イギリス北東部の炭鉱の町に唯一残るパブが舞台の映画『オールド・オーク』4/24(金)より公開!
労働者階級、移民や貧困などの社会問題を描き続けてきたイギリスの巨匠、ケン・ローチ監督が、自ら「最後の作品」と語る映画『オールド・オーク』が2026年4月24日(金)から公開だ。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く”イギリス北東部3部作”の最終章となる映画の舞台は、30年ほど前は炭鉱で栄えていたという寂れた町に唯一残るパブが舞台となっている。
2016年に実際にあったシリア難民の受け入れが背景に
この映画の舞台となるパブ「オールド・オーク」は、町に1軒だけの、地元の人たちにとってささやかな憩いの場であった。昔炭鉱で栄えた町は寂れ、人々の暮らしが困窮する中、国が受け入れたシリア難民を乗せたバスが到着したことから物語が展開する。生まれや立場の違う人たちが交わる時、それぞれの考えや都合によって起こる摩擦や悲劇。その諍いは分断となるのか、それとも立場の違いを踏まえて共存していけるのか。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く、巨匠ケン・ローチ監督の「イギリス北東部3部作」の最終章となるこの作品で、監督は「人は何に幸福をみいだし、どう繋がって友だちになり、何が人をむずびけるのか」を問うている。
舞台となるパブ『オールド・オーク』
パブ(PUB)とは、Public Houseの略称で、「公共の場」や「人々が集まる場所」という意味をもつ。映画の舞台となるこの店は、実在する店や具体的な町の設定ではないが、監督はインタビューの中で、イギリス北東部のマートンという町には1軒だけパブがあるということ話していて、そんなこともストーリー展開のインスピレーションとなっているようだ。
店のパブ看板は、店名の通りの大きくてどっしりとした樫の木のイラストで、人々が安心して集う宿木のようなイメージだ。
だがストーリーでは、店名のサイン文字の一部が傾いたまま直せない、売り上げは常連客のおかげでなんとか保たれているような、営業ギリギリの状況の店となっている。
そこに集う常連客は、イギリスで伝統的に飲まれるビターなどをおかわりして人の噂に花を咲かせるが、店の内装やハンドポンプで注ぐシーンなど、現地のリアルな日常のパブシーンを楽しむことができる。
主人公のパブオーナーのTJ.バランタインを演じるのは、”イギリス北東部3部作”の他作品にも出演しているデイヴ・ターナー。シリア難民のヤラは、自身もイスラエル占領下にあるシリアのゴラン高原、マジュダル・シャムス村出身であるエブラ・マリ。
人々が集まる社交場=パブから始まる人と人との関わりは、断絶となるのか、歩み寄り希望へとつながるのか……
ちなみにイギリス北東部といえば、ビールファンにも有名な「BREWDOG」他、多数のブルワリーがある。この映画の中で飲まれているビールに特にブランド名は登場しないが、おそらく地元に昔からあって、愛され続けるローカルビールという設定であろう。
これは決してスクリーンの中の物語ではない
残念なことに、世界で紛争や戦争はリアルタイムで続いている。また、自然災害などのさまざまな理由で見知らぬ土地での生活を余儀なくされる場合もあるだろう。そんな時にそれぞれの立場で渦巻く、不安、寂しさ、反発、涙……。主人公や周辺の人々の入り混じる感情に共感したり、憤慨したり……この物語は決して彼の地のことではなく、誰しもに起こりうる自分ごととして捉え、心に刻んでおきたいとつくづく感じ入るストーリーだ。
4/24(金)から公開が始まる。映画館のビールを片手に、ぜひ鑑賞してみてほしい。
映画情報
『オールド・オーク』(原題:The Old Oak)
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァテイ
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
第76回ロカルノ国際映画祭観客賞受賞
第50回ケント国際映画祭観客賞受賞
第77回英国アカデミー賞英国作品賞ノミネート
配給:ファインフィルムズ
公式HP: https://oldoak-movie.com
劇場情報:ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか
※その他上映館情報(全国)
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=oldoakmovie
※掲載画像:ファインフィルムズ提供
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