一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

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レジェンドのレシピは、未来へ受け継げるのか? 京都・与謝野で始まった「ヒロユキタンク・プロジェクト」を訪ねる【JBJAChannel】

ビールに愛された皆さまへ。

クラフトビールは、新しいビールが次々と生まれる世界です。その一方で、多くの人を魅了してきた名作のレシピや、それを生み出したブルワーの経験は、時間とともに失われてしまうことも少なくありません。

ホップ畑から始まった旅の、その先へ

京都府与謝野町。

この町を訪れた目的は、ホップ農家・藤原ヒロユキさんの畑でした。

ビールの香りを生み出すホップがどのように育ち、収穫されるのか。その現場を取材するために与謝野を訪れたのですが、旅の最後に待っていたのは、もうひとつの「未来へつなぐ仕事」でした。

訪れたのは、ASOBI BEERの醸造所「TANGOYA BREWERY & PUBLIC HOUSE」。

ここで静かに動き始めていたのが、「ヒロユキタンク・プロジェクト」です。

「ヒロユキタンク」とは何か

ヒロユキタンクは、クラフトビール界を代表するレジェンドブルワーを与謝野へ招き、そのブルワーを代表する一杯を500リットルの設備で再現するプロジェクトです。

単なるコラボレーションではありません。

ヒロユキタンクと藤原ヒロユキ代表(左)、ブルワーの中村貴大さん(☞)

最大の特徴は、レシピだけではなく、仕込み工程や調整、醸造中のデータまでを記録し、次世代へ残していくことにあります。

しかも500リットルというスケールは、小規模ブルワリーでも再現しやすく、大型設備への展開もしやすい絶妙なサイズです。

つまり、「一度だけ造る記念ビール」ではなく、「学び、受け継ぎ、再現できる教材」を残そうという試みなのです。

コピーは文化を育てる

「コピー」という言葉に違和感を覚える方もいるかもしれません。

しかし音楽にはコピー演奏があり、美術には模写があります。

名作を忠実に再現することで、技術を身につけ、その先に自分だけの表現が生まれていきます。

藤原さんも「ビールにも同じ文化があっていい」と語っています。

クラフトビールは独創性が魅力です。

だからこそ、その独創性を支えた技術や考え方を学べる場は、これまで意外なほど多くありませんでした。

ヒロユキタンクは、「レシピを残す」のではなく、「醸造文化を残す」プロジェクトなのです。

第一弾は「与謝野の青鬼」

記念すべき第一弾では、ヤッホーブルーイングの製造部門統括ディレクター・森田正文さん(モーリー)を迎え、「インドの青鬼」を500リットルスケールへ落とし込んだ「与謝野の青鬼 featuring インドの青鬼」が醸造されました。

レシピを縮小するだけでは、本当の意味で同じビールにはなりません。

設備が違えば、熱の伝わり方も、ホップの利用率も、発酵の進み方も変わります。

その違いを一つひとつ確認しながら、リモートでデータを共有し、必要に応じて調整を重ねる。

そうして初めて、「あの味」に近づいていくのです。

第二弾はホップフォワードなビールへ

取材時、藤原さんは次の計画も教えてくださいました。

第二弾も、与謝野町がホップ産地であることを生かした、ホップフォワードなスタイルになる予定とのこと。

しかも招かれるのは、IPAの名匠として知られるレジェンドブルワー。

この記事が公開される頃には仕込みも終わり、9月上旬には完成している予定です。

どのような一杯になるのか、今から期待が高まります。

飲みたい人は、ビアパブへ

関東で飲む「与謝野の青鬼」横浜市鶴見区生麦のKING PELICANにて

ヒロユキタンクで醸造されたビールは、缶やボトルで一般販売される予定はありません。

主な提供形態は樽で、Best Beer Japanを通じて10リットル、15リットル樽で取り扱われます。

だからこそ、もし行きつけのクラフトビール専門店やビアパブがあるなら、ぜひこんな一言を伝えてみてください。

「与謝野で造られた、あのヒロユキタンクのビールを入れてほしい。」

そんな声が全国から集まれば、このプロジェクトで生まれたビールは、より多くの飲み手のもとへ届いていくはずです。

レシピだけではなく、文化を未来へ

ホップを育てる人がいる。

ビールを造る人がいる。

そして、その技術や経験を次の世代へ受け継ごうとする人がいる。

ヒロユキタンクは、新しいビールを生み出すプロジェクトであると同時に、日本のクラフトビール文化を未来へ残すプロジェクトでもあります。

与謝野町で育ったホップから始まる物語は、一杯のビールで終わりません。

その一杯の向こうにある技術、情熱、そして歴史まで次世代へつないでいく——。

そんな新しい挑戦が、京都・与謝野から始まっています。

TANGOYA BREWERY & PUBLIC HOUSE

ヒロユキタンクについての過去記事はこちら

レジェンドのレシピを次世代に繋ぐ【ヒロユキタンク・プロジェクト】とは – 日本ビアジャーナリスト協会日本ビアジャーナリスト協会

ヒロユキタンクのnoteはこちら

【ヒロユキタンク・プロジェクト:HIROYUKI TANK PROJECT】〜次世代に繋げたいレジェンドのビアレシピ〜 vol1|ASOBI BEER / アソビビール

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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