[テイスティング]2014.4.16

「型なし」ではなく「型破り」なスチュワート・ブルーイング「ブラックIPA」―ビアレポート(88)

IPAイギリススコットランド

まだまだ型を破れない私です。

立川談志が言うには、型ができている人が型を破ると「型破り」、型ができていない人がやるのは「型なし」、とのこと。同じようなことを中村勘三郎も言っていたようですし、先日何かのテレビ番組でとある書家も言っていました。では、はたして自分は文筆家として型を身につけたと言えるのだろうか? と自問自答しながらビールを飲む毎日です。

さて、今回ご紹介するのはイギリスはスコットランドのスチュワート・ブルーイング「ブラックIPA」です。

Black IPA

Black IPA

スチュワート・ブルーイングの設立は2004年。スコットランドのエディンバラで、スティーブ・スチュワートとジョー・スチュワートの2人が、「最高品質のビールを造る」「格別のサービスを提供する」という指針を掲げて設立した醸造所です。

カスクで5種類、ボトルで6種類が定番となっており、シーズナルなどを含めた「Specials」として20種類以上のビールを造っているようです。今回の「ブラックIPA」も「Specials」のうちのひとつ。

色が黒いとスタウトやポーターのような香りをイメージしてしまいますが、口に含んでまず感じるのはグレープフルーツのような香り。苦味もロースト感のあるものではなく、ホップ由来の苦味です。しかも優しい苦味。その後、ローストモルトの苦味とフレーバーがじんわり口の中に広がります。醸造所のウェブサイトには「Dark and hoppy」とありますが、まさにその通り。きれいな味わいから大人の苦味に変わっていく様子が面白いビールです。

このスチュワート・ブルーイングはまだ設立10年ですが、インポーター資料によると伝統的で高品質なスコティッシュエールを造っているとのこと。冒頭の話で言うと、「ブラックIPA」というのは「型破り」なビール。それをしっかりと魅力的なビールに仕上げているのは、ビール醸造の型がしっかりできているのでしょう。他のビールも飲んでみたくなってきます。

このビールを飲みながら、自分も急がずじっくりと型を身につけていきたいと思った夜でした。

【BEER DATA】
ブラックIPA
生産地:イギリス
醸造所:スチュワート・ブルーイング
スタイル:ブラックIPA
アルコール度数:5.0%

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※記事に掲載されている店舗のメニューや営業時間、イベント内容などの情報は予告なしに変更される場合があります。店舗のホームページやイベントの告知ページなどをご確認の上、ご来店・ご来場くださいますようお願い申し上げます。

日本ビアジャーナリスト協会 公式facebookページ

公式facebookページの右上にある「いいね」をポチッとしてくださいね。よろしくお願いします!

01004富江弘幸

この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアライター

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

このエリアに掲載する広告を募集しています。
詳しくはこちらよりお問い合わせください。