[JBJA活動,ビアバー]2018.1.24

【支援のお礼とすべてのオーナーへ伝えたいこと】衝突事故で大破した「Beer O’clock(ビアオクロック)」復活クラウドファンディングの現状報告

Beer O’clockクラウドファンディング千葉

JR千葉駅の近くに「Beer O’clock(ビアオクロック)」というクラフトビール専門店がある。
地元千葉の醸造所をはじめ常時10種類クラフトビールが楽しめる店として、地元中心に人気を集め、昨年で4周年を迎えたアットホームなビアパブだ。

▲木のぬくもりが感じられる店内では、“Farm to Table” を意識した産地直送の素材をいかした料理も楽しめる

2017年12月24日15時30分ごろ。
クリスマスイブである日曜の午後、営業中の同店に乗用車が衝突するという事故が発生した。

▲同店のシンボルであった藤原ヒロユキ氏の壁画や、国内外から訪れたブルワーやインポーターのサインも損壊

奇跡的にドライバーを含めて大きな怪我を負う者はいなかったものの、店内は入口付近を中心に大破し、損傷はビル本体の壁面にまで及ぶものだった。事故後、スタッフの不休の努力によって散乱したがれきは撤去され、事故翌々日の12月26日には入口部分に仮修繕を施した店舗での営業を再開。現在も仮修繕の状態で営業を続けている。

私たちがクラウドファンディングを選んだ理由

「2017年12月24日(日)15:30頃、ゆったりとした日曜日の午後でした。
突然お店の右前方から猛スピードで1台の乗用車がダイビングしてきたのです。映画のワンシーンのような信じられない光景でしたが(本当にスローモーションに感じるんだと知りました)、お客様・従業員・ドライバーはすべて無事という奇跡的な状況。ですが店内の損傷は激しく、入口のガラス扉4枚中3枚、手前側のテーブルやいす、そして何より私たちのシンボル 藤原ヒロユキさんの壁画はもちろん、ビルの本体の壁にまで損傷が出ました。事故直後は目の前が真っ暗になるほどの衝撃でしたが、当時店内にいらした皆様の温かいお言葉や、これから来るはずだったお客様、近隣のお仲間などたくさんの方に声をかけていただく中で、この大事故に救急車を呼ばなくて済んだ奇跡を大切に、一日でも早く補修をして営業を再開しようと決意しました」(「Kibidango」プロジェクト概要より)

本格的な修繕工事は、ビル本体の補修工事を終えてから取り掛かることになる。ビル本体と店舗の補修工事で最大で2週間程度を予定しているが、着工時期や実際に掛かる日数は未定だ。

「ところが、その決意には大きな問題が2つありました。まず一つ目は、本格的な修繕には時間がかかるということ。あまりの衝撃により、ビル壁面も損壊してしまっているため、店内の修理はビルの修理をしてから行わなくてはならないのです。しかも、鉄骨と鉄骨の間の壁を全て作り直すという大工事のため、現在無事と思われている壁画部分もすべて引きはがさなければならないということなのです。そしてもう一つの問題は、乗用車を運転していたドライバー、被害にあった私たち、双方とも保険に未加入だったということです。このような被害にあった場合には、修繕費や休業する間の営業補償など、ある程度保険により補償されるものと思いますが、今回の場合は、完全に当事者同士でどうにかしなければなりません。しかも、この事故車は、店に飛び込む前に2台の車と接触。加害者1に対して、被害者3という状況なうえ、支払い能力が潤沢であるとはいいかねる状況です」(「Kibidango」プロジェクト概要より)

事故直後から「自分に何か手伝えることはないか?」と多くの支援の声が寄せられたことや、相談をもちかけたいわて蔵ビールの佐藤航社長からのアドバイスもあり、一刻も早い修繕と営業再開に向けて、クラウドファンディングを用いた資金調達プロジェクトにたどり着いた。

■クラウドファンディング Kibidango(きびだんご)プロジェクトページ
まさかの車激突により破壊された「クラフトビール専門店」を元通りにしたい!

そして、クラウドファンディングを選んだもうひとつの理由として、Beer O’clockの運営元である株式会社ジャンクションの勝又代表は、こう語ってくれた。

「たとえば営業時間を延長するなど、何かを切り詰めて資金を捻出する方法もありました。しかし、ただでさえ事故で大きなショックを受けたスタッフに無理を強いることは避けたかったのです。その方法ではモチベーションも続かないでしょうし、いずれ事故を起こしたドライバーや、多重事故に関わった誰かに恨みを抱いてしまうかもしれない。今回の事故によって加害者は多大なる社会的責任を負うことになりますし、ドライバーとご親族からは今後の補償に対して誠意ある言葉もいただいています。既にみんなが傷を負っている。これ以上、誰かを責めたり、恨んだり、いがみ合うようなことにはしたくなかったのです。そこで、皆さまのご支援のお気持ちに、私たちは甘えさせていただくことを選びました」

思いがけない災禍に見舞われながらも、勝又氏からは店を支えるスタッフや関係者、加害者の事情や立場までも慮る言葉を重ねて伝えてくれた。

リターン(特典)は、「特製オリジナルラバーリストバンド(1,500円)」、「藤原ヒロユキ氏描きおろしデザイン オリジナルパイントグラス(4千円)」、「修繕記念特別醸造ビール3本セット(5千円)」「修繕記念パーティーご招待券(1万円)」、「系列3店舗共通 3か月間1日1杯無料パスポート(3万円)」「修繕記念特別醸造ビールの醸造体験(5万円)」など、支援しやすいリーズナブルな価格帯から幅広く設定されている。

Beer O’clockが多くのビアファンに愛されていることを示すように、プロジェクトは開始早々から数多くの支援者が集まり、1月22日に目標金額100万円を達成。成立は確定となった。しかしプロジェクトは現在も継続中だ。

 

そして、目標達成後もプロジェクトを続ける理由

 

実は、100万円はがれき撤去と仮設工事、本格的な修繕費用、プロジェクトの特典制作経費に加えて、修繕工事のための休業補償数日分が加えられた最低限の金額に設定されている。まずはプロジェクト成立を最優先としたためだ。しかし現状では最大で2週間程度の休業を余儀なくされることや、プロジェクトの手数料、リターンのグッズ制作費などでおおむね40%程度が経費となることが予想されるため、目標金額では支出費用をまかないきれない。そのため、同プロジェクトは2月19日(月)23時59分まで支援を募っている。
プロジェクト成立に対して、勝又代表は次のようなコメントを述べた。

「まずは数多くの方のご支援をいただき、プロジェクトが成立しましたことを心より感謝申し上げます。事故直後から立ち上げまでも多くの方に支えられ、今はスタッフ一同、感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとうございました。寄せられたコメントもひとつずつ拝見して、お客様やブルワー様、インポーター様、同業者の方々からのあたたかい想いにふれることができ、それがスタッフの大きな励みにもなっています。私たちが想像していたよりもはるかに早いスピードで達成できたことに感謝すると同時に、身が引き締まる思いでおります。皆さまからの大切なご支援をきちんと活用させていただき、少しでも早く元のお店に戻すこと。そして、もし修繕費用に余裕ができましたら、お客様へ還元させていただくつもりで、サーバーのメンテナンスなど、おいしいビールを提供する設備の整備と充実に努めてまいりたいと考えております

▲仮営業日から「飲んで支援」とばかりに多くのファンが集い、壁には無数のメッセージが書き込まれた

復活した店舗で、再び「It’s Beer O’clock!! (ビールの時間)」を楽しめるように、プロジェクトは引き続き、救いの手を必要としている。

 

大切なお店とスタッフを守るために、全てのオーナーに伝えたいこと

 

最近、運転を誤った車が店舗や歩行者に突っ込む衝突事故のニュースをよく耳にする。
飲食店を営むうえでは火災や水漏れ、食中毒など数々のリスクがあるが、事業規模や立地条件によって、あらかじめ不意のアクシデントに備えた対策を考えておく必要があるかもしれない。

「火災保険の賠償責任特約など、その有用性をわかっていながらも、万が一の備えが甘かったことを痛感しました。『まさか自分の店が』という思いや事業規模を考えて二の足を踏んでいましたが、このような事故を受け、今更ですが保険を検討しております。当社のようなケースを少しでも教訓としてしていただければ」

物損のみの事故でも店舗や事務所建物に被害を受けると、修理費用だけではなく、休業期間中の営業損失や家賃、人件費など、間接的な面でも大きな損害を被ることになる。思いがけないアクシデントによって店にいた客がケガをしてしまった場合は賠償責任を負うこともある。今回のように、たとえ店側の過失がゼロであっても、加害側に十分な支払い能力がなければ損害補償を受けられず、被害者側が涙を飲むことになりかねない。

車通りのある路面店などに店舗を構えるオーナーは、今後起こりうる事故やトラブルに備えて、事業と経営を守る術、リスクをカバーできる保険や補償内容について見直してみてはいかがだろうか。やっとの思いで開業した大切なお店と、それを支えるスタッフやお客様を守るために。

■クラウドファンディング Kibidango(きびだんご)プロジェクトページ
まさかの車激突により破壊された「クラフトビール専門店」を元通りにしたい!


・クラウドファンディング「きびだんご」支援方法について

・ユーザー登録方法について

 

【店舗情報】
「Beer O’clock (ビアオクロック)」

住所:千葉市中央区新田町1-4 江沢ビル1F
アクセス:JR各線千葉駅より徒歩約6分、京成電鉄千葉線京成千葉駅より徒歩約5分、京成電鉄千葉線・千原線千葉中央駅より徒歩約3分
電話:043-215-8426
営業時間:月 17:00 ~ 24:00(LO23:00)
火~金(昼)12:00 ~ 15:00、(夜)17:00 ~ 24:00(LO.23:00)
土 12:00 ~ 24:00(LO.23:00)、日・祝日 12:00 ~ 22:00(LO.21:30)
定休日:なし
公式HP:http://beer-oclock.com/
公式SNS:facebookinstagram
プロジェクトの問合せ先:店長代理 小池

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※記事に掲載されている店舗のメニューや営業時間、イベント内容などの情報は予告なしに変更される場合があります。店舗のホームページやイベントの告知ページなどをご確認の上、ご来店・ご来場くださいますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

山口 紗佳

ビアジャーナリスト/ビアライター

1982年愛知県知多半島出身。結婚情報誌のディレクターを務めた後、東京の編プロで企業広報、教育、文化、グルメ、健康、美容、ライフスタイル、アニメなど多媒体の制作経験を経てフリーの物書きに。静岡県西部より家族で楽しめるビアライフをお送りします。休日はグラウラーを積んでオートバイでツーリング。猛禽と赤も好き。
■実績:『世界が憧れる日本酒78』(CCCメディアハウス)、『東京カレンダー』(東京カレンダー)、グルメ情報サイト『メシ通』(リクルート)、ダッシュエックス文庫(集英社)各種ツール制作

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