初上陸台湾ビールのインポーター、むぎうぎさんの正体に迫る!
去年の暮れ、ビール情報収集のために開いていたinstagramで見慣れないインポーターさんの存在を確認しました。
その名も「むぎうぎ」。
毎日血眼になってビール情報に精を出している自分としても、完全に初耳の会社でしたので、たいへん驚いたのを記憶しています。
詳しく投稿を見てみると、輸入しているのは台湾のビール。
それも、聞いたことない銘柄ばかり。
一体どんな方が運営されているのかと妄想を膨らませていたところ、「ビール宣伝アンバサダー募集」の文字が!
思わず連絡を取り待つこと数日…アンバサダー任命していただけました!
そこから私とむぎうぎさんとの交流が始まりました。
アンバサダーとしての活動はinstagram上で行いましたので、詳しくはそちらをご参照ください。
instagram
始動〜事業スタートまで
さて、むぎうぎ(moogie-woogie)というネーミングは当然boogie-woodieからきています。
弾むような楽しいイメージをもたらすネーミングです。
どんな方が運営されているのでしょうか。
2月某日、直接お会いしお話を聞くことが出来ました。
ただし、恥ずかしいから顔出しはNGとのことですので御本人の写真はありませんが、
以下、お話の中で判明した事実をお伝えします。
・事業は宮下さんという男性がすべてお一人で運営されており、サイトも独力で作られた
・むぎうぎの立ち上げは4月、ビールの販売開始は12月
・台湾のビールを選んだきっかけは、宮下さんのお母様が台湾人なのでいずれは台湾に関わる事業を手掛けたいと考えていた
・資金を貯めて独立し、台湾のブルワーを独力でピックアップし、メールでやり取りをしてから現地へ視察に
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信じがたいがこのサイトのデザイン、写真も独力だとか
好きなスタイルはピルスナーだという宮下さん。
ビールは元々嫌いなわけではなかったそうですが、事業を始めると決めてからはビールについて猛勉強。
日本にいる間にインポートをしたい台湾のブルワリーを20社に絞り、直接メール。
しかし海外輸出が初めてのブルワリーが多いため契約直前になっても抜けがあったりして、
非常に苦労されたそうです。
特に日本輸入用ラベルの用意のタイミングでピークが来て、「辛さで涙が出た」というお話が印象的でした。
最終的には取引をするブルワリーを8社に絞り、直接台湾へ視察に行き、最終チェック。
ブルワリーの多くは現地まで来た宮下さんに会い大変感激したそうで、予想以上に歓迎されたとか。
![](https://www.jbja.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/Screenshot-2023-03-11-19.28.52-554x290.jpg)
免許申請とサイト構築を並行しながら海外とやり取りするのは相当の忍耐が想像される
台湾のクラフトビールシーンはまだまだ発展途上
撤退したものを除けば台湾から日本に上陸しているビールは、
台湾ビール、SUNMAI、Taihu Brewingが有名ですが、催事や百貨店での取り扱いもあり
どれも展開規模は広く大企業と言えます。
台湾の民間の醸造開始は2002年であり市場もまだ新しく、
宮下さん曰く、「これからどうなるかが見もの」で、言わば、ブルーオーシャン。
数年前の日本と重なる部分があります。
ただ日本と大きく違うのは、
醸造スタイルをいわゆる「ドイツ式」「アメリカ式」のような考えを基に組んでいるわけではないので、
良い意味で自由な発想でビールを作ることができる点。
それはアンバサダーとして提供して頂いたビールからも感じることが出来ました(下記テイスティング参考)
すでに創業者の子どもが醸造長に代替りし始めており、中にはヨーロッパ研修に行く人もいるのだとか。
確かに世界的な賞も獲得している醸造所もあり、そのポテンシャルは未知数。
また、パッションフルーツやドラゴンフルーツのような地元の名産を副原料に活かすビールもあり、
非常に豊かなレンジを持つ市場と、それを受け入れる土壌がある興味深い土地だと言えます。
もちろんビールは台湾においても一般的には大衆的な
「スタートのお酒」という認識で通っているようですが、
日本と同じく、いつもと一味違うビールを求める動きがあるわけですね。
ビールテイスティング
ここからはアンバサダーとして提供頂いたサンプルビールをご紹介します。
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提供いただいたのは4液種
![](https://www.jbja.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/326997185_1596655690755898_6390987653659484967_n-416x554.jpg)
HOP BOMB IPA/Jim & Dads Brewing
通称J&Dは台北の南に位置し、
2013年に脱サラしたホームブルワーでもあるジムさんとそのお父さんにより創立された醸造所。
地元の食材を使ったりバレルエイジドに挑戦したりと革新性が高くビールに高い意欲を感じさせます。
HOP BOMB(酒花炸彈)はアメリカンIPAタイプ。
アメリカの醸造所と目隠しで出されても信じてしまいそうです。
しかし9%あるのでむぎうぎさんの常温配送にも向いている、コスパの良い商品と言えます。
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WULONG ALE/Formosa Brewing
唯一他国に輸出経験があるFormosa Brewingのビール。
こちらはなんと烏龍茶を使用した面白いビールです。
お茶をビールにうまくフュージョンさせるには技術が必要で、日本では味わえない独特な酸味のあるテイスト。
こちらはフランス人の方が醸造家なのもあり、斬新なビールも多くリリースされています。
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MOUNTAIN PEPPER WITBIER/Tsai’s Actual Brewing
![](https://www.jbja.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/327091615_3062959237334787_6242658846968739604_n-416x554.jpg)
TSAI’S WEE HEAVY/Tsai’s Actual Brewing
個人的におすすめなTsai’s Actual Brewery(蔡氏釀酒)は2液種。
上はマーガオという台湾や中国でのみ採れる、レモングラスのような香りを放つ胡椒を使ったビール、MOUNTAIN PEPPER WITBIER(Low Bitterness逼馬告白啤酒)です。
中華料理にとても相性が良さそうなアロマがさっぱり爽やか。くどさがない出色の出来です。
下はTSAI’S WEE HEAVY (蔡氏蘇格蘭烈愛爾)という、
スコットランドの伝統スタイルを台湾風に解釈したビール。
実に品が良く、スコットランドのビールにはない風味も興味深い一本。
レーズン、黒パン、軽いウィスキー、カシスのような複雑なアロマ。
World Beer Awardで金賞を獲ったのも納得です。
ECサイトもスタイリッシュ!
![](https://www.jbja.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/Screenshot-2023-03-11-19.37.14-554x554.jpg)
すでに締め切ってしまっているが様々なコラボイベントにも盛んに取り組んでいる
他の関連事業にも興味ある宮下さん。まだ公には出来ないですが何やら企てがあるそうです。
フレイバーの円グラフやテーマごとのセットも大変見やすく整えられた、
ハイセンスなECサイトもぜひご覧ください。
稼働後間もないですが、これからも目が離せませんね!
むぎうぎ
【HP】https://moogie-woogie.com/
【instagram】https://www.instagram.com/moogie_woogie_88/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。