[コラム]2019.6.4

最高のビアエンターテイメント。それが遠野ビアツーリズム!

BEER EXPERIENCE株式会社岩手県遠野市浅井隆平氏美浦純子氏遠野ビアツーリズム

岩手県遠野市といってビールファンであれば真っ先に思い浮かべるのが「ホップ」ではないでしょうか? 現在、遠野市を「ビールの里」にするべく官民が一体となって活動をしています。今回は、その活動の1つである「BEER EXPERIENCE株式会社(以下、BE社)」が本格的に始める「遠野ビアツーリズム」ついてご紹介します。

ビールの里を象徴するコンテンツに

「ビールは知らない人がいない商品です。でも実際の原料のことを知っている人は多くありません。日常にあるお酒、ビールが農業から生まれていることを知って、もっと詳しくなったら、さらに美味しく楽しく飲めると思うんです」。

こう話すのは、取締役副社長の浅井隆平氏。2015年より「TKプロジェクト(※1)」として年に1〜2回開催するイベント的な存在でしたが、「募集を開始すると30分くらいで定員に達しました」と人気があり、事業として可能性があると判断。今年より遠野ビアツーリズムとして立ち上げることになりました。

※1 2009年から遠野×キリンプロジェクトとして官民一体となって遠野産ホップを通じて地域活性をする取り組み

以前は、キリンビール株式会社で新宿歌舞伎町や赤レンガ倉庫の営業を担当していた浅井隆平氏。現在は遠野を「ビールの里」にすべく各方面に奔走する日々を送っている。

その特徴について営業部でガイドを務める美浦純子氏(通称:MJ)は次のように説明します。

「ビールを飲むだけではなく、産地ならではの場所にお客様をご案内して、ビールを飲む以外の様々な体験をしていただけるのが特徴です。専門のガイドが一緒に楽しくお話をしながら『明日使えるトリビア』をお伝えしながら遠野の魅力を感じながら過ごしていただきます。ツアー中には、タイミングが良ければ農家さんや視察に来ているビール業界の著名人に会えることもあります。ブルワリーも上閉伊酒造(遠野麦酒ZUMONAビール)と遠野醸造の2ヶ所を巡ります。こちらもタイミングが合えば、ブルワーさんからビールやブルワリーの説明を受けることができます」と、ツアーに参加することで街の宝物を最大限体験できるコンテンツになっています。

ビアツーリズムでガイドを務めるMJこと美浦純子氏。様々な接客業で培ったおもてなしスキルにファンになってしまう人も多いだろう。【画像提供:BE社】

遠野醸造にビールを飲みに行くことはできますが、ホップ畑や乾燥センターは自由に見ることはできません。昨年、Fresh Hop Fest参加ブルワリーの視察ツアーに同行させてもらいましたが、遠野の魅力を楽しみながら巡ることができる内容でした。

ツアープログラムは3つ

昨年までは、限定イベントや視察によるものでしたが、事業として始めるにあたり内容をバージョンアップしています。

「大きく分けて3つのプランがあります。1つ目が日中に遠野がホップの産地であることを満喫してもらい、そこからビールがどうやってできるのかまでを知ることができるツアー。こちらは旅行会社様と連携しながら準備を進めていて6月中の開始を目指しています。お申し込みは旅行会社様のサイトから可能になります。私たちのホームページからもツアー申し込みサイトのジャンプができるよう進めています。2つ目がナイトビアホッピングというプランです。内容は遠野産ホップを使ったクラフトビールと遠野名物のおつまみフードのペアリングを味わいながら、街歩きを楽しんでいただきます。こちらはじゃらん様の『遊び体験予約』というサイトからお申込み可能です。3つ目が企業様や自治体様用の視察ツアーです」(MJさん)。

注目したいのがナイトビアホッピング。市内の飲食店などを巡りながら遠野の食と人との交流が楽しめるツアーです。

「基本3軒を巡りますが、どこに行っても楽しんでもらえる内容になっています。街の移動時は、ヘルメットを着用してもらいます。これは何故かと申しますと、夜は街灯が少なく足元が暗いためと、冬場は道が凍りますから万が一転倒した時に頭部を守るためです。あとはお酒を飲みますから、酔ってしまいふらついて頭をぶつけないように気をつけてもらうためです(笑)。開始するにあたりモニターツアーを実施したところ街の人からもツアー参加者と一目でわかってもらえますし、ヘルメット姿がSNS映えするということで、好評でした」とMJさんはいいます。

このヘルメット、実はホップの乾燥センターを見学時に着用するもの。乾燥センターは約2週間程度しか稼働しないため、それ以外の時期に使う機会がありませんでした。「使わないのはもったいないということで、ナイトビアホッピングで活用することにしました(MJさん)」とエピソードを教えてくれました。

参加者のなかにはヘルメットが気にいってお店でも被ったままの方もいるそうだ。【画像提供:BE社】

関連する周囲との連携とマンパワーの確保。それが今の課題

事業を進めるにあたり課題も。

「『最近は、どこに宿泊できるのか?』という問い合わせも増えています。遠野の街自体は、ホテルや民宿はありますし、農山漁村滞在型旅行である農泊も盛んな地域です」。しかし、宿泊施設のなかにはインターネットで検索しても出てこないところも多く、滞在して過ごせる環境を整備する必要があると浅井氏はいい、飲食店でも同様の課題があると話します。

遠野に滞在して楽しみたいという声に対応するため、地元の宿泊施設や旅行会社と協力し、宿泊をセットにしたツアーの販売も検討しています。「近くに宿泊できれば、お客様も時間を気にせずにビールを楽しめますしね(浅井氏)」。長く滞在してもらうことで地域全体が活性していく仕組みをつくるため、ビアツーリズムの活動を通じて地元住民との交流は欠かすことができません。

また、運営スタッフについても課題があるといいます。「これからの夏場からホップ収穫時期が最も忙しくなる時期。現在、私とMJの2名で対応していますが、対応できる数に限りがあります。一緒に遠野の魅力を伝えてくれる仲間も募集しています。今年の夏には、新たなビアツーリズムガイドが加わり、さらに多くのお客様を受け入れることが出来るようになります!」と浅井氏。昨年は限定ツアーや視察のみにも関わらず、6月から12月で約400名が参加しているだけに需要に応えられる人員の確保に向けて、準備が進んでいます。

BE社のスタッフ。浅井氏とMJさん以外は、ホップやパドロンの生産担当のため、ツアーガイドが手薄の状態。【画像提供:BE社】

新しい取り組みも見学できます!

今年のツアーでは、新たな取り組みも見学することができます。1つが持続可能な日本産ホップの生産を目指し、ドイツの世界最先端技術を応用した新ホップ畑。東京ドーム約1個分、4.9haもある広い圃場で、イチジク、マスカットを思わせる個性豊かな香りをもつ新品種ホップ「MURAKAMI SEVEN」の栽培現場を見ることができます。

栽培の高度化による効率化を目指すホップ畑。ホップが伸びてきているのも確認できた。

そして、もう1つがサッカーコート1面の広さの環境制御型ハウスで、まもなく栽培を開始する遠野パドロンです。こちらは約1年を通して栽培を行うので、冬場でも生産現場の視察を体験することができます(1~3月は除く)。

新たに作られたパドロンハウス。全長が収めきれないくらい広い。

「ホップが実る時期は夏場ですが、冬場にはどんなことをしているのかも実際に畑を見学してもらい、どの時期に来ていただいても1年の流れがわかるように紙芝居を使ってお伝えしています(MJさん)」。年間を通じての活動を理解してもらえるようプログラムが組まれています。

「参加された方からは『もっとビールが好きになった』と言ってくださる方が多かったですね。ホップについて『明日、他の人に教えてあげよう』とか『自慢しちゃおう』と喜んでいらっしゃいました。これは女性に多かったのですが、ビールはあまり好きではないけど植物が好きという方もいらっしゃいました。グリーンカーテンのなかに入るだけで『癒される』と非現実的な体験が思い出に残ったという感想もありました。男性ですか? ホップ畑の中でビールを飲むのが楽しかったという感想がよくありました(笑)。そのほかにも旅行のサポートもさせてもらっています。『お土産を買いたいけど何を買ったら良いかわからない』といったお悩みにもバッチリ対応させていただきます。ガイドしか知らない地元のオススメをご紹介していますので気軽に聞いてください(MJさん)」と参加者の感想を教えてくれました。

昼は、ホップ畑を見学し、夜は遠野の街を巡ることも可能!他にも遠野の魅力を教えてくれるので色々聞いてみてほしい【ビアツーリズムのチラシより】

ちなみにビアツーリズムは、「地元の方に改めて遠野の素晴らしさを知ってもらえる対応もしています」とすべての人が対象になっています。

体験することで遠野を好きになってリピートしてもらえる事業へ

クラフトビールの人気が高まり、原料であるホップも注目されるようになってきています。しかし、浅井氏は「まだまだ認知度が低いと考えています。世界には約100種類のビアスタイルがあり、多種多様なホップが使われていますが、日本ではピルスナースタイルが主流で、それ以外のビールを知らない方がまだまだ多い。そう考えるとまだまだ未成熟な市場だと思っています。ドイツのようにホップを日常のなかで親しまれる植物にしていかないといけません。それを遠野に来て感じてもらえたらと思います」と話し、「だからこそホップの素晴らしさを知ってもらうやりがいも感じています」と意欲的に話してくれました。

「私自身すごくビールが好きというわけではありませんでした。縁があって遠野に来て、会社や地元の人と出会ってからもっと好きになれましたし、詳しくもなれました。私と同じような人ってたくさんいると思うんです。そういう人たちにビールという商品の裏にある背景を知ってもらうことで、遠野という街から好きになってもらえたら嬉しいです」とMJさん自身のエピソードを交えながら話をしてくださいました。

「そのためにも何度も遠野を訪れて楽しんでもらえるようツアー内容を常にブラッシュアップしていきます」とのこと。どんな新しい体験ができるのか? 期待せずにはいられません。2019年8月24日(土)・25日(日)には「遠野ホップ収穫祭2019」も開催されます。イベントをより楽しむために、それに合わせてビアツーリズムに参加してみるのもいいと思います。

遠野ホップ収穫祭の公式HPはこちら。

ぜひお2人に会いに遠野まで行ってみてください!

今年の夏は(も)「ビールの里」遠野で、ホップ三昧なビアライフを送ってみませんか?

ビアツーリズムについてはこちらから

◆BEER EXPERIENCE社 Data

住所:岩手県遠野市青笹町糠前31-19-7

電話:代表050-8880-1870 ビアツーリズム専用050-8880-1872

E-mail:tourism@beerexperience.jp

Homepage:https://www.beerexperience.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/BEEREXPERIENCEfarm/

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この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

【メディア出演】
<TV>
●テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
<ラジオ>
●TBSラジオ「鈴木聖奈LIFE LAB~○○のおじ様たち~」
<雑誌>
●週刊プレイボーイ ●DIME
<Web>
●SUUMOジャーナル(https://suumo.jp/journal/2019/08/29/166678/)

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