[テイスティング,ビアバー,ブルワー]2023.1.17

【ビールを通じて感じる韓国➂】釜山のブルワリー(2) ゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)@広安里

これまで下記の記事で、先月(2022年12月)に現地で久しぶりに確認してきたことを中心に、クラフトビールを含む韓国のビールの動きと、韓国第2の都市・釜山にあるブルワリーの紹介をしてきました。

【ビールを通して感じる韓国】3年前に登場したビール「TERRA」が大人気!

【ビールを通して感じる韓国➁】釜山のブルワリー(1) カルメギブルーイング(GALMEGI BREWING)@南浦洞

今回は、代表的な釜山のクラフトビールのブルワリーのひとつ、ゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)を紹介します。
ゴリラブルーイングは2015年に設立されたブルワリーです。ビールの味わい以外にビールを通じた多彩な楽しみにも目を向け、ビール文化の経験の拡大にも貢献しています。。
中心ラインナップ以外にも様々なビールが造られ、コラボビールにも積極的。そのため、タップルームでは、常に10種類以上にビールを味わうことができます。そのタップルームは、釜山の広安里エリアにあります。

広安里(광안리・Gwangalli)エリアとは

釜山には有名な海水浴場が数か所ありますが、釜山東部にある広安里にはその中でもトップを争う知名度を誇るビーチ「広安里海水浴場」があります。同じくビーチで有名な海雲台の隣に位置し、釜山地下鉄2号線の金蓮山駅や広安駅から徒歩で10分程度で着きます。

夏には、砂浜に無数のビーチパラソルの花が咲き、マリンスポーツを楽しむ若者や家族連れで賑わいます。海岸沿いには、テラス席が完備されたカフェやダイニングバーなどが集まっていて、海を眺めながらゆったりと過ごすことができます。輸入クラフトビールが飲めるお店もけっこう見かけます。

広安里ビーチの正面には、全長7,420メートルの2層構造の広安大橋がかかっていて、夜にはライトアップされます。ちなみに普段は自動車専用の広安大橋ですが、秋にこの橋を往復できるマラソン大会が開催されていて、私は10キロコースに参加し橋を自分の足で走って楽しんだことがあります。

ゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)

ゴリラブルーイングのタップルームの訪問も4年ぶり2回目。広安里海水浴場から少し離れた廣南路沿いの建物の2階にあります。基本は17時からの営業ですが、金・土曜日は15時から開いています。階段の入り口には各曜日の営業時間がちゃんと貼られているのが、韓国では珍しく感じ、印象に残りました。


店内は広々としていて、残念ながら建物に隠れ海は見えませんが窓も大きく、とても明るい雰囲気です。



注文はカウンターでキャッシュオン方式で行います。この日のビール、自社製だけで18種類が書かれていました! ゲストビール、コラボビールを合わせると20種類以上が提供されていることになります。
9オンスで5000ウォン~9500ウォン(約500円~950円)。4種類が選べるサンプラー(19000ウォン・約1900円)もあります。

この日飲んだビールは3種類でした。
1杯めは釜山ペールエール。アルコール度数4.3%。やや軽めで飲みやすかったです。

2杯めはラズベリーウィート。アルコール度数は6.2%。ビールの味わいがしっかりあり、それでいてラズベリーとのバランスも絶妙。フルーツ系のビールが苦手な方にもお勧めしたくなるビールで、美味しさに感動しました。

最後はレッドラガー。アルコール度数4.6%。苦みも深みもあるけれど飲みやすい、バランスが良いビールでした。

どのビールも美味しく、個人的には普段あまり頼まないIPAも飲んでみたくなりましたが、ここまで飲んだ量を考えこの日はお店で飲むのは断念。これだけ種類が多くて美味しいビールが揃っていると、サンプラーを注文するほうが良かったのかもしれません。

お勧めしたい理由(追加)

ここまで書いてきた「交通の便が悪くないこと」「広くて明るいこと」「ビールが種類豊富で美味しいこと」に加えて、ここを推薦したい理由をさらにいくつか挙げます。

◎ビールが選びやすい
20種類ものビールから何を選ぶのかは、普段クラフトビールを飲んでいても迷うところです。ましてビールの味わいについて会話ができるほど言葉ができないときに頼りになるのは ビールのスタイルの他には、アルコール度数、IBU、値段…ぐらいでしょうか。
しかし、ゴリラブルーイングのメニューには、それぞれのビールの特徴が韓国語と英語の単語3つで表現されていてビールが選びやすくなっています。例えば私が頼んだ釜山ペールエールだと”SESSION,CITRUS,LIGHT”、ラズベリーウィートだと”RASBERRY,WEIZEN,SMOOTH”、レッドラガーだと”RICH,AMBER,MOLTY”となっていました。ビールの味わいを3単語だけで表すことには賛否両論あるかもしれませんが、例えば何種類もあるIPAでもそれぞれの使われている言葉がけっこう違うので、どれを選ぶかにかなり参考になりそうです。

◎料理も美味しい
韓国では、ちょっとした軽めの美味しいつまみなどなく、あるのはボリューミーなピザやハンバーガー、揚げ物類だけのことがほとんどです。こちらもメニューは同じような感じでしたが、頼んだチキンバーガーがややスパーシーで、思いがけずとても美味しかったです。

◎瓶・缶のビールも豊富
タップオンされているビールだけでなく、瓶・缶のビールも多くの種類が用意されています。私が行ったときは10種類以上。
どうしても気になったので、お店で飲むのを断念したIPAは、瓶のゴリラIPAを買って持ち帰りました。写真右の「JUMPING THE SEAGULL」は、前回紹介したカルメギブルーイングとのコラボビールです。

あまりクラフトビールに詳しくない方や釜山のクラフトビールを飲むのは初めての方からクラフトビールに通じている方まで、ゴリラブルーイングのタップルームは居心地がよく、誰でもゆっくりと楽しめるところだと思います。現地に行く機会があれば、ぜひ気軽に立ち寄ってみてくださいね。

◎ゴリラブルーイング所在地:부산시 수영구 광남로 125(125 Gwangnam-ro,Suyeong-gu,Busan)

*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK 2018)」BEER POST PUBLISHING
*10ウォンを約1円として換算しています

ゴリラブルーイング広安里釜山韓国クラフトビール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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