[コラム]2024.4.4

BEE”R”×RRR×TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~

ホップでも酵母でもない。

「ナートゥをご存知か?」

 

インド映画「RRR」で出てきたセリフであり、ナートゥはその映画の名曲(正式名称「NAATU NAATU」)、名ダンス場面だ。
現在、その「RRR」を宝塚歌劇が舞台化、宝塚大劇場での公演後、現在東京宝塚劇場で4/6まで上演している。
その宝塚歌劇星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』ビールのペアリングについて考えていきたい。

RRRとは

まず、映画のR R Rを説明しよう。2022年に大ヒット、数々の映画賞を受賞したラージャマウリ監督によるインド映画である。
一度この映画を観てほしいが故、ネタバレのないようにめちゃくちゃ簡単にいうと、1920年イギリス植民地時代のインド、インド総督に連れ去られたゴーンド族の少女を救うためゴーンド族の熱き守護神ビーム(ビールではない、ビームだ)が立ち上がり、街に潜入、ひょんなことからラーマという男に出会い熱い友情を育んでいくが…
残念ながら、約3時間の映画故、まだまだ目まぐるしく変わる展開が待っているのだが、これ以上は言えないのだ…。
言ってしまうと、3時間があっという間に過ぎ去るあの体験を奪いかねないからだ。
ただ、アクション満載の少年漫画かのような痛快さなのは保証しよう。
もう、まじで、観てない人は観よう。

宝塚歌劇が舞台化

その映画を、宝塚歌劇団が110周年を迎えたこの2024年、1発目の公演として上演したのがこの「RRR」だ。
だが、ただの「RRR」ではない。
『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』
なのである。このタイトルの意味、ざくっと説明すると
「RRR」「宝塚化」(主人公が2人いるうちの)「ビーム視点で」
ということである。

『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』

宝塚歌劇は基本初日の前に上演時間が前もって発表されるのだが、びっくりした。
約3時間の映画をなんと、1時間35分に収めるという。意味不明である。
んなことできるわけがない、と、かなりのチケット難の中、本拠地、宝塚大劇場でなんとか観劇した。
びっくりした。
完璧に「RRR」なのである!
同行した映画ファンの友人曰く
「うまいこと因数分解したなぁ〜」
まさしく。

さて、ビールと合わせよう

お待たせしました。
この作品、ビールとペアリングするなら?
正直に言おう、映画を予習した時点で決めていた。
インドの青鬼である。
インドの青鬼

まさしくインドの鬼と言わんばかりの映画の中でのアクション、力強さ、IPAというビアスタイル、そしてこれほどに名前もぴったりなビールってある?と思っていた。
だが、計画通りうまく運ぶわけはない
これでもいい、だが、宝塚版、「×TAKA”R”AZUKA」としてはこれじゃない気がした。

女性だけで演じられる、かつ、生の舞台である。映画のようにアクションをガンガンやって鬼のような活躍を美しくしなやかな動きで置き換え、映画の中の炎、水、でさえ身体を使って表現していく演劇作品である。
観終わった後の気持ちいいあの感じ、こっちではなかろうか。

キングフィッシャープレミアムラガー、RRRの舞台であるインドのビールだ。
炭酸が強く、スッキリ飲め、クセがなく、麦の旨みが感じられる。
「RRR」の舞台化は、映画をスッキリまとめ、演劇の旨みもしっかり感じられる作品になっている。
これぞ、なんだかぴったりな気がするのだ。

そんなビールと宝塚版「RRR」家で楽しもう!

劇場の中で上演中の飲食は原則禁じられている。
しかし、コロナ禍で得たことの一つにライブ配信がある。
そう、この宝塚版「RRR」、東京宝塚劇場の大千穐楽公演がライブ配信される!
家でビールを飲みながら観てみるのはいかがだろうか。
4/6 13:30開演。詳細は要検索!
ちなみに、先日、ラージャマウリ監督も来日、東京公演を観劇された。
ただ、生にかなうものなし、なのは言っておかねばならない!

この記事をライブ配信終了後へ見てしまった方へ。

宝塚は映像作品として販売されている。
もしくは近くに宝塚ファンがいれば、基本新規の人ウェルカムな宝塚ファンが多く、優しく貸してくれたりするものなので一度相談してみるのをお勧めする。

※世間で取り沙汰されている宝塚歌劇団を扱ったが、純粋に演劇作品とビールとのペアリングとして書かせていただいた。
最後に、亡くなられた方のご冥福をお祈りしたい。

ペアリング宝塚演劇ペアリング

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

西條伊里也

ビアジャーナリスト/ジャパンビアソムリエ

ビールは元々好きだったが、イギリス滞在中に、新型コロナの影響でロックダウン生活を送ることになり、意気消沈している時に近くのブリューパブが寄付という形で一週間に一度、販売していた持ち帰り用の4パイントのビールに救われた気がして、ビールとの関係性が、友達以上恋人未満の関係から恋人に昇格。ただ、それ以外にも宝塚歌劇、ミュージカル、演劇、音楽も愛していたりする。シャンソン、ドラム、パーカッション、その他色々もやってる時もあればやっていない時もあったり。

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