[ビアバー,ブルワー]2020.9.29

麦酒処ぬとり、2020年10月1日グランドオープン!

埼玉県川口市は、江戸時代に日光御成道の宿場町 川口宿と鳩ヶ谷宿が置かれた歴史ある街。古くから鋳物産業が盛んで、近代では工業都市として発展してきました。現在は多くの人が暮らすベッドタウンです。その川口市に麦酒処ぬとりが2020年10月1日にグランドオープンします。

居酒屋風ブルーパブ 麦酒処ぬとり

麦酒処ぬとりは、JR京浜東北線 川口駅西口から徒歩10分ほどの距離にあるブルワリー&ブルーパブ。川口市の西スポーツセンターのすぐそばです。お店の入り口は、黒色2階建ての建物の1階中央部。入り口右側には、テイクアウト用窓と赤色の収納式カウンターがあります。1階部分東側が醸造スペースとなっており、近い将来この場所でビールが醸造される予定です。

建物外観と1階中央部の麦酒処ぬとり入り口、プレオープン時に撮影

麦酒処ぬとりは、ビール担当の 山田泰一 さん、料理担当の 山田小葉 さんの夫妻で切り盛りするお店。山田泰一 さんは、そのキャラクターから「ビールおじさん」という愛称で呼ばれています。店名のぬとりは、栄養物や栄養学を指す英単語「nutrition」が由来。「ずっと健康的にビールに飲めるように」という思いを込め、ぬとりという言葉を店名にしました。

麦酒処ぬとりを切り盛りする山田夫妻、左が山田小葉 さん、右が山田泰一さん

店内は広々としており、白色の壁と木材を主としたカウンターなど明るい雰囲気です。スタンディング形式のカウンター、テーブル席(1テーブル2席×5)の構成。内装の多くをDIYで行ったので、手作り感が所々に見えます。ビールは壁面の8タップとタップスタンド3つの11タップから提供します。タップスタンドの1つはスイングカラン。スイングカランは昔ながらのビールサーバーに使用されていた設備であり、注ぎ方による味わいの変化をより楽します。

木材による柔らかい雰囲気のカウンター

広々とした店内、テーブルなどはDIYによる手作りです

提供するビールは、ぬとりのオリジナルビール数種、サッポロ生ビール黒ラベル、ゲストビールです。サイズはグラス(300ml)、ジョッキ(500ml)、大ジョッキ(1000ml)。オリジナルビールは他ブルワリーとのコラボビールですが、今後 醸造設備が稼働すればこの場所でつくったビールを提供予定です。サッポロ生ビール黒ラベルは、山田泰一 さんが特に好きな大手ビールであり、スイングカランを活用した注ぎ方による味わいの変化を楽しんでもらいたいという思いがあります。ビール以外では焼酎を使ったフルーツサワーを提供。ビールのテイクアウトも実施予定です。

注ぎ方による味わいの変化を楽しめる、サッポロ生ビール黒ラベル

左:GROW BREW HOUSEとのコラボ「ぬとりの赤」、右:アンドビールとのコラボ「Beet Meets Beer」

麦酒処ぬとりのフードは、栄養と健康を考えた高タンパク・低脂質・低糖質の居酒屋風料理です。素材はもちろん、油分や脂肪を過剰に取らない様に料理方法も工夫。プレオープン時には、お惣菜盛り合わせのおかみこばんざい、焼きナス、豚軟骨の塩煮込、ミニブリトー風ソーセージなどを提供しました。今後もメニューを充実させていく予定とのことです。

健康に配慮した料理 おかみこばんざい(3点盛)

ぬとり開業までの経緯と今後について

山田泰一 さんはビール醸造を学んだ後、「松戸ビール」「RIOT BEER」など多数のブルワリーで醸造技術支援として活躍。ビールの注ぎ方で味わいが変わることに深く興味を持ち、「Highbury-The Home of Beer-」など多数のビアバーでサービングのプロ達の指導を受けました。山田小葉 さんは、「日ノモトビアパーラー」「野菜とお酒のバル【スバル】」など様々なビアパブやビアバーで料理を学んできました。その後も、簡易式ビールサーバー作成のワークショップ、ビールのタップ設置請負などビールにかかわる活動を継続しています。

開業準備中の山田夫妻、左が山田小葉 さん、右が山田泰一さん

山田泰一さんにはブルワリー&ブルーパブを開業したいという思いがあり、2017年夏から物件探しを開始。東京都北部や埼玉県南部で探していましたが、条件に合う物件は見つかりませんでした。その後も物件探しを継続し、ついに埼玉県川口市で現在の物件に巡り合えました。しかし、内装など多くの改装が必要な状態でした。

改装前の物件の外観(上)と内装(下)の状態

2020年5月から内装の整備を開始。専門技術が必要な作業は業者に依頼しましたが、ペンキ塗りやテーブル作成などは有志の力を借りてDIYで実施。協力的な大家さんにより、建物外壁の整備を行われ、内外とも綺麗に生まれ変わりました。キッチンなど飲食店として必要な設備も設置。そして、2020年9月10日に飲食店としてのプレオープンを果たしました。

改装後の建物外観

ブルワリーである「ぬとりブルーイング」の開業準備も着々と進めています。2020年6月~7月にかけて、醸造スペースの床や壁の整備、糖化釜と煮沸釜の搬入などを実施。2020年8月にはプレハブ冷蔵庫を組み立て、200L発酵タンク4基の搬入作業を行いました。現在は配管の整備など、醸造所としての稼働に向けた作業を実施中。

発酵タンク搬入後の醸造スペース、右側はプレハブ冷蔵庫

埼玉県川口市はビールと深いつながりのある都市。かつてはサッポロビールの埼玉工場がありました。現在は3つのマイクロブルワリーが存在し、「ぬとりブルーイング」が川口市4軒目のマイクロブルワリーになる予定です。山田泰一さんは「周辺の飲食店やブルワリー、地域の人と協力し、川口市をビールで盛り上げていきたい」と語ります。その最初の一歩を踏み出した 麦酒処ぬとり、是非訪れてください。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


■麦酒処ぬとり
住所:埼玉県川口市川口6-9-5
営業時間:
水~金 16:00-21:30L.O.
土   15:00-20:30L.O.
日祝  14:00-19:30L.O.
定休日:月火

Facebook:https://www.facebook.com/nu10rin
Instagram:https://www.instagram.com/nu10rin

※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。
訪れる際は、事前にご確認をお願いします。

ぬとりブルーイング山田泰一氏麦酒処ぬとり

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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