[コラム,新商品情報]2024.1.10

デュシャス・デ・ブルゴーニュの姉妹品!ドゥシャス・セッション・サワー 缶を飲んでみた【JBJA Channel】

ビールに愛された皆さまへ

本日公開のJBJAChannelは、ベルギービールの名品・DUCHESSE DE BOURGOGNE デュシャス・デ・ブルゴーニュの姉妹品というドゥシャス・セッション・サワー 缶(DUCHESSE PETITE BARREL AGED SOUR ALE)を飲んでみました。

通常、デュシャス・デ・ブルゴーニュはボトルですが、「缶のデュシャスがある?」と手に取った方も多いのではないでしょうか。

デュシャス・デ・ブルゴーニュのラベルに描かれた女性

このビールのラベルに描かれいている美しい貴婦人は、マリー・ド・ブルゴーニュ。
彼女はヴァロワ=ブルゴーニュ家のブルゴーニュ公国最後※1の君主、ブルゴーニュ女公です。女性ながらも国を統治していたんですね。

Amazon :Marie de Bourgogne/Mary of Burgundyより

父であるシャルル・デ・ヴァロワ・ブルゴーニュ公(突撃王)がナンシーの戦いで44歳で戦死した後にブルゴーニュ公国を引き継ぎますが、この時、まだ19歳。フランスの策略で国内で叛乱にあい、わずか7歳のシャルル王太子と結婚させられそうになりますが、父親が生前決めていた許嫁、後の神聖ローマ皇帝となるハプスブルク家のマクシミリアン1世の妻となります。政略結婚ではあったものの、2歳年下と歳の近いマクシミリアンとは、一緒に狩りや乗馬をしたり散歩を楽しんだりと仲睦まじい夫婦だったそうです。

在位は1477年1月5日 – 1482年3月27日と5年間と統治の時代は短かったものの、文学や芸術を庇護し、領民たちからは「美しき姫君」「我らのお姫さま」と慕われ、富貴公とも呼ばれていました。

スポーツが好きな活動的な女性でしたが、退位の日付となっているのは落馬による事故が原因で、まだ25歳という若さで亡くなった日と言われています。(死因については諸説あり)
激動の人生を生き切ったといえますが、美人薄命ということでしょうか。絶世の美女とうたわれていました。

この美しき最後のブルゴーニュ公を讃えて名づけられたのが、フランダース・レッドエールというビアスタイルで造られた、デュシャス・デ・ブルゴーニュです。

※1:マリーの死後、夫であるマクシミリアン1世がブルゴーニュ公になりますがヴァロワ・ブルゴーニュの系統が途絶えました。

デュシャスとは一般的に爵位の最上位である「公爵」の女性名詞です。その配偶者でも「公爵夫人」という意味でDuchessが使われます。(例えば、イギリスの皇太子妃であるキャサリン妃はHer Royal Highness The Duchess of Cambridgeという称号で呼ばれます)

ヴェルハーゲ醸造所

ヴェルハーゲ家により16世紀からビール醸造を手掛けている歴史ある醸造所です。メイン銘柄は、もちろんデュシャス・デ・ブルゴーニュです。そのほかにもローカルビールも数多く醸造しています。現在は4代目当主カール・ヴェルハーゲ(Karl Verhaeghe)と彼の姉妹によって経営されています。

特徴的なオーク樽をサイトのトップ画にしています

ヴェルハーゲ醸造所の公式サイト https://www.brouwerijverhaeghe.be/

ヴェルハーゲ醸造所のあるヴィヒテは、西フランダース州のコルトレイクから東におよそ10㎞ほどの小さな村です。van Vichte 駅のすぐそばにあります。低い建物ばかりの空の広いのどかな場所に、世界中のビールファンから愛されるデュシャス・デ・ブルゴーニュのラベルデザインが描かれた巨大なタンクがそびえたつのは不思議な光景にも見えます。

ヴェルハーゲ醸造所の住所:Sint-Dierikserf 1, 8570 Anzegem, ベルギー

Googleストリートビューで2022年の風景が確認できます

ドゥシャス・セッション・サワー 缶

この冬、新しくデュシャス・デ・ブルゴーニュの姉妹品である、デュシャス・セッション・サワー缶 DUCHESSE PETITE BARREL AGED SOUR ALEが目に留まるようになりましたが、もう買って飲んでみた方、いらっしゃいますか?

私は昨年の12月初旬に、ベルギービールウィークエンド2023新宿というベルギービールのイベント会場のお土産ビールのコーナーでこちらのビールと出会いました。もちろんそれが初めてでした。

こちらの味わいについては、商品に記載のある通りです。

伝統的な製法で造られたフランダースエール「デュシャス・デ・ブルゴーニュ」の姉妹品。
チェリーやモルト、樽の香り、爽やかな酸味とフルーティーな味わいを受け継ぎながら、
甘さ控えめで、軽めのボディとドライな口当たり、低アルコールといった飲みやすさがプラスされました。

確かに、デュシャス・デ・ブルゴーニュは濃厚な甘みと酸味、オーク樽の豊かな香りがあり、とてもドレッシーでフォーマルなビールです。

それと比べると、デュシャス・セッション・サワーは口当たりが軽やかです。それでいて、しっかりとフランダースエールと呼ぶにふさわしい酸味とリッチな香りが楽しめるので、気軽にベルギービールの妙を味わいたい、ライト層にもしっかりと届くビールです。

しかし、まだ売り出し中の可愛い新人ということもあり、ベルギービールの売り場では姉を差し置いて目立っている感がぬぐえません。

どちらもとっても素敵なビールなので、単品はもちろん、2本並べて飲み比べも楽しいですよ。長く飲み続けたいビールです。

 

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JBJA Channelデュシャス・セッション・サワーデュシャス・デ・ブルゴーニュベルギービール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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