[テイスティング]2014.8.20

月を消す人たちのビール「マーネ・ブリュッセル」―ビアレポート(106)

ベルギー

宇宙に興味がある私です。

いわゆる天体ショーと言われるようなものは、できるだけ見ようとしているのですが、今日(2014年8月10日)のスーパームーンは台風のため見ることができませんでした。天体ショーというほどのものでもないのですが、なんとなく見たくなってしまうんですよね。

さて、今回ご紹介するのはベルギーのヘットアンケル醸造所「マーネ・ブリュッセル」です。

MANEBLUSSER

MANEBLUSSER

「マーネ・ブリュッセル」とは「月を消す人」という意味で、ベルギーのメッヘレンという街の人たちの愛称だったと言われています(ベルギーの首都ブリュッセルとは関係ありません)。多くのウェブサイトでは、このビールの説明としてこれくらいしか書いていないのですが、では、なぜメッヘレンの人たちは「月を消す人」と言われたのでしょうか。

ヘットアンケル醸造所のウェブサイトにはちゃんと書いてあります。

1687年1月27日の夜は真っ赤な月が上ったそうです。その月がとても赤く大きかったせいか、メッヘレンにある聖ランボールドの塔の後ろにかかった真っ赤な月を見て、酔っぱらいが「塔が燃えている!」と思って大騒ぎ。街の人たちも火を消そうと塔へ向かいます。しかし、街の人たちが塔に着いた頃には、月はすでに霧に隠れてしまっていました。そんな騒動があったので、メッヘレンの人たちは「月を消す人」と言われたそうです。

ところで、今回の写真を見て違和感を感じる人もいるかもしれませんが、実は以前とはラベルデザインが変わっています。以前のラベルは、画像検索していただければわかる通り、影になった塔の後ろに赤い月があるデザインなのです。今のデザインもシンプルなかわいらしいデザインでいいのですが、「月を消す人」のストーリーを表現するという意味では、以前のデザインのほうがよかったかもしれません。

で、肝心の味ですが、このビールは小麦やコリアンダー、オレンジピールを使用しています。それだけ見るとベルジャンホワイトなのですが、公式サイトでは「Type of beer: Blonde」と書かれているのです。飲んでみると、コリアンダーとオレンジピールの風味があり、ベルジャンホワイトの要素がかなり強くなっています。色もやや濁りあり。ただ、ややホップの苦味がきいているということと、よりすっきりした味わいがベルジャンホワイトとやや違っている部分でしょうか。

せっかくのスーパームーンなのに、このビールを飲んだせいか、月は見事に台風で消えてしまいました。どうなんでしょうか。

【BEER DATA】
マーネ・ブリュッセル
生産地:ベルギー
醸造所:ヘットアンケル醸造所
スタイル:ブロンドエール
アルコール度数:6.5%

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアライター

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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