ビールに愛された皆さまへ。

2025年6月4日、大阪・夢洲の【大阪・関西万博】を訪れました。今回の目的は、チェコ共和国パビリオンで開催されたチェコ・ビールデイ（Czech Beer Day）です。

チェコビール好きとしては、万博という世界的な舞台で開催される貴重な機会を見逃すわけにはいきませんでした。

専門家が語る、チェコのホップと麦芽の世界

この日、チェコ共和国パビリオンでは、チェコから来日されたホップと麦芽のエキスパートが登壇。ピルスナー文化の背景にある農業資源や製造哲学について、専門的かつ情熱的な講演が行われました。

チェコホップに関して講演する Zdeněk ROSA 氏

チェコといえばホップの名産地・ザーツ（Žatec）をはじめ、伝統的な麦芽の製法など、クラフトビールファンなら誰もが耳を傾けたくなる貴重な話ばかり。
一つひとつの素材がどのようにしてビールの味わいを形作っていくのか、その奥深さに改めて心を動かされました。

樽の開栓に立ち会えた喜び

セミナー後には、ピルスナーウルケルの《タップスター》たちも集まり、招かれたビール業界の方々との交流会が開催されました。

特筆すべきは、なんとこの場で「ピルスナーウルケルの樽の開栓」が披露されたこと。伝統的な樽が中央に据えられ、小槌で注ぎ口のコックを打ち込んで開けます。樽も良く冷やされていたので、冷たい黄金色のビールが勢いよくジョッキに注がれていきました。
その瞬間に立ち会えたことは、まさにビール好きとして冥利に尽きます。開けたてのウルケルは格別で、まるで生きた泡が我々ビール好きの喉を祝福するようでした。

フードエリアでの思わぬ出会いと、準備の大切さ

実は事前に「サントリー ワールドビールテイスティング」もチェックしていたのですが、残念ながらこちらは5月末で終了。悔しさを抱えつつ横断した会場内で、偶然出会ったのがフードトラックエリアの「キリン一番搾りプレミアム」でした。

「静けさの森」と呼ばれる木立のエリアで、ひと息つきながら味わう一杯は、ちょっとしたドラマのような美味しさでした。イベントが多い万博だからこそ、事前のリサーチとタイムスケジュールの把握は重要です。

ふと立ち寄ったモザンビーク館で“人”に魅せられる

予約なしで入れるパビリオンも数多くあります。そんな中、ふと立ち寄ったのが、アフリカのモザンビーク館。天然石好きとしては少し期待していたのですが、展示内容は主に海にまつわるSDGsなどが中心。それでも、モザンビークの伝統な柄をあしらったシャツを着たスタッフの笑顔や異文化との触れ合いは、旅のようなひとときでした。

木造建築の“リング”と、歩く楽しさ

会場のシンボルである「大屋根（リング）」は、木造建築の美しさとスケール感に心を奪われます。実際に歩いてみると、万博会場を見渡せる展望もまた楽しく、世界中のパビリオンが織りなす景色が心を躍らせてくれます。

チェコのパビリオン自体が、ひとつの芸術作品

ガラス細工と壁面アートが贅沢に施されたチェコのパビリオン。ボヘミアングラスを模した外観は、建築物であると同時に芸術作品でもあります。建設にもこだわり抜き、難しい建築技術を要しながらも、会場内でも早期にしゅん工したと評判のパビリオンです。このパビリオンそのものが「ビールの国・チェコ」の美意識を体現しているようでした。

ただし、この日はラグーンの噴水ショーがレジオネラ菌検出により中止に。安全確保が最優先とはいえ、美しい夜景とともに再開されることを願っています。※6月4日以降、当面中止とのこと。

世界のビールを求めて、次回はもう一歩先へ

今回は“チェコ集中コース”でしたが、会場内には他にも各国のビールを楽しめるパビリオンが点在しています。中には日本ではほとんど出会えないレア銘柄もあると聞いており、次回はさらに広く深く“世界のビール”を探訪してみたいと思っています。

最後に

「ビールを通して文化を知る」という旅は、今回の万博でも確かな実感となりました。
ピルスナーウルケルの開栓に立ち会い、チェコの素材に触れ、世界と出会う。
そんな一日を、ぜひ動画でもご覧ください。