一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

あの『アサヒ生ビール ハーフ&ハーフ』を自作してみる?楽しむブレンドビール文化【JBJAChannel】

ビールに愛された皆さまへ。

2026年6月9日、アサヒビールから数量限定で発売された『アサヒ生ビール ハーフ&ハーフ』

「アサヒ生ビール(マルエフ)」と「アサヒ生ビール 黒生」を1:1でブレンドした商品です。

アサヒビールによると、こちらの商品は「マルエフ」のまろやかでやわらかな口当たりと、「黒生」の芳ばしい香りを同時に楽しめる生ビールとして、「出張マルエフ横丁」などのイベントで人気だった飲み方を缶商品として初めて展開したものです。

実際に飲んでみると、その狙いはよく伝わってきます。

マルエフのやさしい飲み口がベースにありながら、黒生由来のロースト麦芽の香ばしさやコクがしっかりと存在感を示しています。

飲みやすいだけではありません。

黒生らしい魅力もきちんと感じられるのです。

そんな中、ひとつの疑問が浮かびました。

「マルエフと黒生を買ってきて、自分たちで1:1にブレンドしたら同じものができるのだろうか?」

実際に試してみることにしました。

自分たちでハーフ&ハーフを作ってみた

方法はとても簡単です。

  1. 同じ形のグラスを2つ用意し、グラス側面のラインを目安にマルエフを注ぎます。
  2. もう一方のグラスには同じ量の黒生を注ぎます。
  3. そして黒生をそっとマルエフのグラスへ注ぎ足します。
  4. これで1:1のハーフ&ハーフの完成。

メーカーが商品として発売している以上、「かなり近いものになるだろう」と予想していました。

しかし実際に飲み比べてみると、その再現度は想像以上でした。

正規品と手作り版を飲み比べてみた

結論から言うと、同じ…というか、非常によく似ています。

『アサヒ生ビール ハーフ&ハーフ』と飲み比べても、味わいの方向性はほぼ同じです。

商品の方の完成度の高さを改めて実感する結果となりつつも、自作も負けてないと思わずにはいられません。

もちろん、同じ会社の商品なのですし、その表示の通りに1:1にしたのですから、ベースは同じ。

感じられる違いというのは、ごくごく僅差なものなのです。

しかしながら、手作り版は缶からグラスへ注ぎ、さらにブレンドする工程を経ているためか、炭酸が少し落ち着いているように感じました。

そのため、黒生由来のロースト麦芽の香ばしさやコクが、わずかに前へ出ている印象です。

2つの同じビールを、色を観て、味わって、その僅差を探す時間こそが楽しいとも感じました。

そして、飲み比べながら思ったのです。

「なるほど、これはワンサードとは違う」

今年2月に発売された『アサヒ生ビール ワンサード』(名前がかっこいい)も、マルエフと黒生をブレンドした商品でした。

しかしワンサードがマルエフのやわらかさを中心とし、「黒生」のほのかな芳ばしさを楽しむ印象だったのに対し、今回のハーフ&ハーフは黒生の個性がしっかりと感じられます。

ロースト感のある香りとコク。それでいて重たすぎない飲み口。

1:1という比率だからこそ生まれる魅力なのかもしれません。

ビールをブレンドする文化は昔からあった

ところで、ビールをビールでブレンドするという発想は決して新しいものではありません。

17世紀から18世紀のイングランドでは、複数のビールを混ぜていた記録が残っています。

その代表例として知られているのが「Three Threads(スリースレッズ)」です。

複数の種類のビールを組み合わせて提供する飲み方で、当時のロンドンでは広く知られていました。

記録によれば、税率の異なるビールを組み合わせて販売することもあったようです。味わいの追求だけではなく、酒場経営や税制とも関わっていたことがうかがえます。

さらに、このようなブレンド文化とポーターというビールの誕生との関係を指摘する説もあります。

※ポーター(Porter)…18世紀のロンドンで広く飲まれた濃色ビール。荷運び人(Porter)たちに人気だったことからこの名前で呼ばれるようになったとされる。後にスタウトへ発展していったビールとして知られている。

当時の酒場では注文ごとに複数のビールを混ぜていましたが、

「最初から理想的な味わいに仕上げたビールを造れば効率的ではないか」

という発想が生まれ、それがポーターにつながったという考え方です。

もちろん現在では異論もあり、ポーター誕生にはさまざまな説があります。

しかし、17世紀から18世紀のイングランドでビールのブレンド文化が存在していたことは、多くの資料からうかがうことができます。

ハーフ&ハーフの缶を開けながら、そんなビール史の一場面に思いを馳せるのもまた楽しいものです。

ビールの楽しみ方は無限大

今回の実験を通して感じたのは、ビールは飲むだけではなく、組み合わせて楽しむこともできるということでした。

メーカーが提案する完成された味わいを楽しむ。

そして時には、自分自身がブレンダーになってみる。

それもまたビールの楽しみ方です。

『アサヒ生ビール ハーフ&ハーフ』は、マルエフと黒生という人気ブランドのおいしさを気軽に楽しめるだけでなく、ブレンドという奥深い世界への入口にもなってくれます。

自分たちでマルエフと黒生を混ぜながら、ふと18世紀ロンドンの酒場に思いを馳せました。

現代の私たちも、当時の人々も、「もっとおいしく飲みたい」という気持ちはきっと同じだったのでしょう。

次は黒生を少し多めにしてみようか。

あるいはマルエフを主体にしてみようか。

そんな新しい実験をしたくなるのも、このビールの魅力なのかもしれません。

ビールの楽しみ方は、やはり無限大です。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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