[イベント]2011.4.16

枕草子的ビール考:春はヴァイツェン

■「やっぱり春は、ヴァイツェンよね」

先日、満開の桜を眺めていた友人がこんなことを口にした。
「ねぇ、春だからヴァイツェン飲もうよ!」

そうしよう、そうしようとすんなり同意したものの、ふと不思議に思った。なぜ春「だから」ヴァイツェンなのだ?
そのこことについて聞いてみると、「春の気温・湿度的にヴァイツェンの喉越しが合う感じがしたの。それと…冬だと気温が低いせいか、ヴァイツェンの甘味や風味が薄れるような気がして…」との答えが返ってきた。

調べてみると、確かに春限定のヴァイツェンとして販売しているクラフトビールメーカーもいくつかある。「やっぱり春はヴァイツェンだよね」というコメントも少なくない。

ヴァイツェンが持つバナナのような甘い香り、苦みが少なくとろりとした口あたり、小麦の風味がほんのり感じられる優しい感じ。ヴァイツェンそのものが、命が芽生えほころぶ春の陽気を思わせるのかもしれない。

■季節の「よい」ビールに想いめぐらせる

さて、清少納言の枕草子・第一段では、「季節ごとに趣のある(よい)時間帯」について語られている。思いっきり要約するとこうなった。

春はあけぼの。
夏はよる。
秋は夕暮。
冬はつとめて(早朝)。

がよいのだと。

では、これをビールに当てはめてみると、「季節ごとに趣のある(よい)ビアスタイル」は以下のようになるのではないか。

春はヴァイツェン。
夏はピルス。
秋はメルツェン。
冬はボック。

枕草子は、「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて…」と続いていく。では枕草子的ビールの場合は? 続きはうんうん唸りつつ、おいおい考えてみよう…。■

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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