[イベント,ビアバー,ブルワー]2019.5.3

TKBrewing コラボビール「Sugi Daddy Brut」2019/5/10開栓

2019年4月、TKBrewing(ティーケーブルーイング)にて、「髙林 亮一」氏と「大窪 松樹」氏のコラボレーションが行われました。醸造されたコラボビール「Sugi Daddy Brut」は、TKBrewingにて、2019年5月10日(金)開催のイベント時に開栓されます。その魅力とイベントについて、お伝えします。

TKBrewingの「髙林 亮一」氏と「大窪 松樹」氏

TKBrewingおよび「髙林 亮一」氏

TKBrewingは、JR川崎駅から西に徒歩10分ほど、複合施設Unico内にあるブルワリー&タップルーム。10坪(約33㎡)のスペースに醸造設備、プレハブ冷蔵庫、タップルーム注文窓口が収まっており、とてもコンパクト。飲食スペースは、他テナントと共有ですが、ちょっとしたパーティを開催できるほどの広さです。オーナー兼ブルワーの「髙林 亮一」氏は、カナダ在住中の1998年頃にビール醸造に触れ、その後もアメリカのクラフトビールカルチャーを学ばれました。そして、2017年1月にTKBrewing設立、2017年10月に酒造免許取得、2017年12月にはタップルームをオープンしました。「髙林 亮一」氏の醸造するビールは、どのスタイルも醸造の基本をしっかり捉え、その上でオリジナリティを出している印象です。

(左)TKBewingのタップルーム注文窓口、(右)オーナー兼ブルワーの「髙林 亮一」氏

醸造設備としては、マッシュタン(糖化槽)、ボイルケトル(煮沸槽)、ホットリカー(貯湯槽)が250L、発酵タンク300Lが3基、熟成タンク300Lが1基の構成です。熟成タンクは、プレハブ冷蔵庫内に設置。冷却を行うチラーは、お手製とのことです。

(左)ボイルケトル、ホットリカー、マッシュタン、(右)発酵タンク3基

「大窪 松樹」氏

2017年にアメリカで開催された、クラフトビール醸造のイベント「BEER PRO/AM(ビールプロアマ)」に参加。ポートランドのブルワリーPINTSと共に、クラフトビールを醸造することになりました。その際、『日本らしさを表すには、どうしたらよいか?』と悩み、日本酒樽に使われている木材「杉」に注目。ビールに「杉」を使うことを閃き、「Sugi Daddy(杉ダディ)」という銘柄を生み出しました。杉の香りが爽やかな「Sugi Daddy」は大好評で、当時、日本にも少量が輸入されました。2018年夏には、六本木Inazuma Beerとコラボレーションを行い、その時に醸造された「Big Thunder Mango IPA」は、都内のビアバーなどでに提供され、好評でした。「大窪 松樹」氏は、ホップの香りや副原料の醸し出す香りを大事にし、その上で苦味を抑えたビールをつくられる印象です。そして、今回はTKBrewing「髙林 亮一」氏とのコラボレーションを行います。

爽やかな笑顔の「大窪 松樹」氏

コラボビール「Sugi Daddy Brut」が出来るまで

今回のコラボは、「大窪 松樹」氏のビールを知る「髙林 亮一」氏の友人が、『コラボビールをつくってみると、面白いのでは?』と「髙林 亮一」氏に話を持ち掛け、実現しました。「大窪 松樹」氏と面識のあった「髙林 亮一」氏は、この提案に快諾し、「Sugi Daddy」のBrut版をつくることが決定。そして、4月中旬、TKBrewingにて「髙林 亮一」氏と「大窪 松樹」氏による仕込みが行われました。仕込当日は、糖化~濾過~煮沸~ワールプールの工程後、冷却して発酵タンクへの移送し、イースト投入が行われ、しばらくは発酵を待つ期間となりました。

「髙林 亮一」氏と「大窪 松樹」氏

4月下旬には、杉の風味をつける工程が行われました。杉には、日本酒の酒樽などに使われる「吉野杉」の杉板を使用。鉋(かんな)で薄く削りますが、削る量が多く、労力のかかる作業です。終わった後は、お疲れの様子でした。

鉋(かんな)により、杉板を薄く削る作業中の光景

薄く削った杉は、布袋に詰め、お湯で蒸します。蒸すことで、杉の風味をたたせ、そして殺菌を行います。布袋を蒸鍋から取り出すと、杉の香りが爽やかに立ち込め、まるで森の中にいる印象。少し冷ました後、発酵タンクへ投入となります。そのまま入れると液面に浮いてしまうので、糸を使い発酵タンクの中央に固定する調整を行います。杉を詰めた布袋の投入は「髙林 亮一」氏、糸による位置調整は「大窪 松樹」氏が行い、2人が息を合わせ、発酵タンクに投入されました。

(左)削った杉を詰めた布袋を蒸す、(右)糸を使い、発酵タンクの中央に固定する

杉を投入された「Sugi Daddy Brut」は、発酵タンクで引き続き熟成が行われるので、ケグ(ビール樽)詰めまで待つ期間となります。完成イメージとしては、外観は黄金色、杉の爽やかな香りと風味、苦みは弱め、そしてドライなビールになる予定とのことです。

開栓イベント「Sugi Daddy Brut Special Release」

イベント内容

イベントページ:https://www.facebook.com/events/355180465115214/

日時:2019年5月10日(金) 17:00~22:00

場所:TKBrewing

概要:

「髙林 亮一」氏と「大窪 松樹」氏のコラボビール「Sugi Daddy Brut」を提供。当日は、「大窪 松樹」氏も訪れるため、ご本人とお話しができるチャンス。また、追い杉(薄く削った杉をビールに浮かべる)のサービスも予定しており、このイベントでしか飲めない味わいが楽しめます。日本酒で使う升に入れて飲めば、さらに和風な味わいが楽しめるので、興味ある方は升の持参を推奨とのこと。

※イベント日程等、変更になる場合があります。事前にTKBewingのイベントページなどをご確認ください。

「Sugi Daddy Brut」を味わおう!

2017年アメリカの「BEER PRO/AM(ビールプロアマ)」にて、大好評を得た「Sugi Daddy」。日本への輸入量は少量のため、飲まれた方は少ないですが、良い評判を聞きます。そのBrut版「Sugi Daddy Brut」が、川崎のTKBrewingで味わえるチャンス。是非、訪れることをおススメします。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


■TKBrewing

営業時間:
[金] 17:00~22:00
[土] 15:00~22:00
[日] 15:00~21:00
[定休日] 月、火、水、木

WEB サイト:
http://tkbrewing.com/
FACEBOOK:
https://www.facebook.com/TKBrewing.jp/

※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。
訪れる際は、事前にご確認をお願いします。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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