[イベント,コラム,ビアバー,ブルワー]2017.2.26

宿場町に着々と根づきはじめたさかづきBrewingの1年を訊く!

さかづきBrewingブルワリーレポート北千住金山尚子氏

東京都足立区、北千住駅東口より徒歩3分のところに昨年3月、さかづきBrewing(以下、さかづき)はオープンした。オープン記念日である3/1(水)には周年祭を予定している。ブルーパブではまだ珍しい女性ブルワーはこの1年をどう思い、過ごしてきたのか。話を訊いてきた。

老若男女、家族連れから井戸端会議まで幅広い世代が訪れるブルーパブに!

さかづきを訪れると目にする光景がある。平日は若い女性グループに仕事帰りのサラリーマン。休日は子供連れのご夫婦や一見クラフトビールなど飲まなさそうなご婦人一行たちと様々な世代が店内でにこやかに過ごされているのだ。

「そうですね。本当に色々な世代の方たちに利用していただいています。遠方から飲みに来てくださるお客さんもいらっしゃいますが、北千住界隈の方や会社帰りに来てくださる方が多いですね。この界隈の年配の方は意外と積極的で、色んなビールを飲んでくれます(笑)」

1年前に可能な限り自分たちの手で作りあげた空間は今では地元の人たちがそれぞれの想いを過ごす場として賑わっている

北千住にブルーパブができることが嬉しかった半面、大衆居酒屋が多いこの土地に根づくのかという疑念もあったこの1年であったが、お店に行くたびに幅広い世代で賑わっている光景を見て、確実にさかづきがこの土地に根を張り始めているのを実感している。

人気の高まりや暖かい季節に向かったことで、ビールが足りない…

この1年、もちろん順風満帆であったわけではない。近年のクラフトビール人気やこの地域で初めてのブルーパブに女性ブルワーといった話題性、そして春から夏に向けてビール繁盛期と、当初、想定していたよりもビールの消費量が多く、醸造しても追いつかない日々が続いた。

「この1年ですか?いやぁ、忙しかったです(笑)。色々なビールを楽しんでもらうためにTap数を多く設置したのですが、予想よりも多くの方に来店していただき、飲んでもらえたことで、お出しできるビールの数が少なくなってしまいました。新しい醸造設備の特徴を捉えることにも時間がかかり、味がなかなか安定しませんでした」

ビールのラインナップが少ないことや味の不安定さに不満を漏らすお客もいたという。

オープン当初は新しい醸造設備の特徴をつかむために試行錯誤を繰り返す日々が続いた。1年を向かえ、「イメージした感じのビールが造れるようになってきた」と金山氏は語る

そうした声に対しても金山氏は真摯に向き合っている。営業中は積極的に接客も行い、お客さんからビールの感想や意見を訊いている。特にさかづきのフラッグシップビールともいえる風月ペールエールはマイナーチェンジを繰り返し、進化を続けている。

その成果は着々と表れており当時、不満を漏らされていたお客さんが再び来店してくれるようになっているという。

「今は醸造設備の特徴もつかめましたし、スタッフも増えたことで、仕込みの回数を増やすことができるようになりました。最近では常時、6~7種類のビールを楽しんでもらえる環境が作れています」

オープン当初は醸造が追いつかない日々が続いたが、設備の改良をはじめ、修正を重ねた結果、今では様々なラインナップを提供できるようになった

この1年で仕込みの回数は87回を数え、22種類のビールを醸造した。事業計画を作成したときは週に1回の仕込みを想定していたが、現在は週2回程度のペースで行っている。それでも醸造は追いつかない状況にあるというから驚きだ。

ブルーパブを始めてよかった!

オープンよりまもなく1年を迎えるにあたって、金山氏に率直な感想を訊いてみた。

「面白かったですよ!ビールが好きでこの業界に入ったわけですけど、やっぱりビールを造ることが好きだったんだなぁと気づきました。とくにここは目の前にいるお客さんとコミュニケーションをとれることで、ビールに対するダイレクトなリアクションを肌身で感じることができます。ビールをマイナーチェンジするときはお客さんの意見を聴いて造っています」

「私の場合は造りたいビールを造って提供するのではなく、お客さんが喜んでくれるビールを造りたいと思って造っています」

「私が飲みたいビールではなく、あなたに飲んでほしいビール」がさかづきのスタイルなのである。

今までのデータを見ながら1年を振り返る金山氏。今後の構想も色々あるようだ

料理と一緒に楽しんでもらうビールを!

金山氏はさかづきをオープンするにあたって、クラフトビールだけを推していくお店にするつもりがなかった。1年前に話を訊いたときに「料理とのペアリングを意識して提供していきたい」と語っていた。

「そうですね。少しずつペアリングを意識したこともでき始めていますし、季節に合わせた料理メニューも提供できるようになってきています。うちはあまりハードなビールを造っていないですし、お客さんもあまり求めていないですね。料理を楽しみに来られる方も多いです。さかづきでは料理と合わせられるビールを造ることを大事にしようと思っています。

さかづきではスタイルに応じて、グラスを変えて提供している。どんな料理とビールが合うのか色々、楽しめるのもこのお店のウリなのだ

1等はオリジナルビールを一緒に造れる権利が与えられる!

オープン記念日である3/1(水)には周年イベントが予定されている。1周年を記念して、2つの周年ビールと抽選によるプレゼント企画が予定されている。

気になる周年ビールはオープン時、偶然に誕生したスモークヴァイツェンとバーレーワインだ(正式なネーミングはさかづきのFacebookページで発表される)。

スモークヴァイツェンは、初仕込みで醸造設備に慣れていなかった際に麦芽を焦がしてしまいスモーク香がついたビールだ。もちろん、今回はスモークされた麦芽を使用して造っている。なぜ、このビールを選んだのかを訊ねると「あのときの必死な気持ちを思い出すため」とのことだ。

1周年の記念ビールの1つであるスモークヴァイツェン。今回はスモークモルトを使用し、あのときの味を再現している。燻製好きの方には飲んでいただきたいビールだ(写真とは無関係です)

そして、もう1つのバーレーワインはフレッシュバージョンだ。これは、今年の周年祭でフレッシュな状態のものを、そして1年後の周年祭で同じビールを熟成させたものをそれぞれ飲んでもらうことで、1年間という時間がビールにもたらす変化を感じてもらうことが狙いだ。熟成は、アメリカンオークとフレンチオークの2種類の木樽で行う。2周年祭に向けた熟成のために取っておかないといけないため、数量限定での提供になる。確実に飲んでみたい方はイベント当日、予定を空けておくことをおススメする。

一方、プレゼント企画の目玉は「オリジナルビールを造れる権利」だ。これは金山氏と一緒に自分が考えたビールを造り、お店で提供されるものだ。時間がない人は「造りたいビールをイメージ」すれば、金山氏が造ってくれる。プロのブルワーと一緒に造れる機会はなかなかない。しかも、お店で多くのお客さんに飲まれるというまたとない機会だ。ぜひとも権利をゲットしてほしい。

タイミングがあれば、仕込を見ながらビールや料理を楽しむことができる。仕込んでいないときは金山氏はお店で接客をしているので、気になることは色々訊いてみよう

この他にはロゴ入りグラスやロゴ入りトートバック、ロゴ入りメタル栓抜きなどのノベルティーがプレゼントされる。

※詳細はさかづきのFacebookページをチェックしてください。また、プレゼントの内容や提供できる数には限りがあるため、予定数を超えた場合は提供できないこともあります。ご了承ください。

3/1(水)の周年イベントではオリジナルビールが一緒に造れる権利が当たるなど、様々なグッズがもらえるチャンスが!

「イベント自体は3/1だけです。さかづきを応援してくれた方たちとひっそりお祝いできればと思っています」と謙虚に金山氏は話すが、当日はビールファンや宿場町の新たな憩いの場となったお店を一緒に祝いたい方たちの笑顔が溢れていることだろう。

今後はお客さんとのしっかりと向き合える環境や品質管理を維持すること守りながら、醸造規模の拡大を目指すことや外販の試み(飲食店向け)にも挑戦する意向とのことだ。

◆さかづきBrewing Data

住所:東京都足立区千住旭町11-10

電話:03-5284-9432

FAX:03-5284-9439

E-mail:shoko178_ilbeer@yahoo.co.jp

Facebook:https://www.facebook.com/sakaduki

営業時間:平日16:00~22:30(L.O. 22:00)土13:00~22:30(L.O. 22:00)日13:00~21:30(L.O. 21:00)

定休日:月曜日・火曜日

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この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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