[イベント,ビアバー]2019.7.5

【ビールスタンド重富】ビール注ぎ名人が教える、本当においしいビールを届けるための“唯一の道”!イベント情報もあるよ

セカツタ2020ビールスタンド重富広島県重富寛

広島市にある「ビールスタンド重富」は、三代続く酒屋「重富酒店」に併設された角打ち形式の小さなビールスタンドだ。

ビールは大手メーカーのものが1種類なのに、昭和と平成2種類のビールサーバーを使い注ぎ方を変えることによって、5種類の味わいに変化するのだ。
オーナーの重富 寛(しげとみ ゆたか)さんは”ビール注ぎ名人”としても知られており、名人のビールを目当てに他県からもお客さんが訪れるほど。

注ぎ方による味の変化の秘密は、以前「ビア女の酒場放浪記(52)広島のビールスタンド重富で温故知新」でお伝えした。

しかし「ビールスタンド重富」が本当に伝えたいことは、“名人の腕”ではない。
重富さんにビールに関する想いを伺った。

テーブル代わりの樽が並ぶ店内は昭和レトロな雰囲気。壁には地元愛溢れる広島カープとサンフレッチェ広島のグッズが飾られている

おいしいビールは準備で8割が決まる

ビールスタンド重富は、休日ともなると順番待ちの列ができるほどの人が訪れる。
店内は10人が立てば一杯になるほどの小さなスペースだ。

おいしいビールの8割は準備段階で決まるというのが、重富さんの考えだ。
「ビールをおいしくする5割はジョッキ洗い。あと3割がサーバーの洗浄・ホースの洗浄・樽の管理・ガス圧の管理。この8割でビールは一段とおいしくなります」

板前さんが包丁を研ぐときに“心を研ぐ”というように、ビール職人はジョッキを洗うときに“心を磨く”」と重富寛さん

日本の大手ビールメーカーが国内外のコンペでも多くの賞を獲っている通り、日本のビールは優秀だ。しかし、街の居酒屋で飲んだビールがやけに苦かったりえぐみを感じたりした経験はないだろうか? 美味しい状態で出荷されたはずのビールが不味くなること。それは私たちの口に入る途中で“劣化”があったからだ。

生ビールが気軽に飲食店で飲めるようになった反面、その管理法を知らない従業員も増えてしまった。そんな店で出されたビールを飲んだ人たちが、ビールは苦手という印象を持ってもおかしくない。(私も27歳まではビールが苦手だった)

酒販店が温度変化や日光、振動に留意して運んできた生ビールの樽を、うまい状態のまま飲食店で客の口に届けるには、日々のメンテナンス(保管・洗浄・管理)が不可欠だ。
その客の目には触れない日々の努力がうまいビールを注ぐ“唯一の道”というのだ。

その“唯一の道”を広く伝導するのが“ビールスタンド重富の役目”と重富さんは考えている。

重富さんはホームページで樽のガス圧や適性温度、洗浄方法まで具体的に公開している。
また、飲食店向けに正しいビールの管理方法を指導する「生ビール大学」を随時開校。

「ビールがおいしい飲食店が日本全国に増えて、どの店に入っても満足が得られるというのが理想。さらに、最良の注ぎ方を独自に研究してもらえばと思います。結果、当店にお客さんが並ばなくなるのが夢ですね」と重富さん。

ビールスタンド重富では、注文できるビールはひとり2杯までで、ツマミもない。
「ここでビールを飲んだら是非、次のお店にも行ってくださいね」

重富さんのビールに興味を持った人たちがこの店を訪れ、2軒目に流れれば周辺の酒場も活気づくだろう。重富さんは客を自身の店に呼び込みたいのではない。日本の飲食店全体の底上げを図っているのだ。

”昭和のビールサーバー”は、水道の蛇口のようなスイングカランになっている。横に捻るほどビールの流量が大きくなる仕組みで扱いは難しいのだが、“平成のビールサーバー”ができるまでは、どのお店でもこのようなサーバーが使われていた

私が大手メーカーのビールを注ぐ理由

重富さんはイベント出張の時などはクラフトビールを注ぐこともあるが、店では大手メーカーだけ扱う。なぜだろうか?

国産ビールをピラミッドに例えると、その土台にあるのはアサヒやキリン、サッポロ、サントリーなどの大手メーカーだ。クラフトビール市場は拡大しているにもかかわらず、国産大手メーカービールの土台は縮小傾向にある。土台が蝕まれれば、いつかピラミッドが倒れてしまうだろう。
「これは日本の経済が倒れる時だ」、重富さんは危機感を覚えたという。

「クラフトビールだけでなく、国産大手メーカーという土台を伸ばせばビール市場は盤石になるでしょう。私は国産ビールの土台をしっかりと造りたい。だから大手メーカーのビールでもプレミアムは注がずに、大手の通常のものしかやらないのです」

うまいビールが親の笑顔をつくり、家族・子どもの笑顔になり、広島の街を元気にする! 生ビールを起点に広島を活性化することを目的とした「ひろしま元気プロジェクト」も始動している

おいしいビールを知ってもらうための旅

重富さんは、本当においしいビールを飲んでもらうために「旅するスイングカラン」と称して、昭和と平成のビアサーバーと共に、他県のイベントでもビールを注いでいる。
広島にとどまらず、まずは本物のビールの味を知ってもらおうというわけだ。

昨年は北海道から鹿児島まで50カ所以上を回った。
2019年の今年はさらに多くの場所でビールを注ぐ予定だ。

広島まで行けないビアファンの方々も「旅するスイングカラン」で、“唯一の道”を通った本当においしいビールを体験してみてはいかがだろうか?
そして近い未来、こんなビールが日本全国の店で飲めることを期待したい。

【ビールスタンド重富】
住所:広島市中区銀山町10-12(ブルーウェーブインホテル広島南側)
営業時間:17時~19時(休日は延長することもあり。重富さん不在時には弟子が開店)
WEB:http://sake.jp/

近日中に開催が予定されている「旅するスイングカラン」

■「出張!ビールスタンド重富!2019 in 秋葉原」
日時:7月6日、7日 11:00〜20:00
場所:日本百貨店しょくひんかん こまきしょくどう(東京・秋葉原)
通常店で味わえる「一度つぎ」「二度つぎ」「三度つぎ」「シャーブつぎ」の他に、「マイルドつぎ」「マイルド&IPA」「ミルコ」も登場。https://www.jbja.jp/archives/25682

■『まんがでわかる ビールが10倍美味しくなる知識』出版記念イベント
☆予約で満席になりました。追加販売もございません。
日時:7月13日 15:30~18:00
場所:Beer Cafe Restaurant ATHREE PARLOR(東京・新宿)
重富さんと、その弟子でビアバー「麦酒大学」学長(店主)の山本祥三さん、2人の名人が注いだビールを味わうことができる。こちらのサイトから要予約
https://www.jbja.jp/archives/25920

■阪神のクラフトビールと餃子マーケット
日時:7月19日、20日、21日 10:00~12:00/13:00~16:00/17:00~19:30
場所:阪神梅田本店8階(大阪・阪神梅田)
クラフトビール✕餃子、注目の2つのムーブメントを捉えた食のフェス。旬なクラフトビールと、進化系餃子のコラボが楽しめる。
https://www.hanshin-dept.jp/hshonten/event/index.html/

■ひろしまブランドショップTAU期間限定「ビールスタンド重富」
日時:8月2日~6日 平日17:00~19:30 土日11:00~19:30
場所:ひろしまブランドショップTAU(東京・銀座)
ひろしまの旬の食体験の場所として様々なグルメを提供している「ひろしまCAFE」での出張「ビールスタンド重富」。

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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。海外生活情報誌「ドイツニュースダイジェスト」や、雑誌「ビール王国」(ワイン王国)、雑誌「an・an」(マガジンハウス)、「クラフトビールの図鑑」(マイナビ)などさまざまなメディアで活躍中。

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