。笑

 

めいめい真剣にビールに向き合っています。

ポートランドの人は酒が強い弱いではなく、好きなものを飲む、選ぶ。
作りたいビールを作り、作りたいときに作る。
自由な風土がビール好きに感応し、それがまた伝染していく…
そんなテーマパークのような土地になっているようですね。

また、泉さんからポートランドのパンフレットを頂きましたが、
ブリュワリーがびっしり書き込まれていて、周りきれない量でした!笑
こんなものがタダで配布されていると思うと地上の楽園と揶揄されるのも頷けますね…

 

小池さん、お忙しい中笑顔で対応してくださり有り難うございました!

 

飲み慣れないスタイルも好きになれるチャンスがあるのはとても良いことだと思うのです

代わりにメモに起こしてくださる小泉さん

 

1ブロック歩くたびにブリュワリーがある街、ポートランド。
ここまで事前調査してあれば、行ってみたい場所が一つくらいは生まれたのでは。
自分で書いていてなんですが、僕が行ってみたくなりました。苦笑
ポートランドで人気のスタイルを初めて飲む人でも、
俄然楽しめてしまう、むしろ街の持つ雰囲気に魅せられてしまう。
アルコールが苦手でもアートやコーヒーなども溢れているから、
そちらにハマるもよし。
ポートランドの魅力、伝わったでしょうか?
みなさま、ご協力有り難うございました。

 

 

【追記】泉さんがポートランドに行った際のグレートノーションの写真と、
最近行ったミホの最新オススメブリュワリー「ウェイファインダー」の写真も提供いただいたので、載せておきます。
これから行かれる方の参考になれば幸いです。

グレートノーション Passionate IPA

 

Wayfinderのフライトセット

 

Hop-Scotch Tokyo Craft Beer & Whiskey
【TEL】050-3136-9699
【HP】http://www.hopscotchtokyo.com/
【Facebookページ】https://www.facebook.com/hopscotchtokyo/

Hop-Scotchアメリカカスケードグレートノーションヘアオブザドッグポートランド飯田橋

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

1 Dozen(わんだーす)

ビアジャーナリスト/ビアジャッジ/ミュージックコーディネーター

一本のビールとの出会いから人生が狂い、世界中のビールを飲み比べるようになる。
ビール嫌いを克服できた自分と同じように、
ビールが苦手な人をこの世界から救うために活動を決意。
麦とホップと酵母と音楽と狂気を武器に独自の視点で執筆することを誓う。

■JGBA参加ビアジャッジ、びあけん2級所持。ビールセミナー開催、ビールメーカー官能チェック案件経験あり
■調理師免許所持
■年間レビュー400銘柄以上継続
海外生活、旅行経験から国内クラフトビールだけでなく世界のビール事情にも知識あり
様々な音楽、世界の料理にも広く触れており、
過去には飲食店へのBGMプレイリスト提供やビールのペアリングイベントも実施
知識を活かしビールと音楽や料理をペアリングするシリーズをjbja公式X(旧twitter)などにて定期連載中

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
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