チェコ料理の認証『Czech Specials』国外初認定、日本の2店が選ばれる ― チェコ大使館で認定式
ビールに愛された皆さまへ。
2026年3月27日、東京・広尾のチェコ共和国大使館にて「Czech Specials(チェコスペシャル)」および「チェコ親善アンバサダー2026」の認定式が開催されました。
チェコ料理の魅力、そしてそれを支えるビール文化を日本に広げる取り組みとして注目されるイベントです。
目次
チェコにおけるガストロノミーの現在
イベントの冒頭では、チェコ政府観光局日本支局長 シュテパーン・パヴリーク氏 によるプレゼンテーションが行われ、チェコにおけるガストロノミーツーリズムの現状が紹介されました。

チェコ政府観光局日本支局長 シュテパーン・パヴリーク氏
近年、チェコ政府は国内の食文化の価値をより明確に世界へ伝えるため、レストラン評価の国際的指標であるミシュランガイドの導入に向けた道筋を整えてきました。
その結果、2025年にはチェコ国内版のミシュランガイドが発行され、
- 二つ星レストラン:1軒
- 一つ星レストラン:8軒
- ビブグルマン:18軒
が評価されるなど、チェコ料理の国際的評価は着実に高まりつつあります。
さらに、フランス発祥のレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ(Gault & Millau)」とも連携し、チェコ料理の発信を強化しています。こうした動きの中で重要な役割を担っているのが、チェコ政府が認定するレストラン制度「Czech Specials」です。
続いて、チェコ政府観光局 Czech Specials プロジェクトマネージャーのレンカ・ノヴァーコヴァー氏 が登壇し、この認証制度について説明しました。
Czech Specials ― チェコ料理の品質認証

チェコ政府観光局 Czech Specials プロジェクトマネージャーのレンカ・ノヴァーコヴァー氏
「Czech Specials」は、チェコ政府観光局とチェコ共和国料理人・菓子職人協会が共同で推進する認証制度です。
伝統料理や現代的なチェコ料理を提供するレストランやカフェ、菓子店に品質認証を付与する制度で、現在チェコ国内では約80軒のレストランと18軒の菓子店が認証を受けています。
認証には明確な基準があります。例えばレストランでは
- チェコ料理のメインディッシュを2品以上
- チェコのスープを1品以上
をメニューに掲載することなどが求められます。さらに審査員による訪問審査を経て、3年間有効の認証が与えられます。
これは単なるPRではなく、チェコ料理文化を守り育てるための品質保証制度でもあります。
世界初、日本で認定されたCzech Specials
今回の認定式で特筆すべきは、チェコ国外で初めてのCzech Specials認定が日本で行われたことです。
認定されたのは次の2店舗です。
- WHY BEER?(東京・渋谷)
- ピルニーピャークトウキョウ(東京・高輪)
WHY BEER? からは、代表の 志田康介さん と 料理長の塚本梨奈さん が出席しました。
また、ピルニーピャークトウキョウからは、代表の 米原良扶さん と シェフの鈴木翔さん が、それぞれ認定証が授与されました。

日本でチェコ料理とチェコビール文化を紹介してきた両店の取り組みが、今回の認定によって公式に評価された形となりました。
両店とも、チェコビールにも力を入れている、チェコビールの名店です。そして、チェコ料理はビールと強く結びついています。
スヴィーチコヴァーやグラーシュのような濃厚な料理、そして鴨料理や煮込み料理には、ピルスナーをはじめとするチェコビールが見事に寄り添います。
今回の認定は、日本におけるチェコ料理とチェコビール文化の発信拠点が公式に認められた出来事と言えるでしょう。
チェコ親善アンバサダー2026の誕生
式ではもう一つの発表がありました。「チェコ親善アンバサダー2026」の認定です。
この制度は2022年に始まり、観光や文化の視点から日本におけるチェコの認知度を高めることを目的としています。SNSやYouTube、ブログ、イベントなどを通じてチェコ文化を発信する人々がアンバサダーとして選ばれます。
2026年度は 26名が任命 され、当日は 12名が認定式に出席 しました。それぞれが認定証を受け取り、会場は祝福の拍手に包まれました。

旅行、文化、音楽、料理などさまざまな分野の発信者が集まり、日本とチェコを結ぶ新たな交流の広がりを感じさせる時間となりました。
なお、今回のアンバサダーの中には、日本のプロ野球で活躍した選手の姿もありました。元千葉ロッテマリーンズの 荻野貴司さん と、元広島東洋カープの 宇草孔基さん です。荻野さんはチェコのクラブ ドラツィ・ブルノ、宇草さんは コトラーシュカ・プラハ で、来シーズンからプレーする予定とのこと。スポーツを通じてチェコと日本をつなぐ存在として、アンバサダーにも認定されました。

荻野貴司選手(ドラツィ・ブルノ)

宇草孔基選手(コトラーシュカ・プラハ)
チェコ料理とビールを楽しむ試食会
式典の後には、チェコ料理の試食会が行われました。
この日のメニューは
スターター
ウトペネツ(ソーセージの酢漬け)
鴨胸肉のきのこラグー クランベリー添え
メイン
スヴィーチコヴァー・ナ・スメタニェ
シュパニェルスキー・プターチェク
デザート
ブブレニナ
と、チェコ料理の魅力が詰まった内容でした。

料理とともにチェコワイン、そしてもちろんチェコビールも提供され、参加者は会話を楽しみながらチェコの食文化を味わいました。料理の豊かさ、ビールの奥深さ、そしてそれを囲む人々の交流が、会場に温かな雰囲気を生み出していました。
聞き慣れないチェコ料理の名前に「どんな料理?」と思った方は、ぜひレストランへ。チェコ料理とチェコビールを一緒に味わうと、その魅力がぐっと伝わってきます。
ビール文化がつなぐチェコと日本

チェコは一人あたりのビール消費量が世界一の国として知られています。しかしそれは単なる量の話ではありません。
チェコでは、ビールは食卓に寄り添う存在です。家庭料理、レストラン料理、そして地域の文化と密接につながっています。
今回のイベントは、その文化を日本へ伝える取り組みの一歩と言えるでしょう。チェコ料理とビールを日本で楽しめる場所が増え、それを伝える人たちが育ち、食文化として理解されていく。ビールジャーナリストとして、このような動きが日本で進んでいることを嬉しく感じています。
チェコのビールを知ることは、チェコの料理を知ることであり、チェコの文化を知ることでもあります。日本にいながらチェコの食卓を体験できる場所が生まれた今、その魅力をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
ナズドラヴィー(Na zdraví)!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









