[テイスティング]2014.6.8

ケルト文化をモチーフにした「オガム・アッシュ」―ビアレポート(100)

イギリスインペリアルスタウトウェールズ

秘密と言われると気になる私です。

秘密結社とか「秘密」が付くだけですごく気になります。例えばビールでも、使っているホップが公表されていないと多少気になる程度ですが、「使っているホップは秘密」と言われるとものすごく気になります。言われたことはないですが。

さて、今回はイギリスのケルト・エクスペリエンス「オガム・アッシュ」をご紹介。

Ogham Ash

Ogham Ash

ケルト・エクスペリエンスは、水工学のエンジニアだったトム・ニューマンがウェールズで設立した醸造所。オーガニックな原材料を使用したビールを造っています。これまで日本に入ってきていたのは「ゴールデンエール」「ブロンズエール」「ブレディン1075」の3種類でしたが、今回飲んだのは新しく入ってきたオガムシリーズ。

オガムとは、古代のケルト文化で使用されたオガム文字のこと。直線だけで作られたシンプルな文字です。ケルト人はもともとヨーロッパの中央にいた民族ですが、ゲルマン人などに追われてヨーロッパ各地へ移動するようになります。現在は、アイルランド、スコットランド、ウェールズを中心とした地域で、少数ながらケルト語を話す人がいるようです。

そのケルト語で使われていたのがオガム文字。といっても、基本的には文字を持たない文化で、オガム文字は石碑に刻まれていた碑文などで使われていました。一種の秘密文字とも言われています。ひとつひとつの文字はラテン文字と対応させることができるようで、それぞれ樹木の名前とも対応しています。例えば、「オガム・アッシュ」の「アッシュ」はラテン文字の「N」にあたり、樹木では「トネリコ」になります。ラベル中央にある縦1本線に横5本線の文字がオガム文字の「アッシュ」です。オガムシリーズのほかの2種では、「オーク」は「D」で「樫」、「ウィロウ」は「S」で「柳」となっています。

今回飲んだ「オガム・アッシュ」はアルコール度数10.5%あるインペリアルスタウト。グラスに注ぐとロースト香が漂ってきます。口に含むとコーヒーよりもビターなチョコレートのような味わいがあり、次第に苦味が訪れてきます。IBU55ということですが、温度が上がるにつれてそれ以上にも感じられる苦味。アルコール感もあるので飲むのは少しずつになってしまいますが、温度が上がってきたほうが複雑な香りが楽しめます。

ちなみに、このオガム文字は西洋文化には珍しい縦書きなのですが、さらに珍しいことに下から上に向かって書かれているのです。ますます秘密っぽいですね。そんなことを調べながら飲んでいたら、10.5%もあるビールにも関わらずあまり酔わなかった…かどうかは秘密です。

【BEER DATA】
オガム・アッシュ
生産地:イギリス
醸造所:ケルト・エクスペリエンス
スタイル:インペリアルスタウト
アルコール度数:10.5%

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアライター

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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