乾杯は職員室で。ビールで繋がる「AFTER SCHOOL BREWERY」開校!
「学生時代のことを思い出してください」
そう言われたら、皆さんはどんな光景を思い出しますか?西日の差す埃っぽい体育館、好きな人に一目会いたくてうろついた廊下、友達と待ち合わせて出かけた放課後……学生時代の記憶は、何十年経っても色あせなくて、きゅうっとした気持ちになるから不思議です。

そんな学生時代に戻れる、いや再度青春を味わうことができるブルワリーが、この秋誕生します!その名も「AFTER SCHOOL BREWERY」。廃校跡地にできる、「大人の放課後活動」をテーマにした醸造所です。
職員室で乾杯!大人の放課後が始まる場所
AFTER SCHOOL BREWERYができるのは、都内のど真ん中にある池尻中学校跡地にある「HOME/WORK VILLAGE」の一角。

「HOME/WORK VILLAGE」は「仕事・遊び・学び」をテーマに、学校の雰囲気を残しつつもおしゃれにリノベーションされた施設。2階3階はシェアオフィス、1階は飲食店と本屋、屋上には農園というユニークなつくりで、体育館や校庭ももちろん使用することができる。
「仕事・遊び・学び」をテーマに、校舎、体育館、校庭を活用した施設の「職員室跡地」を活用する形で開業準備を進めています。職員室といえば、昔はちょっと緊張しながら入る場所だったはず。そこで堂々とビールを飲むことができるというのは、ちょっとした背徳感と「大人になった!」という自由さを味わえそうです。

職員室跡地
コンセプトが「大人の放課後活動」ということで、AFTER SCHOOL BREWERYには様々な学生時代の記憶くすぐる仕掛けがされています。
壁や黒板を残しリノベーションした内装は、学校感たっぷり。醸造所併設のタップルームではデジタル学生証(ポイントカード)されます。
そしてなんといっても面白いのが、そこで生み出されるビールたち!「あの頃、教室にいたクラスメイト」をテーマに、各自の個性をビールに重ね、ビアスタイルとして表現していきます。
基本に忠実な優等生ビール、明るく爽やかな体育会系ビール、フルーツを使った弾けるギャルビール、自由きままなやんちゃ君ビール。さまざまな個性をビアスタイルとして表現したビールは、一体どんな味わいになるのか……想像するだけでわくわくしてお酒が進みます。
その他、「学び」も楽しめるよう、店内にはホップやモルトをディスプレイ。セミナーや醸造スクールも実施予定で、醸造について深く知ることができるようになっています。
校長に聞く。AFTER SCHOOL BREWERYが目指す、新たな世界
ではこのブルワリーをどんな風に楽しんでもらいたいのか、「AFTER SCHOOL BREWERY」の校長、菊池文武さん(以下:菊池さん)にお話をお伺いしました。

菊池文武さん
――なぜAFTER SCHOOL BREWERYを立ち上げようと思ったのでしょうか?
菊池さん:わたしは生まれも育ちも世田谷なのですが、もっと地元に貢献したい、地元を盛り上げたいと思ったのが最初のきっかけです。
現在は長年続けてきたディンギーヨットのご縁で、神奈川県葉山市でBrewstars Yacht Club Hayama Brewingをやっています。ありがたいことに、たくさんの地元の方々にご愛顧いただいており、そこでたくさんの繋がりが生まれていくのを目にしてきました。
クラフトビールを通じたコミュニティが生まれる度、「あぁ、これがわたしのやりたかったことだ」と心から感じていく中で、今度は地元世田谷でも同じような場所をつくりたいなと強く思うようになっていきました。
そんな時「HOME/WORK VILLAGE」の存在を知り、次は学校を舞台に新たなチャレンジをしてみようと決めました。

――廃校跡地を活用したブルワリーはいくつかあれど、「学校」をコンセプトにする、というのはかなり珍しいですよね!こんな場所になったらいいな、という想いはあるのでしょうか?
菊池さん:ビールをきっかけに、地域の新しいコミュニティやチャレンジが生まれる、そんな拠点を目指しています。幅広い年代の方に、学生時代のような感覚で楽しんでもらいただき、クラフトビールのおもしろさを味わってほしいと思っています。
「HOME/WORK VILLAGE」には様々な施設があるので、クラフトビールと組み合併せていろいろな遊び方をしていただきたいですね。
――いろいろな遊び方、とはどんなことができるのですか?
菊池さん:例えば同じ階に本屋さんがあるので、買った本を読みながらビールを飲むとか、体育館でスポーツをした後にビールを飲む、とかですね。クラフトビールきっかけで集まった人たちが、その他の好きなことでさらに繋がったらおもしろいなと思っています。
イメージは「大人の部活動」。屋上には農園があってホップも育てているので、園芸好きな人がいれば「園芸部」をつくる、なんてこともできると思います。

――屋上でホップ栽培もしているのですか!
菊池さん:はい。そこで収穫したホップを使用し、フレッシュホップビールにも挑戦したいと考えています。その他にワイン用ブドウの栽培なども行っているので、屋上の農園で収穫したものを副原料に使用し、今後ビールを造っていこうと計画しています。
ちなみに、ホップ横では養蜂もしているんですよ。「ミツバチがダニによって死滅するのを、ホップの成分が防ぐ効果があるかもしれない」という研究があるので、現在その実験を行っています。

――これからが楽しみになるようなお話がたくさんですね!実際のオープンはいつ頃になるのでしょうか?
菊池さん:タップルームのオープンは2025年9月中旬、醸造開始は1月稼働を目指しています。オープン当初は自社醸造ができないので、最初はつながりのあるブルワリーさんとのコラボビールをご提供予定です。
――楽しみです!もうすでにコラボは進んでいるんですか?
菊池さん:はい!新狭山のHazy LaboさんとコラボでヘイジーIPAを、世田谷のRiot Beerさんとハチミツを使ったセゾンを醸造しました。その他には、ふたこビールなど世田谷にあるブルワリーのビールや、世田谷に直営店がある海岸醸造や、TDM1874などのビールもご提供していく予定です。

Riot Beerさんとのコラボ仕込み
――最後にひとことあれば、よろしくお願いします
菊池さん:大人たちが集まり、遊び、学びつながる。そんな場所をAFTER SCHOOL BREWERYで実現していきたいと思っています!飲んで、学んで楽しむ。幅広い人たちにクラフトビールの魅力を伝え、クラフトビールをブームではなく地域の文化にしていきたいです。
現在、醸造所開設に向け、クラファンを実施しています。もし少しでも興味を持っていただけたのならば……応援していただけると嬉しいです!
【クラファン】校則はクラフトビールを飲むこと! 大人の放課後活動始動。廃校の職員室を醸造所に!

乾杯から始まる、新たな青春
「大人になったら、なかなか友だちってできないよね」
学生時代の友だちと話すとき、よく出てくるこの会話。でもわたしはいつも「そうかな~」と聞いていました。だって、クラフトビールを飲むようになってから「ビア友」なる存在が一気に増えたから。
ビールは人と人を繋ぐ力が、本当に強い飲み物だと思います。そして笑顔が似合うビールを愛する人は、同じくにこにこポジティブな人が多いのも特徴。一緒にビールを飲むことで、こちらまで前向きになることができる力を持っています。
そんなビールによって集まった人たちが、+αによってより深く繋がっていく……AFTER SCHOOL BREWERYは本当に魅力的な場所になるのだろうな、と感じています。
「学生の頃は楽しかったよね」ではなく、「ビールで集う学校って楽しいよね!」。きっとそんな言葉を口にするであろう日が楽しみです。
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