ビールを飲まない人とも乾杯したい!【大阪・Derailleur Brew Works】
2018年に大阪市西成区でビール醸造を開始したDerailleur Brew Works(以下、ディレイラ)は、現在直営のビアバーを大阪に4店舗構えるほか、京都、福岡、東京にも出店し、日々ディレイラのビールの魅力を発信し続けています。
2023年からは関西最大級の無料ローカルフェス「ITAMI GREENJAM」とのタッグで音楽とビールを楽しめる音楽フェスを開催し、ブルワリーの枠を超えた活動に目が離せません。
ディレイラを運営するのは、医療・介護事業や就労支援を行う株式会社シクロ。
(ディレイラブリューワークスに関する過去の記事は、こちら)
ビール醸造以外の活動でも活躍しながら、インターナショナル・ビアカップ2025では「それがたとえば透明少女」【缶】が金賞を受賞、World Beer Awards2025でも「RiVER RUNs THRU iT」が金賞を受賞するなど、輝かしい結果を残すディレイラが今、思い描く未来とは。

【写真提供:ディレイラブリューワークス】
常識にとらわれないビール造り

【写真提供:ディレイラブリューワークス】
ディレイラで醸造されるビールは常時200種類以上、2018年にビール醸造を開始してから、最初に醸造された「西成ライオットエール」は誰でも飲みやすい王道のアメリカンペールエールであり、今もなおディレイラを代表するビールとして愛されています。
その反面、ディレイラが造り出すビールには、副原料が個性的なものや製造方法に特徴があるもの、アルコール度数やビールの見た目も様々で、関西弁でいうと「けったいやな〜」と言われるビールもあり、興味はあってもなかなか手が出ないこともしばしば。
そんな常識にとらわれないビールは、造りたいビールを各ブルワーがプレゼンテーションをする“ビールコンペ”から始まります。エントリーをするのに社歴は問わないということなので、入社後間もない方もコンペに参加されているそうです。
ビールコンペで決定したビールは、レシピの設計や試作が行われた後、仕込み・発酵を経て晴れて新作ビールとしてお披露目されます。
代表である山﨑昌宣さんはビールコンペで、醸造するビールを選ぶ立場にあります。
ディレイラが目指すビールについてお話を伺ったのですが、返ってきたのはビールという概念を超えた「ものづくり」についてのお話でした。
ビールを飲まない人とも乾杯ができる世界
「クラフトビールは刻々と変化する世界のカルチャーを飲み込む自由さがあります。
その自由さを最大限に活用してこれまでに数多くのビールを造り、届けてきました。
飲んだ方に刺さるビール、面白いけど刺さらなかったビールもあったと思いますが、少量で醸造ができること、また直営のビアバーで販売できることを活かして、自分たちが造りたいビールを造り、届けてきました。
届けてきた、というのはビールを飲む人に対してです。
視野を広げると、ビール以外のお酒を好む人や、そもそもお酒を飲まない人に自分たちのビールを届けることはできません。ビールという型にはまらずにものづくりをすることで、今までディレイラを知らなかった方にも知ってもらえる機会が増えるはずです。
2023年からシン・サケスタイルとして、どぶろくの製法を再解釈して造る新たなスタイルのお酒を造り始めました。また、蒸溜所でのウイスキー造りやワインとビールをかけ合わせたお酒を造る構想もあります。
ソバーキュリアスなどあえてお酒を飲まない方にも、ノンアルコール飲料があれば、お酒を飲む人と飲まない人、どちらも遠慮することなく食事をして、意見を交わす時間を過ごすことができます。
夢は、老若男女が集う宴席で、お酒を飲む人と飲まない人が一緒になって乾杯をすること。その乾杯のドリンクがすべて自分たちが造ったものだったら最高ですね。」

代表取締役の山﨑昌宣さん【写真提供:ディレイラブリューワークス】
現在、作業がしやすく広い工場への移転を計画されており、一緒にビールを造る仲間を募集されているそうです。「溢れ出す発想に蓋をせず、面白がってものづくりができる人と一緒に仕事をしたい」とおっしゃていました。
ディレイラでのブルワーの仕事について、ヘッドブルワーの森振水さんにお話をお伺いしました。
ブルワーが働きやすく、仕事を続けられる職場に

ヘッドブルワーの森振水さん
「ヘッドブルワーの森です。
ブルワーの仕事は、ビールを造ることなのですが、実はそれはほんの一部です。
ディレイラでは、ビール造りに関わることすべてがブルワーの仕事なので、ビールレシピの開発から原材料の選定、醸造設備の維持管理やイベントへの出店、商品の発送、大阪市内においては自分たちで納品まで行います。
業務の一つ一つに意味があり、意味を理解して行わなければ単なる作業になってしまいます。すべてが自分たちが造りたいビールに繋がることなので、私も常に考えながら仕事をしています。
ビール造りに特別な資格や能力は必要ありません。
経験があればもちろんいいですが、未経験でも大丈夫です。敢えて必要なものがあるとすれば、すべての業務に関わってくるパソコン操作の能力でしょうか。
ディレイラでは、ブルワーの仕事を週単位でスケジュール化して、進捗を確認しながら計画的に業務を行うことで、基本的に土曜日と日曜日、祝日はお休みです。仕事と休みのメリハリをつけることで、長く続けることができる職場だと思います。
ディレイラには造りたいビールを造ることができる環境があります。
単なる作業としてではなく、考えながらビール造りをしたいので、わからないことがあれば私がとことんまで付き合います。一緒にものづくりをしてみませんか?」
ディレイラが魅せる乾杯の世界
代表の山崎さんにはリモートでインタビューをさせていただいたのですが、次々と溢れ出すアイデアに圧倒されっぱなしの時間でした。
「造るものそれぞれに対してのペルソナ(ターゲットにする顧客像)は設定しますが、ディレイラが造るもの自体にはペルソナを定めず、全方位に向けてものづくりをしていきます。欲張りなので、コアなビールファンの評価も欲しいし、品評会の賞も狙いにいきます。」との言葉に、もうすでに新しいフェーズに入っていることを感じました。
ヘッドブルワーの森さんには現地でお話をお伺いすることができました。
何度かブルワリーに足を運んだことがあったのですが、西成の独特な雰囲気は変わらずでした。工場の移転は少しさみしい気もしますが、新しい醸造所で造るビールのことを考えると楽しみでなりません。
乾杯はビールか!?ビールでなくてもいいですよね。
ぜひ一緒にディレイラの商品で乾杯しましょう!
Derailleur Brew Works
<ブルワリー>
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-10-2 1F
電話:06-6575-9067
FAX:06-7635-4843
<事務局>
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-10-2 2F
<SNS>
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









