発想を飲むビール体験|個性際立つ2本をテイスティングレビュー【JBJAChannel】
ビールに愛された皆さまへ。
ビールという飲み物は、原料や工程が比較的シンプルであるからこそ、造り手の発想や意図がそのまま味として表れます。
今回味わったのは、そうした“考え方の輪郭”がはっきりと感じられる二本でした。いずれも既存のスタイルに収まりきらない個性を備え、香りや質感、余韻の設計によって印象を残すタイプ。
飲み進めるほどに、それぞれの魅力が立体的に浮かび上がってきます。
目次
COEDO×WAKAZE「Summer Fall」レビュー|サケビールの味わい

グラスに注いだ瞬間、まず目を引くのは泡の質感です。きめ細かく整った泡は軽やかで、外観からすでに繊細な印象を与えます。
香りには白ブドウや和梨を思わせるニュアンスがあり、一般的なIPAのホップアロマとは異なる、透明感のある果実香が静かに立ち上がります。
口に含むと、Brut IPAらしいドライな設計がはっきりと感じられ、甘味よりも香りと質感が前面に現れます。アルコールの主張は穏やかで、後味は驚くほど澄んだ印象。
日本酒的要素を取り入れたビールという説明だけでは語り尽くせず、両者の長所を抽出して再構築したかのような完成度です。
既存のスタイル名で理解しようとするより、体験として味わうことで真価が伝わる一本といえるでしょう。
アサヒ スパイスビールを試飲|刺激を味わう設計の一本

続いて口にしたのは、香りの段階から明確な個性を放つスパイスビールです。
開栓と同時に立ち上がるのは、チョリソーを思わせる刺激的な香り。そして、香りそのものが主張として現れる力強さがあります。
味わいはさらに印象的です。舌先に触れた瞬間から辛味がはっきりと感じられ、喉へと進むにつれてハラペーニョを思わせる熱を帯びた刺激が食道を通り抜けていきます。
辛味に慣れていない方であれば、刺激というより“痛み”に近い感覚を覚える可能性もあるほどです。
穏やかさより鮮烈さを選んだ設計であり、飲み手を選ぶ強さではありますが、その大胆さこそがこの一本の魅力。印象に残る体験を求める方には、強く記憶に刻まれる味わいでしょう。
飲み比べて分かった違いと共通点

二本を続けて味わうと、表現手法の違いが明確になります。
Summer Fallは発酵設計による質感と余韻で印象を残し、スパイスビールは香りと刺激で記憶に刻まれるタイプ。
前者は静かに広がり、後者は鮮やかに突き抜ける――方向性は対照的でありながら、どちらも「味覚体験を更新する」という点で共通していました。
発想が味になるビールの魅力
今回の二本から感じたのは、ビールという飲み物がいまなお進化の途中にあるということです。
スタイルの定義やカテゴリーは理解の助けになりますが、ときにそれを軽やかに越えてくる一本が現れます。そうしたビールに出会うたび、味わう行為そのものが小さな発見の連続へと変わっていきます。
親しみやすい一杯に安心するのももちろん魅力ですが、時にはこのような挑戦的なビールに手を伸ばしてみるのも一興です。
グラスの中に込められた発想に触れた瞬間、ビールの世界が想像以上に広く奥深いものであることを、改めて実感させてくれることでしょう。
動画でも楽しくご紹介!
Youtubeの動画コンテンツのJBJAChannelでは、今回の2種類のビールの飲み比べについて、楽しくご紹介しています。
是非ご覧ください。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









