[テイスティング,ビアバー,ブルワー]2023.11.6

【ビールを通して感じる韓国⑬】釜山のブルワリー(6) ~三猿は世界共通~ Three Monkeys Brewing@南浦洞

栃木県日光市にある世界遺産の日光東照宮。その日光東照宮の神厩舎という建造物に彫られていることで有名なのが「見ざる言わざる聞かざる(見ざる聞かざる言わざる)」の三猿(さんざる、さんえん)です。
この三猿は幼少期を描いた彫刻で、子供には悪い事を見させない、聞かせない、言わせない、そして良い物だけを吸収して素直に育って欲しいと言う意味が込められています。
日光東照宮の三猿は幼少期に関するものですが、「見ざる言わざる聞かざる(見ざる聞かざる言わざる)」は、「他人の欠点や短所は、見ない聞かない言わないのが良い。それを守っていれば、人との争いはしなくてもすむ」という広い意味で使われています。
そんな三猿を名前にしているThree Monkeys Brewingに、韓国・釜山で出会ったのでご紹介します。

三猿は世界共通

日興東照宮の三猿が有名なことや、「見ざる言わざる聞かざる(見ざる聞かざる言わざる)」の日本語の語呂合わせ(「ざる」を「猿(さる)」にかけている)から日本が三猿発祥の地と思われがちですが、三匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトやアンコール・ワットにも見られるもので、世界各地に三猿を用いた表現があります。
三猿の起源はよくわかっていませんが、日本には8世紀ごろに、シルクロードを伝い中国を経由して伝わったという説があります。

韓国にも「見ざる言わざる聞かざる」に似た独自の表現がありますが、日本とは違い、韓国では結婚した女性に忍耐することを教えるものでした。

귀머거리 3년 벙어리 3년 장님 3년은 해야 한다.(聞こえない人3年、口がきけない人3年、目が見えない人3年)

結婚して夫の実家で暮らすためには聞こえないふり3年、言いたくても言わないで3年、見えないふり3年をしなければならない。舅姑と同居していろいろ苦労があってもがまんしなさいということだったようですが、さすがに今はそういう時代ではなくなっています。
ちなみに英語で三猿は”Three wise monkeys”(三匹の賢い猿)。「見ざる、聞かざる、言わざる」は”see no evil, hear no evil, speak no evil”と表現されます。

南浦洞とThree Monkeys Brewing

Three Monkeys Brewingのお店Three Monkeysがあるのは、釜山の南浦洞です。南浦洞は釜山の中心部にあり、釜山を代表する定番の観光エリアのひとつです。地下鉄1号線でアクセスしやすく、KTX(韓国高速鉄道)の釜山駅からも近い場所です。

*南浦洞については、詳しくはこちら(【ビールを通して感じる韓国➁】釜山のブルワリー(1) カルメギブルーイング(GALMEGI BREWING)@南浦洞)で紹介しています。

Three Monkeys Brewingは2013年に南浦洞のアイリッシュパブとしてスタートし、その後別の場所にある醸造所で独自のビール醸造を始めました。
ブルワリー名はやはり”see no evil, hear no evil, speak no evil”の”Three wise monkeys”から閃いたものですが、「目を通して耳と口をふさぎ、世間の問題から離れてひたすら楽しい時間だけを過ごそう」という、従来とは違った新たな意味を込めているとのことです。

Three Monkeys

釜山・南浦洞にあるThree Monkeysは、地下鉄1号線の南浦駅の7番出口を出て徒歩数分です。


外にテーブルが出ていましたが、店内へ。落ち着いた雰囲気でした。


Three Monkeys Brewingのビールは6種類の提供。まずはアルコール分4.5%のVanilla White Ale(5000ウォン・約550円)を選びました。軽めで飲みやすいホワイトエールでした。

このお店では、おつまみとしてポップコーンの袋が無料で提供されます。けっこうボリュームあります。

Three Monkeys Brewingのビール以外にも、輸入ビールも樽生で6種類、瓶ビールも数種類ありました。中にはお得な値段で提供されているものもあります。

輸入ビールにも惹かれましたが、せっかくなので続けてThree Monkeys Brewingのビールの中からペールエール(6000ウォン・約660円)にしました。アルコール分5.0%。ホップが程よく感じられるバランスのいい味わいでした。

最後に選んだのはBad Monkeyという名のスタウト(6500ウォン・約715円)。アルコール分5.6%のバニラを感じられる味わいのスタウトでした。

私は通常サイズで個々に頼みましたが、20000ウォン(約2200円)でサンプラーもありました。
あまりお腹が空いていなければ無料のポップコーンだけで十分でしたが、試しにフードのチキンボール(9000ウォン・約990円)も頼んでみました。こちらもかなりボリュームがありました。
他にも、チーズ、ピザ、ステーキなどを食べることができます。

◎Three Monkeys所在地:9 Gwangbok-ro 97beonan-gil, Jung-gu, Busan
営業時間:月~木:17:00~(翌)2:00 金~日16:00~(翌)3:00(日は~2:00) 

三匹の猿のロゴマークがきっかけで飲みに行ったお店でしたが、美味しいビールを飲むことができました。また、三猿について改めて調べてみるきっかけにもなりました。ここでは輸入ビールも飲むことができるので選択肢も広いし、周囲にもクラフトビールや輸入ビールを楽しめるお店が他にもあります。
機会があれば、三匹の猿に会いに訪問してみてはいかがでしょうか。

*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK 2020)」BEER POST PUBLISHING
*100ウォンを約11円として換算しています
*掲載写真は、すべて2023年9月に撮影しています

Three Monkeys Brewing三猿南浦洞釜山韓国クラフトビール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。