[コラム]2024.2.15

Beer&Life Style Fashion編
第14回【ビールとブーツのペアリング】<前編>

ビールのペアリングはフードだけではない。

どんな装い=ファッションで、どんなビールを飲むか……。
それが「ビールとファッションのペアリング」だ。

第14回目(特別編Vol.2)は【ビールとブーツ】のペアリングをお楽しみいただきたい。
特別編Vol.2:ブーツには冷やし過ぎずに飲むビール

シューズとブーツの違いは?

寒い季節、ありがたいのがブーツだ。
体の冷えを防ぐには「首という字のつく部位」の防寒が大切と言われている。
首はマフラー、手首は手袋、足首はブーツでカバーしたい。

シューズとブーツの区別に明確な定義はないが、一般的には「くるぶしが見える靴」がシューズで「くるぶしが隠れる靴」がブーツと考えて良い。

ブーツの中にも区分があり、「くるぶしだけ隠れる程度の靴」をショートブーツ、「ふくらはぎの半分あたりまで隠れる靴」をミドルブーツまたはハーフブーツと呼び、「さらに長い靴」をロングブーツと呼ぶ。(膝上のものをニーハイブーツと呼ぶこともある)

短靴、深靴、長靴の読み方は?

日本語の場合、シューズを短靴(たんか)、ショートブーツとミドルシューズを深靴(ふかぐつ)、ロングブーツを長靴(ちょうか)と呼ぶ。
なぜ深靴だけ訓読みなのかは、かなり調べたがわからなかった。

しかし、長靴も「ながぐつ」と読むことが多く、そーなると「短靴」の「たんか」だけが音読みということになる。
さらには「短靴」を「たんぐつ」と重箱読みする人までいて、もーなにがなにやらわからなくなってしまう。トホホ。
どなたか、そこらへんの事情をご存知の方がいらっしゃれば教えて欲しい。

ブーツは、是非とも持っておきたいアイテム

かなりのブーツマニアかブーツを履く職業の人以外、夏にブーツを履くことはないだろう。
ブーツは秋冬のファッションアイテムだ。
そのため、ブーツを持っていないという人もいるに違いない。

また、ブーツは履いたり脱いだりするのが面倒なので履かない。という人もいるだろう。
ブーツは主張が強すぎて他のアイテムと合わせづらい。と感じている人も多いのではないだろうか。

しかし! ブーツは、是非とも持っておきたいアイテムだと思う。
なにしろ、冬には暖かいから。

デザートブーツは可愛く履きたい

ブーツの入門編とも言えるのがデザートブーツだ。
くるぶしが隠れる程度のショートブーツである。

ジーンズやチノパンにもよく似合うし、ツイードのジャケットやスーツに合わせることもできる。
デザートブーツとチャッカーブーツはシルエットが似ているので同じだと思っている人も多いが、製法が違う。

デザートブーツはステッチダウン製法で、チャッカーブーツはグッドイヤーウェルテッド製法やマッケイ製法のものが多い。

その違いに関して書き出すと長くなるので、このサイトの解説をご覧いただきたい。非常にわかりやすい。

デザートブーツはカジュアルで、チャッカーブーツのほうがややドレッシーなイメージがある。
まずは、デザートブーツをラフなスタイルで楽しんでみよう。

デザートブーツはIVYっぽく履きこなそう。大学ロゴの入ったフーディーをオーバーサイズで着こなし、細身のパンツで足元を目立たせたい。

多彩なワークブーツの定番といえばこれ

ショートブーツでは飽き足らなくなった方にはワークブーツがお勧めだ。

ワークブーツの定義は広く、その名の通り「仕事用のブーツ」ならばすべてワークブーツである。

この後に紹介する、エンジニアブーツやペコスブーツもワークブーツのひとつだし、つま先の部分が二重革になっているアイアンレンジャーブーツ(炭鉱夫用)、つま先のホールド感を高めるためにハト目の数が多いラインマンブーツ(電線工用)、かかとが土にめり込まないように湾曲しているロガーブーツ(林業従事者用)などワークブーツも細分化される。

そんなワークブーツの中でもっともワークブーツらしいものが、甲の部分にU字形にモカシン縫いのあるタイプではないだろうか。

ガンガン履いて自分の履きシワを付け、傷んだらオイルを染み込ませて磨き、エイジングしていく魅力もある。

一般的な「ワークブーツ」のイメージは、甲がモカシン縫いのデザインであることが多い。長さは6インチ〜8インチが人気だ。履き込んで、ブーツを自分の足に合わせていくという感覚だ。

バイク好きにはたまらないエンジニアブーツ

エンジニアブーツは工場で働く技術者のためのブーツである。
機械に巻き込まれやすい靴紐を無くし、足首の締め付けはベルトで調節ができるようになっている。
履き口にもアジャスト用のベルトがあり、ズボンの裾をブーツに押し込む際に幅を調節できる。

作業用のブーツであるエンジニアブーツが、ファッションの表舞台に立ったのは映画「乱暴者(あばれもの)」がきっかけだ。
主演のマーロン・ブランドは、革ジャンにジーンズ、エンジニアブーツといったスタイルで華麗にバイクを乗り回した

映画の影響だけではない。
バイクはギアチェンジのペダルを足の甲で操作するため、靴紐の無いエンジニアブーツを好むライダーは多い。
しかし、つま先が大きいエンジニアブーツは車種によってはペダルが操作しにくいという難もあるとのことだが……。
とはいえ、ファッション性からもエンジニアブーツはバイク乗りのアイコンにもなっている。

バイク乗りファッションを極めたいのであれば、タイトな革ジャンを選びたいが、あえてハズし気味に”ボリュームのあるムートンのボンバージャケット”を合わせるのもお洒落なコーディネイトだ。

可愛いムードの「紐なしブーツ」がペコスブーツ

紐無しブーツのワイルド系がエンジニアブーツとするならば、ソフト系の代表がペコスブーツだ。

可愛らしいその名は、ニューメキシコ州とテキサス州にまたがるペコス川に由来している。
その地に暮らしていた農民や牧童が履いていたブーツが原型である。

紐が無いので、履いたり脱いだりするのもとても楽だ。
タイトすぎず、ふわっとしたシルエットが、ソフトな印象を与える。

ソールはフラットとヒールのあるものの2種類あり、好みの分かれるところである。
フラットソールは農民、ヒールのあるタイプは牧童が好んで履いていた。

ヒールのあるタイプが牧童に好まれたのは、鐙(あぶみ:足を乗せるために鞍から両脇に垂れ下がっている馬具)から足が前に落ちそうになった時にヒールが引っかかって止まってくれるからだ。その名残からか、フラットソールは田園的で優しく、ヒールのあるソールはアクティブなイメージがある。

後編に<つづく>

Beer&Life Style Fashion編
第14回 その2【ビールとブーツのペアリング】<後編>はコチラをクリック

それでは、Cheers!

Beer&LifeStyleファッションペアリング藤原ヒロユキ

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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