[コラム]2021.3.16

新一万円札の顔!渋沢栄一とビール会社の関係。

大河ドラマ「青天を衝け」が話題になってますね。

2024年からの新一万円札になる人物としても有名です。

将来、令和生まれの子が就職してきて、

「福沢諭吉の一万円札は見たことありません。一万円といったら渋沢栄一ですよね。」

と言われて、その時の私たちは愕然とするんでしょうか。恐ろしや。

出典:渋沢栄一の紹介|深谷市ホームページ

日本資本主義の父である明治時代の偉人、渋沢栄一。

人物紹介はいろんなところでされているので、ここでは超省略バージョンでお伝えします。

私利を追わず、公益を図る

深谷ねぎが有名な埼玉県深谷市生まれ。江戸後期〜昭和初期まで91年の生涯でした。

(深谷ねぎのたっぷり入った煮ぼうとうが好きだったらしいです。)

生涯を通じて500社以上の会社の創業に関わり、多くの巨大会社の設立援助や経営を行っています。

そして次の信念を貫きました。

「私利を追わず、公益を図る」

現代語訳:自分だけの利益を追求せずに、社会全体に還元する。

人格的にも素晴らしい人だったのでしょうね。

当時は日本産業の草創期

500社も会社に関わるって今では考えられませんよね。

その背景としては、当時の日本は産業の草創期で資本家が少なく、1人の実業家がいくつもの事業を手掛けていました。実際、明治時代の多くの実業家がいくつもの事業を手掛け、のちの財閥へと繋がっていきます。

各ビール会社との関わり

その500社の中にはビール会社もあります。

実はサッポロ、キリン、ヱビス、アサヒ4銘柄の会社の役員になった経験がある、今では考えられないキャリアを持った人物なのです。まさに私利を追わない、ビール産業の重要人物です。

 

■キリンとの関わり

1885年に横浜にジャパン・ブリュワリー・カンパニー(現キリンホールディングスの前身)が誕生。翌年の増資の際に出資し、三菱家の岩崎弥之助と並んで日本人株主として名を連ねています。1889年には重役にも任命されています。

出典:食品新聞WEB版

・深谷市に設置されている「みまもり自販機(キリンビバレッジ)」

 

サッポロとの関わり

1876年創業の開拓使麦酒醸造所(現サッポロホールディングスの前身)が民間の大倉組へ払い下げられ、その後、渋沢栄一と他の実業家が事業を譲り受けて、札幌麦酒会社を設立します。渋沢栄一は初代会長に就任しました。

出典:Twitter:サッポロビール公式アカウント

・サッポロビール博物館の展示物

 

■ヱビス・アサヒとの関わり

日露戦争に向けた国力強化に向けて、当時のビール大手3社である札幌麦酒(サッポロビール発売元)、日本麦酒(ヱビスビール発売元)、大阪麦酒(アサヒビール発売元)が合併し、シェア70%を誇る大日本麦酒となりました。渋沢栄一は取締役として経営に参加しています。

大日本麦酒は戦後に解体し、サッポロ・ヱビスブランドを引き継ぐ日本麦酒(現サッポロホールディングス)とアサヒブランドを引き継ぐ朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス)に分割されました。

 

出典:サッポロ・エビス・アサヒの合併・大日本麦酒の設立|アーカイブス

・よく見ると3社のラベルと取締役として名前が記載されています。

ビールファンとしての独り言

いくつものビール会社に携わっていた渋沢栄一は、無類のビール好きだろうと思いましたが、記録によると元々ビールが好きではなかったようです。ビール会社の経営者なら、毎日飲み放題だ!と思う私のような浅はかな人間は、そもそも経営なんて任されませんね。

これはビールファンの独り言ですが、シェア争いの激しいビール業界において、渋沢栄一に縁のあるサッポロ(ヱビス)・アサヒ・キリンの3社が合同で「渋沢栄一の新一万円札発行を祝う会」を実施したら、業界全体が盛り上がるのになぁ。

そして生涯を通じて、私利を追わず公益を図った渋沢栄一なら、きっとそんなことを考えたかもと想像してしまうのでした。

サントリーには申し訳ないけど。

 

【参考文献・資料】

「図説ビール」キリンビール株式会社

「渋沢栄一を知る辞典」 公益財団法人渋沢栄一記念財団 東京堂出版

「渋沢栄一 社会起業家の先駆者」 島田昌和 岩波書店

「初めての渋沢栄一」 渋沢研究会編 ミネルヴァ書房

「負けず 小説東洋のビール王」 端田晶 幻冬社

「日本ビール検定公式テキスト 2020年4月改訂版」 一般社団法人日本ビール文化研究会監修 マイナビ出版

サッポロビールホームページ

キリンビールホームページ

アサヒビールホームページ

アサヒビールキリンビールサッポロビール大日本麦酒渋沢栄一
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この記事を書いたひと

楯 優作

ビアジャーナリスト

ビールとは乾杯を通じて、あなたの人生そのものをちょっぴり楽しく、幸せにする飲み物だと信じています。
さて、今夜は誰と乾杯したいですか?

■基本情報
1989年、新潟県生まれ。
高校まで野球一筋。大学で韓国に短期留学し、ビールは世界共通のコミュニケーションツールであることを確信。ビール愛に目覚める。
びあけん2級、ウィスキー検定2級保持。

■研究分野
日本の麦酒史。
私の地元新潟県は、サッポロビールの生みの親である中川清兵衛、育ての親である大倉喜八郎、アサヒビールの設立に携わった外山脩造や初代醸造家で日本人初のブラウマイスター生田秀など、ビール業界の偉人を輩出。
私も新潟県民としてビール業界に携われることを誇りに、ビールの蘊蓄や楽しさを発信します。

■好きな言葉
「ビィールと云ふ酒あり。是は麦酒にて、其味至って苦けれど、胸隔を開くために妙なり。」(ビールという酒がある。これは麦の酒で、その味は苦いけれど、腹を割って話せるので不思議だ。)by福沢諭吉「西洋衣食住」

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