[コラム,テイスティング]2025.1.15

京都ビアラボの造る鳥獣人物戯画の茶ビール・伝統と革新の旅:高山寺と古川町商店街の風情を味わう【JBJA Channel】

ビールに愛された皆さまへ。
今日公開のJBJAChannelは、素敵なお茶のビールについて、楽しくご紹介させていただきます。

京都を訪れた秋に、お茶のビールを見つけたのは、宿泊していたホテルにほど近い、古川町商店街のランタン祭りというイベントでした。店頭で地元のビールを紹介している阪本商店にて京都ビアラボのビールの紹介を受け、ほぼ一目ぼれで購入。とても素敵な出会いでした。

有限会社阪本商店 (京都市東山区)

店頭で地元のビールを紹介していました

古川町商店街は、京都市東山区に位置する歴史ある商店街で、かつては「東の錦」や「京の東の台所」と称され、地域の生活を支える重要な場所として栄えていました。

特徴と魅力:

  • レトロな雰囲気: 商店街全体に昭和の雰囲気が漂い、アーケード内には約1,000個のパステルカラーのランタンが吊り下げられ、独特の温かみのある空間を演出しています
  • 多彩な店舗: 全長約250メートルのアーケード内には、約30店舗が軒を連ねています。新旧の店舗が混在し、伝統的な専門店や飲食店、カフェなど、多様な業態が集まっています。
  • 地域とのつながり: 商店主と地元の人々との交流が深く、買い物だけでなく、日常的なコミュニケーションの場としても機能しています。この人情味あふれる雰囲気が、訪れる人々に温かさを感じさせます。

アクセス:

  • 地下鉄: 京都市営地下鉄東西線「東山駅」2番出口からすぐの場所に位置しています。
  • バス: 市バス「東山三条」停留所から徒歩約2分と、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。

京都ビアラボの茶ビール:高山寺の歴史と古川町商店街の魅力を添えて

京都市下京区、高瀬川沿いに位置するクラフトビール醸造所「京都ビアラボ(Kyoto Beer Lab)」。この醸造所は、地元京都ならではの素材と伝統を融合させたユニークなビールを提供することで注目を集めています。その中でも特に人気を誇るのが、「茶ビール」シリーズです。和束町産の高品質な茶葉を使用したビールは、伝統的な日本文化とクラフトビールの革新性を見事に結びつけています。

高山寺と鳥獣戯画:京都の歴史と文化

高山寺(こうさんじ)は、京都市右京区に位置する世界遺産で、国宝「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」を所蔵していることで知られています。

訪れたのは、紅葉の季節でした

鳥獣人物戯画は甲・乙・丙・丁の4巻から成る絵巻物で、墨一色の線描で動物や人間の戯画が描かれています。特に、甲巻に描かれた兎や蛙、猿などの動物たちが擬人化され、水遊びや相撲を楽しむ様子はユーモラスで、現代でも「日本最古の漫画」と称されるほどの人気を誇ります。

石水院(拝観料1000円)の建物内で、鳥獣戯画のレプリカを観ることができます。

高山寺を訪れると、古くから続く京都の文化と自然が織りなす静寂に包まれます。今回、秋の紅葉の時期に訪れたこともあり、この場所で鳥獣戯画を眺めながら、日本の伝統文化と現代のビール文化が融合することのすばらしさをしみじみを感じることができました。

石水院からの眺め

かぶせ茶ホワイトエール:爽やかさと奥深い甘みの調和

最初にご紹介するのは、「かぶせ茶ホワイトエール」。京都府和束町で栽培されたかぶせ茶を使用したこのビールは、軽やかなベルジャン・ホワイトの飲み口に、かぶせ茶特有の甘みと旨味が絶妙に溶け込んでいます。一口飲むと、緑茶の爽やかな香りが鼻をくすぐり、後味にほんのりとした甘みが残ります。

実際に、京都を巡る電車の車窓から、茶畑にかぶせるための黒い布を眺める機会がありました。後から「あれがかぶせ茶のためのものだったのか」と思い返すことになり、ますますこのビールに対しての親しみが感じられました。

深蒸し茶IPA:茶葉とホップの華麗な競演

次に注目すべきは、「深蒸し茶IPA」です。このビールは、和束町産の深蒸し茶を使用し、IPA(インディア・ペールエール)の特長であるホップの苦味と茶葉の豊かな香りを融合させています。深蒸し茶のまろやかなコクと苦みが、IPA特有の苦味と一体化していて、ビール初心者から上級者まで楽しめる仕上がりです。

IPAとしてのビールの仕上がりもとても素晴らしく、改めて京都を訪れて飲みなおしたいと強く思うような一品でした。

ほうじ茶スタウト:焙じ茶の香ばしさとスタウトの深み

最後にご紹介するのは、「ほうじ茶スタウト」です。焙じ茶の香ばしさとスタウトの濃厚な味わいが融合したこのビールは、デザート感覚でも楽しめる逸品。焙じ茶特有のロースト香が、スタウトのチョコレートやコーヒーのような風味と相まって、リッチで満足感のある味わいを提供します。

ほうじ茶スタウトを楽しむなら、一日の終わりに、自分を癒すためにまったりと味わいたいですね。和風のお菓子を合わせても、素敵なペアリングを楽しむことができそうです。

また、焙じ茶とともに語られる京都の茶文化を思い起こしながら、高山寺の静寂な境内の歴史へ思いをはせるのも一興です。

京都の伝統と革新が生む新しい楽しみ

京都ビアラボの茶ビールは、伝統的な茶文化とクラフトビールの革新を見事に融合させています。そして、高山寺の鳥獣戯画や古川町商店街といった京都の歴史や風情が、この茶ビールをさらに魅力的に引き立てます。これらのビールを片手に、京都の名所を巡る旅は、味覚だけでなく心まで満たされる特別な体験を提供してくれるでしょう。

高山寺への紅葉狩りの道すがら、古川町商店街のランタン祭りに立ち寄り、京都ビアラボの茶ビールを楽しむ。そんな旅のひとときは、まるで「鳥獣戯画」の世界に迷い込んだかのような感覚を与えてくれるはずです。

次回の京都旅行では、大好きな高瀬川のほとりの京都ビアラボを訪れ、茶ビールを片手にこの魅力あふれる土地をもっともっと満喫しようと思いました。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
JBJA公式動画サイト:YouTube JBJAチャンネル

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