[ビアバー,ブルワー]2019.11.1

ビア女の酒場放浪記(53)熊本で引き継がれる本場の味「熊本クラフトビール」「オアゾー」

OISEAUオアゾーダークラガー熊本熊本クラフトビール

熊本県と言えば、阿蘇の大自然に馬肉、からし蓮根、それから加藤清正が築城した熊本城!
そしてもうひとつ名物に加えたいものを発見しました。
熊本市内にある醸造所「熊本クラフトビール」のビールたちです!

直営店でおしゃれに味わう熊本のクラフトビール

そのビールが飲めるのは、熊本市内にあるビアバー「OISEAU(オアゾー)」。
熊本クラフトビールの直営店です。

熊本市の繁華街は、シャワー通りから電鉄藤崎宮前駅までの南北1.5kmに長く連なります。
同店はシャワー通りから一歩脇道に入った場所にありました。


明るく洗練された店構えで、女性一人でも気軽に入りやすい雰囲気。
お洒落に敏感な若い女性から舌の肥えた中年男性まで、幅広い層のビアファンが、オアゾーのお客さんです。

扱うビールは醸造所から直送された新鮮な熊本クラフトビールのみ。


定番4種は左から「ピルスナー」、「ダークラガー」、「ペールエール」、「ヴァイツェン」。
主張しすぎない上品な味わいと、やわらかい口当たりでスルスルと飲めてしまいます。
定番の他に、「ミューニックラガー」などのシーズナルビールがいただけます。
どのグラスも400mlで700円(税込み)の均一価格なのも嬉しいところ。

特にお勧めしたいのが「ダークラガー」。
焙煎麦芽の香ばしさとホップの上品な苦さのバランスが素晴らしく、あっという間にグラスが空になってしまいました。
普段は濃色ビールをチョイスしない私でも、これはハマりました。


横に長いカウンターの中でテキパキと動くマスターの鳥井建伺(けんじ)さん。
「ひとりでやっているので、フードは大したものをお出しできないんですよ」
と言いつつも、オイルサーディンのバジルパン粉焼やカモのスモーク、エノキとエリンギのバターソテーなど、季節のおいしいものを出してくれました。


人気メニューはベルリン名物をアレンジした「カリーヴルスト」。
ソーセージのスモーキーな肉汁に、ケチャップの酸味とカレーパウダーのスパイス感が良いアクセント。

合わせるなら、小麦の風味豊かな「ヴァイツェン」。
トロピカルフルーツのような香りと、スモーキーな肉汁のハーモニーが心地よく駆け抜けます。

実はマスターの鳥井建伺さんは、熊本クラフトビール代表である鳥井誠人(まこと)さんの弟さん。
設計士であった兄弟の父が立ち上げた醸造所を兄の誠人さんが継ぎ、弟の建伺さんがビアバーを経営する、クラフトビールファミリーなのです。

「OISEAU(オアゾー)」とはフランス語で「鳥」のこと。
鳥井ファミリーの鳥でした。


ちなみに、ダークラガーは熊本市内でも人気が高いそうで、2軒目に行った深夜営業のケーキ店にも常設されています。
キルシュトルテ(リキュール漬けのチェリーとチョコレートのケーキ)は、香ばしいダークラガーとの相性抜群!
口の中でオーケストラが歓喜の大演奏をするほどですよ。

【information】
OISEAU(オワゾー)
熊本県熊本市中央区下通り2-1-20
電/096-353-2110
営/18:00~25:00 (料理L.O. 24:00 ドリンクL.O. 24:00)
休/火
https://www.facebook.com/craftbeeroiseau/

継承される本場チェコの味

おいしいビールの秘密を探りに、兄・鳥井誠人さんが代表を務める「熊本クラフトビール」の醸造所に向かいました。

熊本クラフトビールの創業は1997年。いわゆる“地ビール解禁”から3年後です。
醸造所は現代表の鳥井兄弟の父である憲和(のりかず)さんが立ち上げました。


創業時は熊本駅東口に醸造所とレストランを構えていましたが、九州新幹線開通の区画整理のため熊本インターに近い現在の場所に醸造所のみ転居したそうで。

2016年4月に発生した熊本大地震では、醸造所も冷却水漏れや停電、断水などの被害を受けたが奇跡的にビールは無事でした。

創業時から副原料は一切使用せず、ビールの本場ヨーロッパの味わいを追及しています。
ホップはチェコのザーツ産、モルトはドイツ産と英国産を主に使用。

仕込み水は熊本・阿蘇山の伏流水や湧き水を源とする豊富な“水道水”。
そう、熊本の水にもおいしさも秘密がありました。
熊本市は、水道水がほぼ100%地下水。
「蛇口をひねればミネラルウォーター」が水道局のキャッチフレーズとなっています。

「阿蘇山などの大自然がもたらす恵みのおかげで、熊本の水は本当においしい。ミネラルのバランスは濃色ビールに適しているのだと思います」と誠人さん。


ビール造りに当たっては、醸造所の創業時にチェコの「U Fleků(ウ・フレクー)」から醸造家を招き指導を仰いでいます。
「ウ・フレクー」といえば、1499年創業の老舗ブルワリーレストラン。
ダークラガー造りの名手として知られています。
そのDNAを受け継ぐダークラガーを日本で飲めるとは、感激もひとしおです。


今年の春に20年振りにパッケージがリニューアルしました!
デザインベースは”阿蘇山”の等高線。
熊本らしくインパクトのある、山切りカットの新ラベルです。

樽生は熊本市内の飲食店やビアバーで飲めますし、ボトルは熊本駅や空港、道の駅などで購入可。
熊本観光にいらっしゃったときは、熊本の新名物「熊本クラフトビール」もお忘れなく!

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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。

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