[ブルワー,新商品情報]2022.2.7

「アサヒ スーパードライ」フルリニューアル。辛口はそのままに飲みごたえをアップ!

1987年の発売以来36年ぶりのフルリニューアル。2022年1月6日、今年の事業方針説明会で「アサヒ スーパードライ(以下、SD)」の中味・パッケージ・コミュニケーションを同時に刷新し、2月中旬製造分から順次切り替えることを発表しました。

大手ビールメーカーでは数年に1度商品のリニューアルを行いますが、なぜ、このタイミングでフルリニューアルを決断したのでしょうか。その思いをアサヒビール株式会社ビールマーケティング部 ブランドマネージャーの中島健さん、酒類技術研究所 技術第一部 部長の岡本高樹さんに聞きました。

酒税法改正、生ジョッキ缶、価値観の変化。様々な機会が重なった

「今回のフルリニューアルの背景として、3つの大きな要因があります。1つ目は酒税法改正です。2020年の改正後、お客様がビールカテゴリーに流れてきています。追い風が吹いている状態だったことがあります」(中島さん)

2026年10月に統一されるビール類の酒税。その第1段階として2020年10月にビールカテゴリーは350mlあたり77円から70円に引き下げられました。アサヒビール株式会社によると、ビール飲用者は酒税改正前(2020年9月時点)の3,265万人から3,635万人(2021年11月時点)となりで約11%増加。ビール類税率が一本化される2026年に向けて今後も拡大が見込まれています。

「2つ目は『SD 生ジョッキ缶(以下、生ジョッキ缶)』です。発売後、大変好評をいただいています。酒税法改正の追い風もあって、これまで『SD』を手に取られていなかったお客様の飲用がとても増えました」(中島さん)

全開する缶蓋を開けると泡が自然発泡するという革新的な商品の「生ジョッキ缶」。2021年4月6日にコンビニエンスストアで先行発売するとたちまち人気となり、現在も数量限定での販売が続いています。この商品の登場により「SD」への関心が強くなったこともフルリニューアルのきっかけになっています。

今までにない飲む楽しさを提案してくれた「生ジョッキ缶」。今後は生産体制を強化。2021年の5倍製造量となる予定。

そして、3つ目が時代の価値観の変化によるものです。

「『SD』は、ずっと辛口をコンセプトに展開をしてきています。しかし、お客様にアンケートを取ると、『キレがある』ではなく、『苦い』とイメージしている方が多く、ズレが生じてきていることがわかりました」

発売当初からキレがあるビールとして辛口と伝えてきたものが、時間が流れるとともにイメージが変化していることもフルリニューアルの理由になったと言います。

「新型コロナウイルスによる影響もあり、ビールに対するお客様の価値観も変わってきています。その変化する価値観に、自ら動いて対応していくことでビール市場を拡大していけると判断してフルリニューアルが決まりました」(中島さん)

酒税法改正、生ジョッキ缶の好調。ビールにとって追い風が吹いている今だからこそ、生じていたイメージのズレを修正して、裾野を広げていくためにフルリニューアルが決まりました。

発売当時からシルバーをシンボルカラーとしてきた「SD」。「安心感がある」「伝統的」な意見がある反面、「古臭い」と評価を受けることも。今回のフルリニューアルでは、マットとメタリックの2種類のシルバーを調和させて、従来よりもシンプルで洗練されたデザインに変更。デザインをシンプルにすることで「Asahi」ロゴと「SUPER“DRY」ロゴの視認性を向上させている。

「SD」の良さはそのままに飲んだ時の満足感をアップ

プレスリリースでは、中味について次のように変更を伝えています。

特長である“辛口”のコンセプトはそのままに、発売以来初めて中味の処方を変更し“キレのよさ”は維持しながら“飲みごたえ”を向上させました。(プレスリリースより引用)

飲みごたえの向上。その理由を聞いてみました。

「『SD』を飲用していない方や飲用から離れている方に印象をお聞きする中で、香りやコクを重視していることがわかってきました。そこを踏まえて、コアであるキレの良さを失うことなく、香りを付与することで飲みごたえを向上させる処方に変更しました」(岡本さん)

フルリニューアルと言っても「SD」の中核はキレ。風味を感じた頂点からスッと引く後味の良さを失うことなく、これまでマイナスに感じていた部分をそぎ落として、足りていないと思われる部分を補足することで飲んだ時の満足感を高くする中味に変更したと教えてくれました。

缶の裏面は、味の特長を視覚的に表現した「辛口カーブ」が描かれている。

アサヒビールが考える飲みごたえとはどんなものなのでしょうか。

「味の感じ方は個人で異なるので一言で表現するのは難しいのですが、私たちは『味と香りの総量』と定義しています。これは、口に含んで喉の奥で感じるコクや鼻に抜けたときの香りを総じて飲みごたえと言っています」

中味の変更により飲用されていなかった人のニーズにも応えられるものになっただけではなく、「SD」を愛飲してきた人にも「これだよね」と言ってもらえると味になったと話します。

今回、取材にあたり試飲缶を提供いただいた。新旧を飲み比べてみると、かなり小さな差ですが、新しい方は口当たりのみずみずしさを強く感じ、ホップ由来のグリーンな香りがやや強く感じられる。確かに飲んだ直後に味のトップがくる感じがあり、後にスッと引く感じも早い印象を受けた。私の感覚で表現すると新しい方が澄み切った味という感じ。今までよりも飲み飽きないビールになったと思う。

「SD」を通じてビールの裾野を広げたい

長く愛されているブランド。どのように変わるのか不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。

「1月6日に発表してから様々な感想をいただいています。『SD』の辛口をもっと楽しんでいただくために、キレはそのままに飲みごたえをアップしています。どんな食事にも合わせやすく、飲み飽きない新しい辛口です。ぜひ、体験してほしいと思います」(中島さん)

最後に今回のフルリニューアルで伝えたいことを聞きました。

「それは、ビールの市場を広げることです。『SD』は、日本のビールの中で大きな認知度があります。『SD』がもっと元気になり、お客様の支持を大きくしていくことが日本のビール市場を大きくする道になると信じています。そのために『SD』を発展させていきたい」(中島さん)

日本を代表するビールブランドとして君臨してきた「SD」。これまで以上に注目されるようになることで、ビール業界に関心を持つ人が増える可能性が大きくなると考えています。

お酒離れや嗜好品の選択拡大などビールを取り巻く環境は厳しさを増しています。そのような中、これからも「SD」はビールシーンをリードしていけるのか。注目です。

フルリニューアルした商品は、2月中旬製造分から順次切り替わる予定です。

アサヒ スーパードライ商品概要

原材料:麦芽(外国製造・国内製造〈5%未満〉)、ホップ、米、コーン、スターチ

アルコール度数:5%

純アルコール量:14g(350mlあたり)

内容量:350ml缶、500ml缶、500ml瓶、633ml瓶

入れ替わり時期:2022年2月中旬製造分より

アサヒ スーパードライブランドサイト

アサヒ スーパードライアサヒビール株式会社
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ/ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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<Web>
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