試験ごはんがビールへ、象印マホービン「ゾウのマイ」
炊飯ジャーの開発現場で、日々生まれる「試験ごはん」。本来は評価のために炊かれ、役目を終えるはずだったそのごはんが、クラフトビールへと生まれ変わった。
それが、象印マホービン株式会社(以下、象印マホービン)が取り組む“ごはんのアップサイクル”の最新形「ゾウのマイ」だ。

「ゾウのマイ」ビールのおいしさを“象が舞い(米)上がってしまうほど”のおいしさや、お米由来のビールであることを表現。ユーモラスなゾウさんが可愛らしい。
目次
試験ごはんがビールになる理由「もったいない」から始まった価値創造
象印マホービンの炊飯ジャー開発では、味を追求するために何度も炊飯と試食が繰り返される。その過程で、どうしても食べきれないごはんが生まれてしまうという。
その量は、年間約30トン。お茶碗一杯(約180g)で換算すると約16万杯分、コンビニおにぎりであればおよそ25万〜27万個分に相当する。

開発メンバーの食味試験中の写真 (写真提供:象印マホービン)
それまでは堆肥として活用されてきたが、「もっと価値のある形で活かせないか」という想いから、「ごはんのアップサイクル」活動がスタート。2021年以降、除菌ウェットティッシュや甘味料など、さまざまな形で展開されてきた。
日常生活に驚きを、ビールが紡ぐストーリー
こうした背景を経て「よりよい活用法はないか」と模索し、たどり着いたのがクラフトビールという選択肢だった。
象印マホービンでは2023年にも、試験ごはんを再利用したビール「ハレと穂」を開発している。コンセプトは「一滴への想い、一粒への想い」。
そして今回誕生した「ゾウのマイ」では、「日常生活に驚きを提供し、ビールが作り出すストーリーを感じていただく」というコンセプトが掲げられている。
印象的なのは、“ストーリー”という言葉である。単なる再利用ではなく、ビールを通して体験や物語を届けること。日常の中にあるごはんが思いがけずビールへと姿を変える驚きや、本来は役目を終えるはずだったものが、新たな楽しみに変わる瞬間。さらに、その背景にある物語ごと味わう体験——。
そんな“ストーリー”が、このビールには重なっているのかな?と感じられる。
お米、ではなく、ごはんを“そのまま使う”
今回のビールは、炊飯試験で使用された“ごはんそのもの”を原料に使っている点が特徴だ。一般的に、米を使うビールでは米粉などが用いられることが多いが、「ゾウのマイ」では炊飯後のごはんを仕込み時に1袋ずつ丁寧に投入しているとのこと。
“ごはんそのもの”を使い、手間をかける。その工程からは、余剰物としてではなく、一つの原料としてきちんと向き合う姿勢がうかがえる。

ビールの製造工程(画像提供:象印マホービン)
エチゴビール株式会社との協業
今回の醸造を担ったのは、※クラフトビール出荷量14年連続日本一の実績を持つエチゴビール株式会社である。
※東京商工リサーチ「第16回「地ビールメーカー動向」調査 ~」による
技術力や知見の蓄積に加え、象印マホービンの掲げる「ごはんのアップサイクル」という考え方への共感が、パートナー選定の決め手になったという。味わいの方向性は、「和食に合う、すっきりとした味わい」。和食を始めとした家庭料理、食卓の邪魔をしない設計を目指し、麦芽やホップを厳選しながら、アルコール分を抑え、心地よい苦みになるよう調整したそうだ。
テイスティング

ゾウのマイ(著者撮影)
スタイルはゴールデンエール、アルコール度数は4.5%。グラスに注ぐと、淡いゴールドの液色。
そして、きめ細かな泡。香りは穏やかでホップの主張は控えめだが、その奥に穀物のやわらかなニュアンスが感じられる。口当たりは軽やかで、苦みは控えめ。すっと引く後味が心地よい。普段の食卓に自然と溶け込み、気づけばもう一口、とグラスに手が伸びる——そんな一杯だ。
ちなみに、プロジェクトメンバーが濃厚なラーメンの後に試飲した際に、口の中を爽やかにリセットしてくれる味わいに「この味だ」と確信したとのこと。そんなエピソードにも納得してしまう。

公式サイトにはおすすめの飲み方も。是非皆さまも参考に!(画像提供:象印マホービン)
アップサイクルが広げるビールの未来「新しい入口」としてのクラフトビール
象印マホービンは、この取り組みを通じて「ごはんの新しい可能性」に共感する人の輪を広げたいと考えている。
日常の中に驚きと楽しさを届けること。
そして、ビール離れが進む若い世代にとっての“新しい入口”となること。
ごはんから生まれたビールという体験は、これまであまりクラフトビールに触れてこなかった人にとっても、興味を持つきっかけになれば―そんな思いが、この一杯に込められている。
「ゾウのマイ」は2026年3月10日より販売中。
5月下旬以降は、象印食堂でも楽しめる予定とのこと。もし見かけたら、ぜひ“ごはんから生まれた一杯”で乾杯は、いかがだろうか。
商品概要
商品概要
| 品名 | ビール |
|---|---|
| 原材料名 | 大麦麦芽(イギリス製造)、ホップ、米(国産) |
| アルコール分 | 4.5% |
| 内容量 | 350ml |
| 製造元 | エチゴビール株式会社 新潟県新潟市西蒲区松山2 |
| 製造所 | エチゴビール 那須工場 栃木県那須郡那須町大字高久甲4453-49 |
| 賞味期限 | 8ヵ月 |
| ビールの種類 | ゴールデンエール |
購入はこちらから
5月下旬~、象印食堂でも提供開始予定
会社概要
象印マホービン株式会社
業種:製造業
本社所在地:大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号
代表者名:市川典男
上場:東証プライム
資本金:40億2295万円
設立:1918年05月
URL:https://www.zojirushi.co.jp/

エチゴビール株式会社
所在地:新潟県新潟市西蒲区松山2
代表者:阿部誠
資本金:1億円
設立:2000年5月
URL:https://echigobeer.com/index.php

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