鳥取の風土を飲みに行く。クラフトビール旅「鳥取クラフトビール物語」始動
ビールに愛された皆さまへ。
昨年10月の終わり、JBJAChannelの取材で鳥取県へ行ってきました。
米子駅からスタートして、大山の水や原料、ブルワリーを訪ね、翌日は倉吉へ。ホップ畑を歩き、白壁土蔵群の中にあるブルワリーでビールを味わう――。
あのとき参加したのは、まだ“これから旅行商品として育てていく”段階の「鳥取クラフトビール物語」でした。
そして2026年秋。あの旅が、いよいよ正式なツアーとして動き始めます。
一般社団法人大山観光局から、「鳥取クラフトビール物語 ~原料を育む風土を巡る~」の参加者募集が始まりました。10月10日(土)・11日(日)の1泊2日、定員はわずか4名です。
昨年歩いた土地が、ひとつの“ビール旅”として形になった。
取材した者として、これはちょっと嬉しいニュースです。
目次
「ビールを飲みに行く」だけではない旅
このツアーの面白さは、ブルワリー巡りだけで終わらないところにあります。
訪ねるのは、大山の水、大麦、小麦、米、そして倉吉・関金のホップ。さらに、その原料を育む土地の歴史や文化、生産者、造り手へと旅がつながっていきます。
大山観光局が掲げているツアーの特徴は、「原料を訪ねる」「造り手に会う」「土地を味わう」の3つ。
普段グラスの中だけを見てしまいがちなビールを、その手前へ、さらにその手前へと遡っていく旅です。
私たちが昨年参加したときにも、これは強く感じました。
最初に飲んだ一杯と、原料の畑を歩き、土地の水に触れ、造り手の話を聞いたあとに飲む一杯では、同じビールでも見え方が変わるのです。
「おいしい」だけでは終わらない。
その味が生まれた理由を、少しだけ知ることができます。
旅の案内人は、ビアエッセイスト・矢野竜広さん

この旅を案内するのは、鳥取県大山町在住のビアエッセイスト、矢野竜広さん。
東京でコピーライター、放送作家を経験したのち、2013年に配偶者の故郷である鳥取県へ移住。著書『山陰クラフトビール』をはじめ、山陰のビール文化を長く発信してきた人物です。「山陰ビール友の会」も運営しています。
昨年の旅でも、単に「次はこちらです」と場所を案内するガイドではありませんでした。
土地の歴史、そこで暮らす人、原料を育てる人、ビールを造る人。
それぞれの間をつなぎながら話をしてくれるので、移動しているうちに点だった場所が線になり面と広がり、この土地とビールのイメージが、立体的に立ち上がっていきます。
JBJAChannelで訪れた昨年の旅はこちらです。
「鳥取クラフトビール物語 2日目 ~生ホップとクラフトビール、倉吉の物語~」
1日目は、大山の「水」と「大地」から
ツアーは13時、JR米子駅からスタートします。
まず訪れるのは、大山寺と大神山神社。

鐘つきも体験できました
ビールツアーなのに、最初が寺社?
と思うかもしれません。でも、ここがこの旅らしいところ。
豊かな水も農作物も、突然そこに生まれたものではありません。大山という山と、人々が長く守ってきた自然や文化があって、その先に現在のビール造りがあります。

地蔵滝の泉の水で乾杯!大山Gビールのおいしさの源です
その後は「地蔵滝の泉」で大山の水に触れ、酒米の圃場へ。そして夕方、大山Gビールのブルワリーを訪ねます。
昨年も私たちはこの順番で旅をしました。
水を飲み、田畑を眺め、そして醸造設備へ。
するとタンクの中にあるものが、単なる「ビールの原料」ではなくなってきます。
大山Gビール、そしてガンバリウスへ
大山Gビールでは、醸造所を見学しながら原料や醸造工程について話を聞きます。
大山の伏流水を仕込み水に用い、地域の大麦やホップ、酒米なども取り入れながらビールを造ってきたブルワリーです。
そして夕食は、もちろん「ビアホフ ガンバリウス」。
ここまで水や原料を追いかけてきたあとで、大山Gビールと鳥取の食材を使った料理をいただきます。

これはもう、ご褒美の時間。
昨年訪れたときにも、私はここを“聖地巡礼”と書きました。大山Gビールを飲むなら、やっぱり一度はここで飲んでみたい場所です。
今回の宿は、一棟貸しの「杉ハウス」
そして昨年から大きく変わったのが、宿泊先です。
昨年は、大山山麓の「ペンション暖暖」に宿泊しました。
テーブルを囲み、参加者や宿の方と飲んだ夜も、旅の思い出として強く残っています。
今回のツアーで泊まるのは、一棟貸しの「杉ハウス(SUGI HOUSE)」。
大山・所子にあり、大山と日本海を眺めることのできる宿だと紹介されています。
一棟貸しというのが、またこの旅に合いそうです。
一日歩いて、飲んで、聞いて、見て。
宿へ戻ってから、その日気になったビールについて話したり、買ってきたビールを開けたり。
ホテルの各部屋へ解散するのとは、また違う夜になりそうです。
2日目は、ホップ畑から倉吉へ
翌朝は大山を出発し、倉吉市関金へ向かいます。
訪ねるのは「The Glasshopper Farm(ザ グラスホッパーファーム)」。

The Gllasshopper Farm の岡田直紀さん
代表の岡田直紀さんは京都大学を退官後、倉吉へ移住し、ホップ栽培に取り組んでいます。育てたホップは「BREW LAB KURAYOSHI」へも出荷されています。
昨年訪れたのは収穫後。
蔓の多くは枯れていましたが、畑を探してみると、まだカスケードの毬花が残っていました。
それを手に取り、揉み、香りを嗅ぐ。
ビール好きにとってホップは身近な言葉ですが、実際に畑で生きている姿を見る機会はそれほど多くありません。
なお、ツアーでは収穫時期に当たればホップ収穫体験も予定されているとのことです。
白壁土蔵群で、倉吉ビールを味わう
旅の終盤は、倉吉の白壁土蔵群へ。
赤瓦と白壁が続く町の中に、「BREW LAB KURAYOSHI」があります。

2020年に白壁土蔵群の空き家を改装して開業したブルワリーで、倉吉の水や鳥取県産大麦、ブランド米「星空舞」、酒粕など、地域の素材を生かしたビール造りにも取り組んでいます。
昨年は醸造所を見学し、クラフトビールと地元食材を使ったランチをいただきました。
さらに、関金で育ったホップをビールに浮かべて“追いホップ”。
朝見てきた畑と、目の前のグラスがつながる瞬間です。
原料を見る。造る場所を見る。そして飲む。
シンプルですが、ビールを知るにはとても贅沢な順番だと思います。
4名だけの、小さなビール旅
今回の「鳥取クラフトビール物語」は、大人数のバスツアーではありません。
定員は4名。
2026年10月10日(土)~11日(日)の1泊2日で、旅行代金は1名49,500円(税込)。
宿泊費、ツアー中の移動費、ガイド料、施設見学料、食事代、試飲代などが含まれます。
集合は10日13時にJR米子駅、翌11日14時にJR倉吉駅で解散。希望者は米子駅まで送ってもらうこともできます。
少人数だからこそ、生産者や造り手の話をじっくり聞けるはずです。
そして、ビール好き同士なら、移動中も宿でも、たぶんずっとビールについて語らい、盛り上がること必至です。
それもまた、この旅の楽しさです。
昨年の「これから」が、本当に旅になった
昨年の記事の最後に、私はこう書きました。「これからツアー旅行として企画が進む予定」。
あのときには、まだ完成していなかった旅です。それが今、開催日と価格が決まり、宿が決まり、申し込みページができました。
ビールを入り口に、その土地へ人が訪れる。
畑へ行き、ブルワリーへ行き、町を歩き、食べ、泊まり、人と話す。
クラフトビールには、そんな旅を生み出す力もあります。
一杯のビールを飲みに鳥取へ。でも帰るころには、きっと「一杯の向こう側」をたくさん知っている。
そんな1泊2日になりそうです。
「鳥取クラフトビール物語 ~原料を育む風土を巡る~」
今年10月、いよいよ始まります。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









