一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

日本の蒸し暑い夏に「セゾン デュポン」を――ベルギーから届いた、農作業の喉を潤すビール【JBJAChannel】

ビールに愛された皆さまへ。

暑い夏に飲みたいビールと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、よく冷えた淡色のラガービールかもしれません。

もちろん、それも素晴らしい選択です。しかし今年の夏は、少し趣向を変えて、ベルギーの「セゾン」を選んでみてはいかがでしょうか。

夏のために生まれたビール「セゾン」

セゾンとは、フランス語で「季節」を意味する言葉です。ベルギー南部、フランス語圏のワロン地方で発展した伝統的なビアスタイルで、英語圏では「ファームハウスエール」と呼ばれることもあります。

伝統的な説明では、農作業の少ない冬から春先にビールを仕込み、忙しい夏を迎えるまで貯蔵。収穫などに従事する季節労働者が、農作業の合間に喉を潤すために飲んだとされています。

「一日の仕事を終えた後」ではなく、「農作業の合間」

現代の私たちからすれば、「働きながらビールを飲むなんて、ベルギーの人はすごい」と驚いてしまいます。しかし当時は、現在ほど安全な飲料水を容易に確保できたわけではありません。歴史的なセゾンは今よりアルコール度数が低く、日々の水分や栄養を補う飲み物という役割も担っていたと考えられます。

セゾンを代表する一本「セゾン デュポン」

そんなセゾンの代表的な銘柄が、ベルギー・エイノー州のデュポン醸造所が造る「セゾン デュポン」です。

デュポン醸造所は、1759年に農家として始まり、1844年からビール醸造を行ってきた歴史ある醸造所です。現在もベルギーの伝統的なセゾンを代表する造り手として、世界的に高く評価されています。

日本で流通している330ml瓶のアルコール度数は6.5%。原材料は大麦モルトとホップという、いたってシンプルな構成です。

グラスに注ぐと、ややオレンジ色を帯びたゴールド。きめ細かな白い泡が豊かに立ち上がります。

香りには、柑橘や熟した果実を思わせるフルーティーさと、胡椒やクローブのようなスパイシーさがあります。それらを生み出す大きな要素が、セゾン酵母です。

セゾン酵母は糖をしっかりと発酵させる性質を持ち、ビールをドライでキレのある味わいに仕上げます。フルーティーでスパイシーな香りと、高い発酵度による軽快な飲み口は、セゾンというビアスタイルを特徴づける大切な要素です。

セゾン デュポンには爽やかな酸味がありながら、決して軽いだけではないコクがあります。ホップの苦味、酵母が生み出す香り、穀物の旨味、活発な炭酸。それぞれが重なり合い、複雑なのにドライであり、飲み口はすっきりしています。

日本の夏と出会う「気候ペアリング」

セゾン デュポンを日本の夏に飲むと、このビールが遠く離れたベルギーで生まれたことを忘れそうになります。

温度だけでなく湿度も高く、身体にまとわりつくような日本の暑さ。そんな気候の中で飲むセゾン デュポンは、酸味と苦味、豊かな炭酸、ドライな後口で味覚をきゅっと引き締め、ひと口ごとに涼を運んでくれます。

料理と飲み物を組み合わせる「フードペアリング」ならぬ、ビールと気候を組み合わせる「気候ペアリング」とでも呼びたくなる相性です。

こんなにも離れた極東の日本で、蒸し暑い夏にぴったりと寄り添ってくれるセゾンを造り続けてくれて、ありがとう。デュポン醸造所に、思わずお礼を伝えたくなります。

酢の物や、ところてんと合わせて

食卓では、まず酢の物と合わせてみてください。

酢の酸味で味覚が引き締まったところを、セゾン デュポンの穏やかな酸味が追いかけます。きゅうりとわかめの酢の物、タコの酢の物、南蛮漬けなど、日本の夏らしい料理によく似合います。

少し変わったところでは、ところてんもおすすめです。

つるりとした食感と酢醤油の酸味に、ビールの炭酸とドライな味わいが重なり、身体の中まで涼しくなるようです。ところてんのさっぱりとした味わいを邪魔せず、セゾン デュポンの程よい酸味が、その余韻をさらに伸ばしてくれます。

一方で、少し濃い味の料理を受け止める力もあります。揚げ物や炒め物、肉料理の脂や調味料を豊かな炭酸がすっと洗い流し、次のひと口を誘います。

さっぱりした料理だけでなく、さまざまな料理が並ぶ日本の食卓の中へ自然に入っていける。それも、セゾン デュポンの魅力です。

今年の夏は、ベルギーの農村で育まれた一杯で涼を取ってみませんか。

農作業の合間に飲まれていたというビールを、私たちは仕事を終えた後にゆっくりと。遠い土地の歴史に思いを馳せながら、セゾン デュポンで乾杯しましょう。

動画でも楽しくご紹介しています

JBJAChannelの動画の中でも、実際に飲みながらご紹介しています。是非ご覧くださいませ。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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