[コラム,ビアバー]2016.4.28

【子連れハワイビア旅 1軒目】圧巻のスケール! これぞアメリカを実感する「Yard House(ヤードハウス)」

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日本人はハワイが大好きだ。
盆暮れ正月、GW、新婚旅行、社員旅行、慰安旅行、etc.

老いも若きも、芸能人も、海外旅行先といえばハワイ、ワイハ。鉄板だ。
学生時分、海外と言えば東南アジアだった自分は、「…けっ、どいつもこいつもハワイハワイって」「ハワイ=リゾートなんて発想が時代遅れ」と、当時は行ったこともないクセに、勝手にひねくれていた。なぜか一方的にハワイを敵視していた。今でもよくわからないが、何かをこじらせていた。

しかし数年前、あるスポーツクラブに同行して、ホノルルで毎年開催されているサイクリングイベントの取材に行くことになった。時差ボケに加えてコンディショニングライドやアクティビティの取材で毎朝4時起き、さらにホテルは「参加者と親しくなった方が取材しやすいはず」という上からの“配慮”で、気を遣う初対面の取引先社員と同室。気持ちだけなら1日3㎏は痩せていたと思う(痩せなかった)。

しかし、この取材で当時の狭い視野と屈折した考えが見事に矯正された。
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ショッピングに便利な都市部、カラッとした空とコバルトブルーの海に囲まれたダイナミックな自然、ローカルの生活が垣間見える田舎町、太平洋戦争の歴史が刻まれたパールハーバー、ハワイ固有の伝統文化と料理、島全体に漂うのんびりとした空気。何より目に飛び込んでくるのは、空や海、木々や草花の放つパワフルな色彩。この香川県より小さな島には、日本人が観光リゾートに求めるたいていのものがコンパクトに詰まっていた。
そして最終日、唯一の自由時間に訪れた「アロハタワー」にある「Gordon Biersch(ゴードン・ビアーシュ)」でホノルル港を眺めながらビールを飲み、誓ったのだ。
「いつか絶対プライベートで来る。そして次こそたらふくビールを飲んでやる」

それから7年、ついに「次」が来た。
念願叶ったハワイビアトリップ  With 子(5歳男)

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ハワイにはさまざまな楽しみ方があるが、家族で行くビアファンにとって少しでも参考になればと思い、数回に分けて子連れ目線でお送りしたいと思う 【子連れでハワイ・オアフ島ビア旅】
(といっても所詮2回目の初心者なので、ド定番すぎぃ!とか、それ今さら言う?というハワイ玄人にはたいして参考にならないと思うのでご容赦を)。

 

わかりやすいワイキキ中心部のショッピングエリア

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時差ボケを引きずりながら初日の夕食(※注1)に向かったのが、Yard House WAIKIKI(ヤードハウス ワイキキ)」。アメリカ本土に多数店舗がある大型ビアレストランだ。ワイキキ中心部のショッピングエリアにあり、レストランやブランドショップが軒を連ねる複合施設「ワイキキ・ビーチ・ウォーク」の1階にある。

ハワイ初心者でもわかりやすい場所だ

 

(※注1)
日本からホノルルに向かう便は全て夕方~夜出発で、現地朝(日本では深夜)到着のため、機内で寝ておかないと午後から体がしんどくなる。そこで6時間のフライトでなぜか2回もある機内食をパスして睡眠確保に走ったが、子供は初めての飛行機でゲームに夢中になってなかなか寝付かず、自分はほぼ徹夜となった(中途半端に休まないように、チェックインまで「ホノルル動物園」「カピオラニ・パーク」で時間を潰したが、炎天下の屋外は苦行だった)。

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ワイキキ東部のホテルからトロリーバスを使って18時前に到着。既に数組が待っているようだった。

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しかし呼び出しベルが渡されるので、並ばなくても良いのだ。

★子連れポイント!

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店の前はちょっとした芝生エリア。ヤシの木を囲んで子供が走り回って遊んでいる。

15分ほどして呼び出されて入店。ゆったりとした奥のソファ席へ。

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店内は意外と広くて席数なんと350席。賑やかなスポーツバーといった様子で、客層はほとんど欧米人グループ。家族連れも多く、カジュアルな雰囲気なので初めてでも入りやすい。
そして何より目を引くのが、中央のカウンター。

 

とにかく迷いに迷う 膨大なビアリスト

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お分かりいただけただろうか。

その数、100以上。
数で評価するものではないと思いつつも、このタップ数には胸の高鳴りが抑えられない。

ということで、
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ビアリストもこの状態!(どーん)。
見たところ日本人客はいなかったが、日本語メニューはありがたい。
この量ならなおさらありがたみを感じる。
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ライト~ダークなもの、フルーツビール、ヴァイツェン、ホップが香るものまで、わかりやすくタイプ別に分けられている。銘柄はハワイ州のローカルビールから、アメリカ本土は西海岸系を中心に大手まで。日本のキリン、サッポロも。とにかく圧巻のメニュー数。

しかし普段から英語慣れした人ならともかく、高卒レベルで語学が止まった人間が、いきなりこの圧倒的な選択肢を前にして冷静でいられるわけがない。ついでに言うと、日本語メニューはあるが日本語が通じるわけではない。当たり前だがめちゃくちゃ早い英語だ(英語が使える夫が買い物中のため、母子だけで入店した)。
 
そして店員はチップを頑張ろうと、かなり頻繁にやってくる。
グラマーなお姉さんが3回目にオーダーを聞きに来たところで、「もうちょっとゆっくり選ばせてよ」と心の中で思いながら、観念して便利な言葉を使う。

 What do you recommend?(おすすめは?)
  I want to drink the local beer(地元のビールをください)

ハワイ1杯目は中1レベルの英語で済ませた(この後、何度もお世話になった)。

★子連れポイント!
子供がいるとクレヨンのお絵かきセットがもらえる。
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母がワタワタしている間、子供はクレヨンで塗り絵に夢中。
後で知ることだが、子供がいるとレストランではクレヨンと塗り絵をくれるようだ。大人はゆっくり飲食を楽しみたくても、食べたらすぐにでも遊びたいのが子供。1分でもじっとしていられないのが子供。持参した塗り絵もいずれ飽きるので、そもそも目新しいものがありがたかった。

※ちなみにトイレも広くて比較的綺麗だが、子供を行かせる際は必ず大人も付き添うこと(12歳以下の子供を保護者なしで放置するのは州法違反となるが、ハワイに限らず、海外では短時間でも子供を一人にしないのが鉄則)

 

そして料理、お前もか!

 

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Maui Brewing Big Swell(IPA)/1pt, 7.5$

1杯目、マウイブルーイング(マウイ島)のビッグスウェルIPA
アメリカンIPAらしい柑橘系のホップフレーバーとスムーズな苦味。IBU69にもかかわらず、すいすい飲めてしまう。西海岸系に多いホップガンガン系でもなく、とても優しいバランスのIPA。大当たりの1杯目に頬が緩む。

店名の由来でもある50㎝近い高さの「ハーフヤードグラス(1.4L)」もあるが、経験上、あの形は絶対に飲みづらいのと、疲れの残る初日に挑むと1杯で終了しそうだったので、そこは迷わなかった。

そしてビールのみならず、フードメニューもこの通り。P1030363_1 P1030360_!

迷えるのは幸せか。
こちらもフードメニューも100種類以上だとか……。
バーガー、ピザ、タコス、シーフード、ステーキなどグリル料理と、アメリカらしいメニューを中心に、中華や和風、創作系まである全方位型メニューだ。バーガーだけで10種類近くあるところはさすがアメリカ、力の入れ具合が違う。いったい何が違うんだ。味付けなのか、トッピングなのか。
――いや、パテだ! ラム、ターキー、ロブスター。そうか、そうくるのか。

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ホット&スパイシー枝豆/4.95$  美味しいがガーリックの量は明日人に会ってはいけないレベルだ

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キハダマグロのマリネサラダ/12.25$

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ダイスサラダ/9.65$

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セントルイススタイルBBQ リブステーキ/ハーフサイズ 21.45$

なんだかんだでバーガーは頼まず、いかにも外しそうにない保守的なチョイスをしてしまったが、予想通り外さない美味しさだった。特にポークリブ。失礼ながら肉料理はパサパサで雑な味付けを想像していたが、程よく柔らかくてジューシー。このBBQソースだけでビールが飲める! それなりにボリュームがあるので、グループでシェアすればさまざまな料理を楽しめるだろう。

★子連れポイント!
キッズメニューも充実。大人向けにはスパイシーで濃い味付けが多いが、子供用はメインが照り焼きチキン、フライドチキン、ミートボールスパゲティ、サンドウィッチなど、10種類から選べる。今回は「照り焼きチキンプレート」を選んだが、ブロッコリーやコーン、ニンジン、マッシュポテトなど、付け合わせ野菜もしっかりあったのが好印象。

日本で一番有名なハワイのビール、Kona Brewing(コナブルーイング/ハワイ島)は、日本であまり見かけない銘柄も並ぶ。初めて見た「Hawai’i Nui Brewery(ハワイヌイ ブルワリー/ハワイ島)」のブラウンエール「HAPA brown(ハパブラウン)」や、個人的に馴染みの薄かったマウイブルーイングの「Bikini Blonde Lager(ビキニ・ブロンド・ラガー)」など、せっかくなのでハワイのローカルをリピートした。

中でも一番、印象に残ったのが、

Maui Brewing Coconut Porter(Porter)/0.5p,t 4.85$

Maui Brewing Coconut Porter(Porter)/0.5pt, 4.85$

マウイブルーイングのココナッツポーター。
豊かなローストフレーバーに、しっかりしたココナッツの存在感。意外と甘さはなく飲み口はすっきりドライ。木の実の香ばしい風味が広がる。

 

ビールは1パイント6~8$、税金やチップ込みで考えると日本より少しリーズナブルか、レート次第では同価格ぐらいだが、このビッグスケールとザ・アメリカ~ンな雰囲気が味わえて、子供連れでも気兼ねなく過ごせるのがヤードハウス。まだ「日本」が抜け切れない旅のスタートにはうってつけだ。

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ビールや料理が値引きになる「ハッピーアワー」が人気だが、行列覚悟なので小さな子供がいると厳しい

 ※アルコールを注文する際は、個々に身分証(パスポート)の提示が必要なのでお忘れなく!
明らかに見た目が21歳以上だとか、夫婦なら同席の配偶者の身分証で見逃してもらえる場合もあるが(この日)、店やスタッフによっては厳密にIDチェックがあるので要注意。

 

店舗情報

「Yard House WAIKIKI(ヤードハウス ワイキキ)」

住所:226 Lewers St Honolulu, HI 96815(ワイキキ・ビーチ・ウォーク 1階)
電話:(+1)808-923-9273
営業時間:
月~木/11:00~25:00(L.O.24:00)  金・土/11:00~25:20(L.O.25:00)
※L.O.は料理のみ(ドリンクは閉店まで可)
※日本語メニューあり。子供OK
【ハッピーアワー】
月~金/14:00~17:30 日~水/22:30~Close
公式HP:Yard House WAIKIKI
※2016年2月時点の情報。

オアフ島コナブルーイングハワイハワイヌイマウイブルーイングワイキキ

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

山口 紗佳

ビアジャーナリスト/ライター

1982年愛知県知多半島出身、大分県大分市在住。中央大学法学部卒業。
名古屋で結婚情報誌制作に携わった後、東京の編集プロダクションで企業広報、教育文化、グルメ、健康美容、アニメなど多媒体の編集制作を経て静岡で10年間フリーライターとして活動。現在は大分拠点に九州のビール事情をお伝えします。

【制作実績】
フリーペーパー『静岡クラフトビアマップ県Ver.』、書籍『世界が憧れる日本酒78』(CCCメディアハウス)、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)、グルメ情報サイト『メシ通』(リクルート)、ブルワリーのウェブサイトやPR制作等

【メディア出演】
静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」
静岡FMラジオ局k-mix「おひるま協同組合」
UTYテレビ山梨「UTYスペシャル ビールは山梨から始まった!?」
静岡新聞「県内地ビール 地図で配信」「こちら女性編集室(こち女)」等

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