[コラム]2016.6.18

Beerに惹かれたものたち 4人目 髙山広告編集所 高山伸夫氏

Beerに惹かれたものたちびあ教室クラカク髙山伸夫氏

都内で広告業を営みながら「ビールと、好奇心。」というビアカルチャー活動をしているのが、髙山伸夫氏だ。先日、イベントレポートをした小づくりの角打ち交流会「クラカク」の主催者でもある。今回は髙山氏がなぜ、イベントを催しているのかに迫ってみた。

ビールとの出会いは1980年代半ば

「今はもうなくなってしまったんですが、外苑前に青山シルバーマグというビアバーがありました。当時としてはビールを主体にして飲ませるバーは珍しく、そこに入り浸ったのが始まりですね」と、ビールとのきっかけを訊ねるとそう答えてくれた。「それまでもビールは好きで飲んでいましたけど、そこで、海外のビールに驚きを覚えながら開店から終電ギリギリまで、ずっとビールを飲んでいました」どのくらい前のことかというと1980年代半ばというから髙山氏のビールハマり歴は35年近く。かなりのベテラン選手である。

髙山氏はビールを通じて、様々な交流の場をつくり出している

髙山氏はビールを通じて、様々な交流の場をつくり出している

東日本大震災が活動のきっかけに

「自分の中では、東日本大震災が直接『クラカク』と結びついている感じはしないのですが、東日本大震災は自分の中で大きかったと思います。あの後に『何かやらなきゃいけないな』という想いがあって。それで『間借り食堂』という名で支援イベントを10回近く開催したことが、自分がイベントをやることの敷居を下げてくれた感じがします。震災がなければ僕はこうしたことをやるタイプの人間ではなかったので。」とイベントを企画するようになった経緯を語ってくれた。

「クラカク」が始まったのは2014年。「きっかけはよく覚えていないのですが、日本酒を長く飲んでいた時期もあって、ビールに戻ってくるときに、改めてビールに詳しい知人に自分の本業とビールを結び付けるような企画ができないか相談したことが始まりだったかと思います」と語った。

「クラカク」では、参加者全員が同じ銘柄のビールを飲む。「普通はそれぞれが飲みたい物を飲んで盛り上がるわけですよね。それだとイベントとして敢えてやる必要がないなと。だから敢えて同じものを飲んで、感じ方の違いを楽しみながら、それを言葉にする遊びにしました。そういう引っかかりがないとつまらないと思って」この形にした理由はこうした想いからだ。だから、厳密な意味でのテイスティングイベントではないし、どちらかというと、普段、海外のビールやクラフトビールと接する機会が少ない人たちに気軽に参加して欲しいという。

地道な活動は実を結びはじめ、最近ではビール繋がりではない人が他の人を誘ってきてくれるようになってきている。

月1回開催にしているのは「せめてそのくらいの間隔でやらないといろいろなビールを追いかけきれないから」という。これまでのテーマビールになったものは、ゴーゼ、エスプレッソビールといったちょっと変わったビールからピルスナーやヴァイスビールなどのオーソドックスなスタイルのビールまで、バラエティに富んでいる。

「最終的に1人1人に、テーマビールのキャッチコピーを発表してもらうので、参加者は普段以上に味わったり、考えようとします。コピーの善し悪しより、そのことが肝です。その経験が、どこかでまたそのビールに出会ったときにその人の中で蘇ってくれたら最高です」と髙山氏は言う。

「クラカク」の上位概念としての「ビールと、好奇心。」

そして、今年3月に、新たなブランドを立ち上げた。それが「ビールと、好奇心。」だ。立ち上げた理由と訊ねると「京成小岩クラフト酒店(KKCB)さんのところで始めた『びあ教室』もそうなんですが、すべてを『クラカク』の名前でやるのは厳しいなと。自由度を上げるために上位概念が必要でした」。髙山氏の頭の中にあるイメージを形にしていくうえで、必要になってきたものだという。

ちなみに「びあ教室」は、ベルギービール初級編として、講師にベルギービールプロフェッショナルマスターの小泉奈津子氏を迎え、イロハのイから学ぼうというもの。「たくさんあって分からないとか、難しそう、と壁をつくってしまうのではなく、この「びあ教室」をきっかけに知ったベルギービールをKKCBのカウンターで味わったり、話題として隣の人とおしゃべりしてもらえればと思います」とのことだ。

髙山氏の活動を取り上げるにあたり、過去の活動を確認してみると「クラカク」、「びあ教室」の他にも工場見学やピクニックをはじめ、様々な活動を行ってきている。豊富なアイデアはどのようにして生まれるのか。その辺りを訊いてみると「ウォーキングやジョギングをしているときに、知らず知らずのうちに考えているようなところがありますね。多くの人に受け入れられるものは大変だしハードルが高いです。なので、自分がやったら楽しいんじゃないかとか、あのメンバーならこんな企画に参加してくれるんじゃないかとか、そんな風に考えています」と語った。

「例えば、『びあ教室』は、資格をもった小泉さんという存在が身近にいて、彼女といっしょに場がつくれないかなと考え始めたことがきっかけです。そこにKKCBという二階のスペースをもった、これまた知り合いの酒屋さんも巻き込んだ」と笑顔で話してくれた。

○○とビールを組み合わせて面白いものを生み出せないかといつも考えている。こうした想いが髙山氏の活動の元となっている。

お店も参加者もみんなで楽しめるクラカク。ちょっとクセになる楽しさだ!

次はどんな企画が飛び出すか。今から楽しみだ!(写真はクラカクの様子)

今後も現存のコンテンツを育てながら、「○○とビール」といった組み合わせを通じて、ビールそのものを知る楽しさを共有したり、ビール片手にさまざまなものを楽しむ場を考えていきたいという。「いきなり大きなことは無理なので、コツコツやっていきます」とも語ってくれた。

そして、髙山氏のイベントはかしこまらず、気軽に参加して楽しめるのが1番の特徴だ。これからもどんな企画が飛び出してくるのか。楽しみである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※記事に掲載されている店舗のメニューや営業時間、イベント内容などの情報は予告なしに変更される場合があります。店舗のホームページやイベントの告知ページなどをご確認の上、ご来店・ご来場くださいますようお願い申し上げます。

日本ビアジャーナリスト協会 公式facebookページ

公式facebookページの右上にある「いいね」をポチッとしてくださいね。よろしくお願いします!

05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

このエリアに掲載する広告を募集しています。
詳しくはこちらよりお問い合わせください。