難しくない、でも深い。『ビールスタンド重富』が最高に読みやすいビール本だった【JBJAChannel】
ビールに愛された皆さまへ。
「ビールの本」と聞くと、どんな本を思い浮かべるでしょうか。
原料や製法、ビアスタイルについて詳しく書かれた本。醸造所を紹介する本。あるいは、ビールの歴史をじっくり紐解いていく本。
ビールのことをもっと知りたいと思っていても、専門用語がたくさん並んでいると、少し構えてしまう人もいるかもしれません。
そんな人にも、気軽にページを開いてほしい一冊が出版されました。
2026年8月13日に経営書院から発売された
『ビールスタンド重富 世界は一杯のビールでつながる』です。

広島の「ビールスタンド重富」店主・重富寛さんが監修。取材・執筆を担当したのは、「麦酒探訪人」というペンネームのビアジャーナリストです。
ページを開いて、まず感じるのはその軽やかさ。
内容は決して薄くありません。
それなのに、文章をみっちりと詰め込まず、写真やイラスト、漫画を交えながら進んでいくので、するすると読めます。
ビールをよく知る人にも、これからもう少し知ってみたい人にも開かれた、親しみやすいビール本です。
目次
「注ぎ方」でビールはどこまで変わる?
「ビールスタンド重富」と聞いて、まず思い浮かべるのは、やはり「注ぎ方」ではないでしょうか。
本書の第1章では、重富さんによる6種類の注ぎ方が紹介されています。
同じビールでも、注ぎ方によって泡の状態や炭酸の感じ方、口当たり、そして飲んだときの印象まで変わっていく。
ビールスタンド重富を訪れたことのある人なら、「あの一杯」を思い出しながら読むこともできるでしょう。
一方で、まだ広島のお店を訪れたことがない人にも、この章は面白いはずです。
ビールは、銘柄を選んだところで終わりではありません。グラスに注がれ、私たちの口に届くまでにも、その一杯を変化させる要素がある。
それを知るだけで、いつものビールを見る目が少し変わります。
さらに第2章では、家庭でもできるビールの注ぎ方へと話が進みます。
特別な設備がなければ楽しめない世界ではなく、自宅で飲む一本にもつながっていくのがうれしいところです。
今日買って帰ったビールを、今夜はどう注いでみようか。読んだあと、実際にやってみたくなる。
そんな実用書としての楽しさも、この本にはあります。
『ビールスタンド重富』だけれど、重富さんだけの本ではない
タイトルには大きく『ビールスタンド重富』とあります。
けれど、読み進めていくと、これは重富寛さんという一人の人物だけを追った本ではないことが分かってきます。
第3章では、日本のビールの歴史へ。
さらに、ビールに関わる人々へと視点が広がり、最後には広島から世界へとつながっていきます。
一杯のビールは、突然そこに現れるわけではありません。原料を育てる人がいて、ビールを造る人がいる。それを運ぶ人、売る人、注ぐ人がいて、最後に飲む人がいます。
そしてその背景には、日本にビールという飲み物がやって来て、造られ、飲まれ、文化として根付いてきた歴史があります。
本書が見せてくれるのは、そんな「一杯の向こう側」です。
「注ぎ方」という、とても身近な入口から始まって、人へ、歴史へ、そして未来へ。
読み進めるうちに、書名にある
「世界は一杯のビールでつながる」
という言葉が、少しずつ実感を伴って見えてきます。
Toaさんのイラストと漫画が、ビールの世界をぐっと身近に
そして、この本の読みやすさを語るうえで欠かせないのが、ビアイラストレーター・Toaさんによるイラストと漫画です。
章の合間には漫画が入り、文章を読み進めたところで、ふっと呼吸を整えるような時間が訪れます。
このリズムが、とても心地いいのです。
ビールについて深く書こうとすると、どうしても文字量は増えていきます。
歴史や技術の話なら、なおさらです。
けれど本書では、文章だけで情報を押し込むのではなく、イラストや漫画が読者を次のページへやさしく導いてくれます。
Toaさんの絵は、単なるページの飾りではありません。
重富さんの人柄。
ビールを注ぐ楽しさ。
一杯のビールのまわりに人が集まる空気。
文字だけでは伝えにくいものまで、絵がやわらかく補ってくれています。
「ビールについて知りたい。でも、難しい本はちょっと苦手」
そんな人にとって、Toaさんのイラストや漫画は、ビールの世界へ入っていく心強い案内役になってくれるでしょう。
難しくない。でも、ちゃんと深い
『ビールスタンド重富 世界は一杯のビールでつながる』は、A5判180ページ。
ページ数だけを見れば、決して小さな本ではありません。
けれど、文章をびっしり詰め込まず、写真やイラスト、漫画を交えながら進んでいくので、読み終えたあとに「勉強した」という重たさが残りません。
それでいて、扱っているテーマは広い。
注ぎ方。
家庭での実践。
日本のビールの歴史。
ビールをつなぐ人々。
そして、その先にある世界。
難しくない。でも、ちゃんと深い。
そこが、この本の大きな魅力ではないでしょうか。
重富さんを知っている人には、改めて「あの一杯」の背景を知る本として。
まだビールスタンド重富を知らない人には、ビールの楽しみ方をひとつ増やしてくれる本として。
そして、ビールをもっと知りたいけれど、どこから入ればいいのか分からない人には、その入口となる一冊として。
ビール好きの本棚だけでなく、
「最近ちょっとビールが気になってきた」
という人の手元にも置いてほしいと思います。
一杯のビールを飲む。
いつもなら、それだけだった時間に、
「今日はどう注いでみよう」
「このビールは、どんな人たちを通ってここまで来たのだろう」
そんな小さな好奇心が加わったなら。きっと、その一杯は昨日より少しだけ面白くなるはずです。
書籍情報
『ビールスタンド重富 世界は一杯のビールでつながる』
監修:重富 寛
取材・著:麦酒探訪人
発行:産労総合研究所出版部経営書院
発売日:2026年8月13日
判型:A5判
ページ数:180ページ
定価:1,980円(税込)
ISBN:978-4-86326-416-8
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動画でも楽しくご紹介しています
今回の『ビールスタンド重富 世界は一杯のビールでつながる』は、JBJAChannelの動画でもご紹介しています。
記事では本の内容や魅力を整理しながらお伝えしましたが、動画ではもう少し自由に、実際にページをめくりながら「ここが面白い」「このイラストが好き」「この話はぜひ読んでほしい」と、にぎやかに語っています。
本の軽やかさや、Toaさんのイラストと漫画の楽しさは、実際にページを見ながら話すと、また違った伝わり方があります。
文章でじっくり読むのもよし。
動画で一緒に本をのぞき込むように楽しむのもよし。
ぜひ、あわせてご覧ください。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。









