[イベント]2015.9.15

「常陸野ネストビール」も缶の発売を開始。缶ビールの時代到来。

「常陸野ネストビール」が缶の発売を開始します。
以前から、ヤッホーブルーイング、いわて蔵ビール、エチゴビール、御殿場高原ビール、銀河高原ビール、コエドビール、オラホビール、木曽路ビール、独歩ビール、伊勢角屋ビール、ビアへるん、ヘリオスなどが缶ビールを出していましたし、アメリカン・クラフトも缶ビールを出すブルワリーが非常に増えてきています。
今後は日本のクラフトビールでも缶ビール化はさらに加速していくと考えられます。

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最新の「ビール王国 Vol.7」にも執筆しましたが(P64~71)、缶ビールには瓶ビールに比べいくつかのアドバンテージがあります。
①光の影響を受けない
②軽い
③冷やしやすい
④リサイクルしやすい
⑤割れない
⑥飲み終わったあとつぶせる
⑦缶全体を使ったデザインができる
⑧栓抜きがなくても開けることができる
といった点です。

以下は全国の「コミュニティ・ストア」で手に入れることができるフリーペーパー「月刊 COMMUNITY」9月号に私が執筆した文章をもとに一部加筆したものでです。

「缶ビールの時代到来」We CAN drink CANned beers.

 缶ビールが瓶ビールよりも「安物」と思っている人がいる。「缶ビールは不味いので瓶にこだわっている」と言う人がいる。
 はたして、缶ビールは瓶ビールよりも不味い安物ビールなのか?
 答えは「NO」である。
 まず、缶ビール、瓶ビール、樽ビールの中身は別のものなのか? 答えは「同じ」である。ビールメーカーはそれぞれのビールを造り分けているわけではない。すべて同じだ。
 また、「缶ビールは金属臭い」という人がいるが、もし、金属にビールを入れただけで金属臭くなるとすると、醸造所の発酵タンクから貯酒タンク、生ビールの樽からサーバーまでガラスか陶器にでもしなければならないはずだ。缶ビールが金属臭いという人は、缶から直接ビールを飲んでいるに違いない。缶に直接口をつけているのだから金属臭いのだ。缶ビールもグラスに注げば、金属臭などするわけがない。缶ビールは安物でも不味いものでもないのである。
 現在、アメリカのクラフトビール業界は、缶ビール流行りである。多くのメーカーが缶ビールを発売している。クラフトビールは大手メーカーのビールにくらべて値段も高い高級品といったイメージがあるにもかかわらず、缶化の傾向にあるのはなぜだろうか?
 そこにはいくつかの理由がある。
 まず、品質が保持しやすい。特に日光による品質変化がないのだ。ビールはホップの成分が紫外線に当たることにより悪臭に変化するため、ほかのお酒に輪をかけて光に弱いのである。濃い茶色の瓶は透明や緑の便に比べて日光を遮断するが、それとて完璧ではない。しかし、缶は完璧に光を遮ることができるのだ。
 さらに、軽い。そして、飲んだあと潰しやすい。これは輸送コストのエネルギーやごみのキャパシティの節約になる。エコなのだ。 
 そのうえ、缶は瓶よりもすぐに冷えるのでエネルギーの節約になる。これまたエコだ。
 また、アルミ缶のリサイクル率は90%を超えているとくる。さらにエコだ。もー、エコの山積みなのである。
 くわえて、「缶は割れない」という利点がある。安全なのだ。そしてこの“安全”は人間にとってのことではない。実は、ここ何十年もビール瓶などガラスの破片でけがをしたり死んだりする野生動物が多いことが問題になっているのだ。キャンプやアウトドアでビールを飲む際、(意図的でないにせよ)破損したビール瓶を放置したことにより、動物が被害を受けるといったケースが非常に多いのだ。もちろん、缶も放置すれば野生動物に悪影響を及ぼすことはある。が、缶は潰して持ち帰りやすいので、放置率が少ない。動物愛護の視点からもビールの缶化は進めるべきである。
 さらに、缶は瓶に比べ、デザインスペースとして全面が使えるのでユニークなビジュアルに仕上げることもできるし、スペックなどの情報も多く載せることができる。
 そして、もっとも(?)重要なことは、「栓抜きを忘れて、ビールを飲むことができない」という悲劇がおこらないということだ。強引に歯で王冠を抜こうとして、歯が欠けるという更なる悲劇もおこらない。
 うん、やっぱこれからは缶ビールの時代なのである。間違いない。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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