[テイスティング]2014.3.22

「ブルッグス ゾット ブロンド」でちょっとした歴史のお勉強―ビアレポート(81)

ビアカフェ ブルッグス ゾットベルギー

歴史好きな私です。

調べていくうちに、「アレとコレがこんなところでつながっていた」とか、「アレがこうした理由は実はコレだった」といったことなどがわかると非常に面白いのです。それがビールの世界にも関わってくるとなおさら。

さて、今回は「ビアカフェ ブルッグス ゾット」がオープンしたということで、ベルギーのドゥ・ハルヴ・マーン醸造所「ブルッグス ゾット ブロンド」をご紹介。

Brugse Zot Blond

Brugse Zot Blond

このビールも紹介するまでもなく有名なので、名前の由来はご存知の方が多いと思います。ブルージュの人たちが精神病院を建てるための資金援助をしてもらうために、その地を訪れたマクシミリアン1世の前でふざけたパレードを行ったら、それを見たマクシミリアン1世が「ブルージュはバカばかりだ」と言ったとか。それ以来、ブルージュの人々は「ブルッグスゾット(ブルージュのバカ)」と言われるようになった、というものです。

この話は「ブルッグスゾット」の紹介文などでよく書かれていますが、では、このマクシミリアン1世は何者なのか。紹介文などでは、神聖ローマ皇帝やオーストリア大公などと書かれていることが多いようです。実際にマクシミリアン1世は神聖ローマ皇帝やオーストリア大公になっていたので間違いではないのですが、ブルージュを訪れたこの逸話の時には、神聖ローマ皇帝になる前のブルゴーニュ公だったと思われます。まだマクシミリアン1世が20歳前後の頃です。

ブルゴーニュ公というのは、ブルゴーニュ公国を治めていた貴族のようなもので、マクシミリアン1世の前はシャルルという人物がブルゴーニュ公。マクシミリアン1世はそのシャルルの娘のマリーと結婚し、マリーとともにブルゴーニュ公としてブルゴーニュ公国を共同統治していたのです。

で、そのマリーという女性が、ベルギービール好きならご存知のマリー・ド・ブルゴーニュ。「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」に描かれている女性です。夫婦で後のビールに関係してくるわけですね。

と、調べていくうちに、こういったちょっとしたことでも知ることができると、すごく面白いのです。ヨーロッパのビールはこういった歴史があるから、より楽しいのかもしれません。

【BEER DATA】
ブルッグス ゾット ブロンド
生産地:ベルギー
醸造所:ドゥ・ハルヴ・マーン醸造所
スタイル:ベルジャン・ブロンド
アルコール度数:6.0%

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビアライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)
すっぴん!(NHKラジオ第1)

Twitter:hiroyukitomie
Website: http://www.hiroyukitomie.me/

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