ホップはどう育つ? 京都・与謝野町「カラカラ圃場」で見た、ホップ農家・藤原さんの仕事【JBJAChannel】
ビールに愛された皆さまへ。
7月初め、まだ梅雨の明けきらない京都府与謝野町を訪れました。目的地は、日本ビアジャーナリスト協会の藤原ヒロユキ代表が手がけるホップ圃場です。
藤原さんは現在、与謝野町へ移住し、イラストレーター、ビアジャーナリストとして活動する一方、ホップ農家としても畑に立っています。ビールを伝えるだけではなく、その原料を自ら育てる生活です。
圃場があるのは、京都府与謝郡与謝野町。のどかな、住宅と田畑の並ぶ地区になります。藤原さんの畑は「カラカラ圃場」という、なんとも印象的な名前で呼ばれていました。
なぜカラカラなのか、その由来は藤原さんにも分からないそうです。昔から受け継がれてきた小字や圃場名には、現在では意味が分からなくなってしまったものも少なくありません。由来が分からないことも含めて、土地の記憶を残す由緒正しい名前なのでしょう。
競技用プールよりも長いホップ圃場
カラカラ圃場の奥行きは約75メートル、幅は約25メートル。50メートルのオリンピック競技用プールよりも1.5倍長いと考えると、その広さをイメージしやすいかもしれません。
ホップ圃場には4本の畝があり、カスケード、チヌーク、コロンバス、IBUKIの4品種が育てられています。それぞれ香りや苦味の特徴が異なり、ビールの個性を生み出す重要な品種です。

一度収穫しても、再び伸びていく
藤原さんの圃場では、ホップを手摘みで収穫します。そのため、最初の収穫を終えた後もツルは切り倒されず、青々とした葉を残したまま成長を続けていました。
よく見ると、ツルには二番目の小さな毛花が咲き始めています。この毛花が成長し、約1か月後には二度目の収穫を迎えるとのことです。
与謝野のホップは一度摘んだら終わりではありません。気候や株の状態を見ながら手入れを続けることで、次の毬花が育っていきます。圃場の中では、収穫と成長が同時に進んでいました。

次の収穫のために成長している最中の小さな毛花
6~7メートル伸びるツルと「ツル下げ」
ホップのツルは、成長すると6~7メートルほどの高さに達します。カラカラ圃場では、地上約5.5メートルの位置にワイヤーが張られ、ホップはそこへ向かって伸びていきます。
なかでもIBUKIやチヌークなど、草勢が強く背の高い品種には、「ツル下げ」という手入れが必要です。
成長したツルをそのままにしておくと、ワイヤーの上部でツルや葉が固まり、絡み合ってしまいます。そこでツル全体を下方向へ引き下げ、現在伸びている先端部分が、再び上へ向かってまっすぐ成長できるように整えます。
これは単に高さを調整する作業ではありません。葉やツルが過度に密集するのを防ぎ、光や風が入りやすい状態を保つことで、株全体の健全な成長を助けます。高い位置に付く毬花まで水分や養分が行き渡りやすくなり、品質の安定にもつながる大切な作業です。
こちらもご参照ください ツル下げして収量をあげましょう。 – 日本産ホップ推進委員会
摘みたてのホップ、その先へ
美しく育ったホップの毬花を実際に摘み、指で開いてみます。内側に見える黄色い粒が、香りと苦味のもととなるルプリンです。

指先で軽く触れるだけで、鮮烈な香りが立ち上がります。品種によって柑橘を思わせるもの、草や樹脂のような力強さを感じるものなど、香りの表情はさまざまです。
畑で育つホップを見て、触れて、香りを確かめたところで、いよいよ次は収穫体験です。
高いワイヤーから伸びるツルと、そこに連なる毬花を、どのようにして人の手で収穫するのでしょうか。次回は、与謝野ホップの収穫の様子をお伝えします。
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