ビールになっても、金麦は金麦だった。新旧「金麦」を飲み比べて見えた、19年の進化と継承【JBJAChannel】
ビールに愛されたみなさまへ。
2026年10月6日、サントリーの「金麦」がビールになりました。

2007年の発売以来、毎日の食卓に寄り添い、仕事を終えたあとのひとときや、家族と囲む夕食など、私たちの日々の暮らしを支えてきた金麦。
肩肘を張らず、いつもの場所で、いつものように楽しめる。その存在は、多くの飲み手にとって、生活の一部になっていたのではないでしょうか。
そんな金麦が、2026年10月の酒税法改正を機に「発泡酒②」から「ビール」へと生まれ変わりました。
サントリーが提案するのは、毎日の暮らしの中で気軽に楽しめる「デイリービール」です。
では、長年親しまれてきた金麦の味わいは、どのように変わったのでしょうか。
今回は、ビールになった新しい金麦と、これまでの発泡酒②の金麦を飲み比べてみました。
そこには、予想以上に興味深い発見がありました。
19年間、日々の暮らしに寄り添ってきた金麦

金麦が誕生したのは2007年。
ビール類の市場では、酒税の違いを背景に、ビール、発泡酒、そして新ジャンルと呼ばれる商品が、それぞれの個性を打ち出してきました。
金麦は、その中で「麦のうまみ」と「飲みやすさ」を大切にしながら、家庭での日常的な飲用シーンを支えてきたブランドです。
特別な日に飲むご褒美の一杯も素敵ですが、なんでもない一日を穏やかに締めくくる一杯にも、かけがえのない価値があります。
金麦は、そんな日常の幸せを長年支えてきました。
そして2026年10月。ビール類の酒税が一本化されるタイミングで、金麦はビールへと生まれ変わりました。
これは単なる酒税区分の変更ではありません。
19年間親しまれてきた味わいを、ビールという新しい形で、どう未来につないでいくのか。
造り手にとっても、大きな挑戦だったのではないでしょうか。
発泡酒②の金麦を支えてきた、スピリッツという存在
ここで少し、これまでの金麦について振り返ってみたいと思います。
従来の金麦は、いわゆる「新ジャンル」として親しまれてきた、酒税法上の「発泡酒②」に分類される商品でした。
ビールと発泡酒の区分には、麦芽の使用比率や原材料などについて、法律上の定めがあります。
現在の日本の酒税法では、麦芽比率が50%以上であることに加え、使用する副原料の種類や割合など、一定の条件を満たすものがビールに分類されます。
一方、従来の金麦は、麦芽比率を抑えた発泡酒にスピリッツを加える、新ジャンルの製法で造られていました。
その原材料のひとつが「スピリッツ(小麦)」です。

このスピリッツは、金麦のすっきりとした飲み口を形づくるとともに、アルコール度数や味わいのバランスを整える役割も担っていたと考えられます。
限られた原材料や酒税区分の条件の中で、いかに麦のうまみを表現し、ビールらしい飲みごたえと軽快さを両立させるか。
従来の金麦には、そんな造り手たちの工夫が積み重ねられてきたのでしょう。
飲み比べて初めて分かった、発泡酒②の金麦の個性
さて、いよいよ飲み比べです。
最初に感じたのは、驚くほどの共通点でした。
ビールになった金麦を飲んでも、「これは金麦だ」と自然に思えるのです。
長年親しんできた、やわらかな麦のうまみ。食事の邪魔をしない飲みやすさ。そして、もう一口飲みたくなるすっきりとした後味。
金麦らしい味わいの輪郭が、きちんと残っています。
ところが、従来の発泡酒②の金麦と交互に飲んでみると、違いが少しずつ、そして明確に浮かび上がってきました。
「ああ、そうか。これまでの金麦は、発泡酒だったんだよな」
そんなことを、あらためて実感したのです。
従来の金麦には、ビールになった金麦と比較すると、どこか硬質な印象がありました。
それは、スピリッツ由来なのかもしれません。
口の中で感じる味わいの輪郭に、ほんの少し硬さがあり、麦のうまみとアルコール感を、細やかな調整によってひとつにまとめているような印象を受けます。
もちろん、これは飲み比べによる個人的な官能評価であって、スピリッツだけに原因を特定できるものではありません。
しかし、軽快な飲みやすさの奥に、ビールらしい味わいを実現しようとしてきた造り手の試行錯誤が感じられたのです。
従来の金麦だけを飲んでいたら、ここまで明確に意識することはなかったでしょう。
新しい金麦がビールになったからこそ、これまでの金麦の特徴も、より鮮明に見えてきたのです。
ビールになった金麦は、より純粋で自然な味わいへ

一方、ビールになった金麦はどうでしょうか。
ひとことで表現するなら、金麦らしさが、より自然に感じられる味わいになったように思います。
従来よりも麦芽比率を高め、スピリッツを使わないビール製法へと変わったことで、麦のうまみが素直に感じられます。
従来品との比較では、味わいのつながりがなめらかになり、余計な力みが抜けたような印象です。
ここでいう「純粋」とは、旧製品に何か問題があったという意味ではありません。
むしろ、これまでさまざまな工夫によって実現してきた金麦の味わいを、ビールの原材料と製法によって、より自然に表現できるようになった、という感覚です。
麦のうまみがありながら、重たくならない。
飲みごたえがありながら、すっきりと飲み終えられる。
毎日の食卓で飲み続けたくなる金麦の持ち味は、そのままです。
だからこそ、飲み比べながら思いました。
これは、まったく別のビールが誕生したのではありません。
金麦が、金麦のままビールになったのです。
金麦ファンのための、正統な後継者が生まれた
長年愛されてきた商品が大きく変わるとき、もっとも気になるのは、これまでのファンがどう感じるかということです。
ビールになったからといって、味わいがすっかり変わってしまったら。
これまで金麦を選び続けてきた人たちは、どこへ向かえばよいのでしょう。
しかし、今回の飲み比べで、その心配は小さくなりました。
ビールとなった金麦には、従来の金麦が大切にしてきた味わいの骨格が、確かに受け継がれていたからです。
もちろん、従来品ならではの軽さや硬質な輪郭を好んでいた方には、違いが感じられるでしょう。味の好みは人それぞれです。
それでも、新しい金麦には、これまでのファンを迎え入れるための受け皿が、しっかりと用意されているように感じました。
19年間の歴史を否定するのではなく、その積み重ねを未来につないでいく。
ビールとなった金麦は、発泡酒②だった金麦の正統な後継者なのだと思います。
新しい金麦と従来の金麦を並べて飲み終えたとき、私たちは、長く続いてきたひとつの物語に、ある種の決着がついた瞬間を見届けたような気持ちになりました。
それは終わりではなく、新しい始まりでもあります。
四季とともに変化する金麦の楽しみは、これからも
金麦には、もうひとつ大切にしてきた楽しみがあります。
それが、四季折々の季節に合わせて味わいを変化させてきたことです。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の、そして冬には冬の金麦。
季節ごとの食卓や気候、飲みたいと感じる味わいに寄り添いながら、金麦は変化を重ねてきました。
同じブランドでありながら、その時季ならではのおいしさを楽しめる。
それもまた、日々の暮らしに寄り添う金麦らしい取り組みでした。

ビールになった金麦でも、そんな四季を楽しむ考え方は引き継がれていきます。
ビールという新しい土台の上で、麦のうまみや飲みごたえ、後味の印象が季節ごとにどう表現されていくのでしょうか。
これからの金麦にも、楽しみが続きます。
金麦がビールになった。その意味を、飲み比べて実感した
今回、ビールの金麦と、発泡酒②の金麦を飲み比べて、あらためて感じたことがあります。
それは、ひとつの商品が長く愛され続けることの重みです。
19年間、さまざまな制約や市場環境の中で、造り手たちは金麦らしいおいしさを追求してきました。
そして今、ビールという新しい舞台で、その味わいを次の世代へとつなごうとしています。
私たち飲み手にとって、ビールは日々を豊かにしてくれる存在です。
いつもの食卓で、いつもの一杯を楽しめること。
その当たり前の幸せを支えるために、造り手たちはどれほどの工夫を重ねてきたのでしょうか。
新旧の金麦を飲み比べることで、そんなことにも思いが至りました。
金麦は、ビールになりました。
そして、金麦は、やっぱり金麦でした。
これまで金麦を楽しんできた方にも、しばらく飲んでいなかった方にも、ぜひ一度、新しい金麦を味わっていただきたいと思います。
もし従来の金麦が手元にあれば、飲み比べてみるのもおすすめです。
その一杯には、19年という時間と、造り手たちが積み重ねてきた仕事が感じられるかもしれません。
新しいデイリービール「金麦」。これからの毎日の食卓でも、たくさんの人に愛されていくことを願っています。
動画でも楽しくご紹介しています!
今回の新旧「金麦」の飲み比べは、動画でもご紹介しています。
文章では伝えきれない飲み比べの楽しさや、実際に味わったときの印象も、ぜひ動画でお楽しみください!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









