ビール好きの皆さま、日本の伝統文様について意識されたことはありますか？

きもの以外にも、建築物、建具、食器などで多く使われている和の文様。私は特に図案化されたものの繰り返しの美しさに惹かれます。

今回はビール女子さんのイベントに、伝統文様を意識した小物で参加したお話です。

3/24（日）ビール女子オリジナルビール 第一回企画会議イベント

会場は地下鉄神保町駅から徒歩4分、JR水道橋駅から徒歩10分のクラフトビアマーケット神保町店です。通常は日曜定休ですが、イベントのため貸切営業してくださいました。

ビール女子オリジナルビール 第一回企画会議イベント( イベントは終了しています)

実は私、2022年春に行われたオリジナルビール第1弾の会議にも参加させていただいておりました。当時はコロナ禍の中で2回の会議と完成試飲会はすべてオンラインでの実施だったのですが、今回第2弾の会議は実際に集まって行うということで、とても楽しみにしていました。

きものコーディネートのポイント

オリジナルビール醸造を担当するのは静岡県伊豆韮山の「反射炉ビヤ」さん。
最初にコーデとして考えたのは韮山反射炉の印象的な長方形と斜め格子の組み合わせですが、うまく表現できるものが見つからず断念しました。

次に考えたのは、反射炉ビヤの定番銘柄からの連想です。
ポーターの名前が「頼朝」と名付けられているところから、源頼朝→源氏→源氏香と思いを巡らせ、「源氏香文様」をモチーフにすることに決めました。

きものは薄柿色(灰みの強い沈んだ薄ピンク)に植物柄の紬、GUレースコンビネーションブラウス(黒)に源氏香の半衿を重ねています

源氏香のお話

「源氏香」とは組香(くみこう)というお香を使った遊戯の一つの名称です。
5種類の香を5包ずつ合計25包作ります。次にその中から5包を取り出して順番にお香をたきます。そして5回中どの香りが同じだったかをあてるのです。

答えを書くときに、まず5本の縦線を書き、同じ香りだったものの上部を横線で繋ぎます。この答えの図を香図と言います。
52とおりの香図に源氏物語54帖のうち「桐壺」「夢浮橋」を除く52帖の名前がつけられており、この香図を図案化したものが源氏香文様です。

源氏香之圖(国文学研究資料館所蔵)

https://www.nijl.ac.jp/koten/kokubun1000/1000nakanishi3.html

ちなみに香道では「香りを聞く」「聞香」というそうです。ただ香りを嗅ぐのではなく、心を傾けてゆっくり香りを味わい、香りが伝えるものを心で聞き取るという意味とのことで、なんとも優雅ですね。

 

 

 

 

 

 

 

この日のビール

CBM神保町店×反射炉ビヤ　YOLO(CBM神保町店12周年記念ビール

ファーストビールとして、記念ビールを振る舞っていただきました。シングルホップペールエールとのことで、すっとしてごくごく飲めてしまう味でした。
ABV：5.0％

次に、オリジナルビールを考えるためのサンプルとして4種のビアスタイルが提供されました。「試飲」というのにはたっぷりの量で、参加者一同大喜びです。

ピルスナー：ベアレン醸造所　クラシック【ラガー】　ABV：5.0％
　コクも苦味もあり、本当にビールらしいビール。
ヴァイツェン：シュマッツ　ヴァイツェン　ABV：5.5％
　バナナ感が強く香り、ビールが苦手という方にも試してもらいたい。
ゴールデンエール：マルカブルーイング　ゴールデンエール　ABV：5.0％
　すっきりと夏らしい味。オレンジピールの苦味がアクセントに。
セゾン：反射炉ビヤ　セゾン　ド　ルミノサ　ABV：6.0％
　スパイシーで飲み口も軽すぎず、ちょっと意外なセゾン。

里武士馬車道 ダークロード

黒ビールは甘さも感じるものが多いですが、こちらはこっくりとしつつ酸っぱいダークサワーエールです。普段飲めないビールを、と思いオーダーしたところサラダにも肉料理にもよく合いました。
ABV：５.0％

ノースアイランドビア　コリアンダーブラック

またダーク系になってしまいました。

コリアンダーが好きなので、最後はこのハーブ・スパイスビールでと決めていました。濃厚さにスパイシーな風味が抜けるような爽やかさを感じさせます。香りを楽しむビールですね。

源氏香にちなんだコーデで香り高いビールを味わいました。
ABV：5.5％

会議内で決めた要素で、オリジナルビール醸造中

挙手による多数決で、ビアスタイル、主に使用するホップ、主に使用するフルーツ、アルコール度数を決め、グループワークでビールの名称・コンセプトを検討しました。

5月には先行試飲イベントが実施されるとのこと。今回のイベントで知り合った方たちとまたお会いできそうで楽しみにしています。

いかがでしたでしょうか？それではみなさま、いつかどこかできものでビールをご一緒しましょう！