[ビアバー]2017.2.21

ビア女の酒場放浪記(36)ザルツブルクでクラフトビールを

オーストリアザルツブルクシュティーグル醸造所ビア女の酒場放浪記ボトルショップ

世界的に広がりを見せるクラフトビール。
伝統的手法を大切にする“ビール大国”ドイツにあっても、クラフトビールが造られ飲まれるようになっている。
そのお隣の国オーストリアではどうだろうか?

その疑問に何かしらの答えを得るために南ドイツのミュンヘンから列車で90分の、ザルツブルクの酒場を放浪した。

ザルツブルクはオーストリア中北部の都。
旧市街と歴史的建造物の数々は1996年にユネスコ世界遺産に登録されている。
ザルツとは“塩”、ブルクは“砦”を意味するように塩の交易で栄えた。
街の南の高台にはホーエンザルツブルク城。
要塞として1077年に建てられ徐々に拡張されていった。
切り立った断崖が敵を寄せ付けず、外敵に占領されたことがないため、中世の姿を完璧に姿をとどめる稀有な城塞である。
オーストリア首都ウィーンよりもドイツのバイエルン州との関係が深い。

大手ながらクラフトビールも手掛ける「Stieglbrauerei(シュティーグル醸造所)」

城まではケーブルカーで登ることができる。
その城の麓、岩山を使用したレストラン・ビアガーデンが「Stieglkeller(シュティーグルケラー)」だ。
ケラーの開業は1820年。ケーブルカーの駅からすぐの場所にある。

Stieglbrauerei(シュティーグル醸造所)の直営店である。
この醸造所の創業は大変古く1492年。コロンブスが新大陸を発見した年である。
シュティーグル醸造所は独立した醸造所としてはオーストリア最大だ。
工場はザルツブルクの空港近に近いMaxglanマックスグランにある。
隣接する醸造所にはヨーロッパ最大規模のビール博物館「Stiegl Brauwelt」があるのでもし時間に余裕がある方は行かれると良いだろう。

定番ビールは、ピルスナー、ヘレス、ヴァイツェン。
そして、限定でクラフトビールが造られるようになった。


左・Weizen(ヴァイツェン) 右・Columbus1492(ペールエール)


Max Glaner’s IPA(アメリカンIPA)

他にも期間限定でSmoked Baltic Porter(ポーター)、Zuckergoscherl(レッドエール)、などのクラフトビールが飲める。


ビアガーデンからはザルツブルク大聖堂の屋根が見える。
市内の眺望は大変うつくしい。是非夏に訪れて欲しい。

Stieglkeller
住所: Festungsgasse 10, A-5020 Salzburg
営業時間: 11:00~23:00
http://www.restaurant-stieglkeller.at/

この後に、Augustiner Bräu(創業1621年ミュルン修道院内)
Sternbräu(1542年開業)もに放浪したのだがクラフトビールではないので、また後日。

国内外のクラフトビールは250種類以上「Bottel Shop」

ザルツブルクでクラフトビールが楽しめるお店はさほど多くない。
ビールを購入し、その場でテイスティングできるビアショップが「Bottel Shop」だ。

ミラベル庭園の向かいにある建物の地下にある。
階段を降りるとヒヤリとした空気が頬を撫でた。

オーストリアのみならず、ドイツ、ベルギー、英国、イタリア、アメリカなど様々な国のクラフトビールとサイダーを250種類以上を扱っているとのこと。
すぐに飲むもの以外は冷蔵庫に入れられていないが、地下保管庫を利用した店なので、冷蔵庫を使用しなくとも年中温度が安定しているとのことだ。


日本のビールは「常陸野ネストビール」を発見!
外国で日本のビールを見つけると、自分が造っていないにもかかわらず大変光栄に感じてしまう。


奥のテイスティングルームでは、買ったビールを飲むことができる。
時折ゲストを招いてビールセミナーを開催されている。

ザルツブルクのクラフトビールを牽引しているショップだ。

Bottle Shop
住所: Mirabellplatz 7 5020 Salzburg
営業時間:月曜~金曜日 10:00~18:00
土曜日: 10:00~13:00
定休日: 日曜日
http://www.beerbottle.eu/

オーガニックを追求した「Brauerei Gusswerk(グスヴェルク醸造所)」

ザルツブルクの話題のクラフトビール醸造所と言えば、「Brauerei Gusswerk(グスヴェルク醸造所)」だ。


Bottel Shopでも一面を占めるほどの人気。

創業は2006年とまだ若いが、すべてのビールがBio認定(*)を受けており、オーガニックを追求した醸造所だ。
醸造長のラインホルト・バルタ氏はウィーンとアイルランドで研鑚を積み、2011年には「Biersommelier des Jahres」(ビア・ソムリエ・オブ・ザ・イヤー)を受賞している。
ラガーやヴァイツェンの定番の他に、アンバーエールやIPA、バーレ―ワインなどオリジナリティーあふれるビールを造っている。

日本でも購入可だ。
http://www.gusswerk.jp/

ザルツブルクのビールは、新進気鋭のクラフトビールであってもホップの苦味と香りきかせつつも、モルトの骨太のベースがあり味わい深い。
ついお代わりしたくなる飲み飽きないうまさ。
それはドイツのクラフトビールにも共通するものであった。

歴史的にも南ドイツの影響を強く受けているザルツブルクのクラフトビールを知るのに良い旅であった。
それではハプスブルク家のお膝元、オーストリアの首都ウィーンではどのようなクラフトビールは飲まれているのだろうか?
そもクラフトビールの地位は?

次回は、ウィーンの酒場放浪記をお送りする。

(*)Bioとは
Biological agriculuture:化学肥料や農薬を使わない生物学的農法で栽培された植物や、作物を使用した加工品などに対する認証。

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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。
ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして雑誌『ビール王国』、海外生活情報誌『ドイツニュースダイジェスト』など様々なメディアで執筆。『ビールの図鑑』『クラフトビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のビールが飲める120店』(エンターブレイン)など。

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