[コラム,ブルワー]2017.4.8

YOKOSUKA PRIDEを世界に発信していく!【横須賀ビール編】

ブルワリーレポート横須賀ビール

今、神奈川県のビール熱が高まっています。昨年は4つのブルワリーが誕生しています(横浜ベイブルーイングは移転のため除く)。今年に入ってからも既に2つのブルワリーが誕生しています。今回はそのなかの1つ、神奈川県横須賀市に誕生した「横須賀ビール」さんへお話を伺ってきました。

コンセプトは「食×農(漁)×ビール=街つくり」!

県内でもブルワリーが増えてきているなか、「横須賀ビール」のコンセプトは何か?

代表取締役を務める下澤敏也氏によると「『食×農(漁)×ビール=街つくり』がコンセプトです。地元生産者の夢と誇りを食として、お客様に提供しています。生姜を使ったビール(YOKOSUKA FOREST GINGER)は地元で採れたものを使用していますし、水も地元の湧水で造っていきます」とのこと。

京浜急行横須賀中央駅から徒歩2分。レンガの建物が目立つ

農がビールの原材料や食となるはわかるが、それがどのようにして街つくりになっていくのか。

「私たちの取り組みを知った農家さんから『今度、○○を使ったビールを造ってよ』とリクエストしてもらうことや規格外の食材を関連の工場で加工し、ビアパブで提供することで、人のつながりが生まれています。私たちを通じて、生産者さんたちのコミュニティが広がって、意見交換をしたり、食事に来たお客さんとコミュニケーションをとったりすることで、商品開発につながればいいなと思います。それで街が活性していき、横須賀の街が元気になっていくことが街つくりと考えています。最終的に人々の自信となって『YOKOSUKA PRIDE』になってくれるのが理想です」

代表取締役社長を務める下澤敏也氏。「横須賀ビール」を通じて、横須賀の街を元気にしたいと考えている

地元を知らないから生まれた「YOKOSUKA PRIDE」!

下澤氏から出てきた「YOKOSUKA PRIDE」という言葉。Facebookページでも良く見かけます。

「横須賀市の人口は40万人台ですが、近年は市外へ出ていってしまう人が多くなっています(横須賀市HPによると平成5年頃より減少傾向にある)。流出率も日本で上位になっています」と横須賀の現状について語る。

出ていってしまうということは自分たちの街が好きではないということなのかと聞いてみると「横須賀を好きではない、誇りを持てていないというより『自分たちの街のことを知らない』という表現の方が合っていると思います。私は飲食業をやってきたのですが、これまでを振り返ってみると三方を海に囲まれて、もう一方は山に畑が広がっている素晴らしい環境なのにそこで採れる食材のことを全然知らなかったんです」と自分の経験を踏まえて話してくれました。

「知らないということが1番怖くて、知ることで自信になるのではないかと。横須賀は東西10kmくらいの土地で、直接つながりがない人でも知人が知っていたとコミュニティが作りやすい環境があります。そんなコミュニティを作りやすい環境を横須賀ビールからたくさん作っていきたいという思いがあります」とつながりを強くしていくことで、自分たちの土地の良さを再認識してほしいという思いが「YOKOSUKA PRIDE」には籠められています。

地元の食材を使った料理も充実している【写真提供:横須賀ビール】

「横須賀を好きになれば、必ず人を呼びたくなってきますから観光面も成長していきます。これは去年、ポートランドに行って、凄く感じたことです。なので、ビール造りはポートランド的にやってみようと思いました」と話します。

「横須賀ビール」の象徴ともいえる「YOKOSUKA PRIDE」のロゴ。2Fレストランに描かれている

地元の食材や水を活かしたビール展開!

ビールは4種類を定番としています。地元の食材を使用し、ネーミングもDOBUITA HAPPY(ペールエール)やYOKOSUKA FOREST GINGER(生姜を使用したビール)と地元にちなんだものになっています。

定番ビールは4種類【写真提供:横須賀ビール】

しかし、予想外の展開が起こる。

「皆さんにビールを堪能していただいて、当初の予定よりも早くなくなっちゃったんですね…。来ていただいたお客さんには迷惑をかけてしまっています。お客さんですか? 地元の方が多いですね。私の考えとして『地元のコミュニティを作る』でしたので、そこはよかったです」といかに地元からの注目が高かったことが感じられます。

お店では定番ビール以外にゲストタップとして、神奈川のブルワリーのビールも飲める!

取材時は残念ながらSUZAN DARK(ロースト麦芽を使用したBLACK IPA)1種類となっていました。(3月31日発売再開。詳しくは横須賀ビールFacebookページをご確認ください)。

お店に入るとすぐに醸造所の様子を見ることができる。タイミングが合えば、仕込みを見ることができる!

「原料には地元のものにこだわっていきたいですね。横須賀には良いものがいっぱいあるんです。ここのビールの1番の特徴は地産地消です。味はもちろんですけど、地元の食材を大事にするというところにこだわりたいです」とビールのこだわりについて聞くと醸造長の鈴木啓弘氏は教えてくれました。

醸造長の鈴木啓弘氏。今後、どんなビールを造るのか期待が膨らむ!

「今後ですか? 地元農家からのリクエストもあり、色々な食材を使ったビールを展開していきたいと思います」と下澤氏は今後について語ります。

また、使ったモルト粕は肥料として農家へ配って野菜を作り、その野菜を使ったメニューを展開する循環型を目指していくとのことです。サステナビリティの意識も高いのが横須賀ビールの特徴です。

子供が「大人っていいな」と感じられるところを目指して!

「将来的にはもう少し大きな場所で、『食×農(漁)×ビール』を体験できる複合施設を展開する構想をもっています」と話を聞いていくと下澤氏はこう話してくれました。その意図を訊ねました。

「最近はコミュニケーションが希薄になっている環境になっていると思います。ビールを飲むと笑顔になるじゃないですか。楽しい気持ちで周りの方と触れ合って過ごしている大人を子供たちが見て、『大人って楽しそうだな』と感じてもらえると思うんです。なので、ここはその第一段階として、子供も一緒に来られるビアパブを目指しています」と子供たちが横須賀の地で楽しみながら生活をしている大人の姿をみて、成長してほしいと下澤氏は願っています。

2Fレストランは白い壁とウッドテーブルが基調とした空間になっている。個室もあるので、小さな子供と一緒でも周りを気にせず、食事が楽しめる

コミュニティの質を高めていくことで、地元への愛着がより強くなり、それが自信になっていくのだと下澤氏の話を聞いていて感じました。「YOKOSUKA PRIDE」が大きくなっていけば、横須賀を世界に発信していけると信じています。

横須賀の可能性を信じて、「横須賀ビール」は走り始めました。

◆横須賀ビール Data

住所:〒238-0008 神奈川県横須賀市大滝町1-23

電話:046-874-8588

Facebook:https://www.facebook.com/yokosukabeer/

営業時間:10:00~22:00

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは1500種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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